実数解の意味・二次方程式の実数解の個数
方程式の実数解について整理しました。実数解の意味,2次方程式の実数解の個数,関連する話題を紹介します。
実数解とは
実数解とは
実数解とは,方程式の解の中で実数のもののことです。
という2次方程式は, という2つの実数解を持ちます。
実数解は「グラフと 軸の共有点」に対応します。例えば, のグラフと 軸の共有点は と です。 と という実数解に対応しています。
実数解を持たない例
という2次方程式は実数解を持ちません。2乗して になる実数は存在しませんね。
方程式を移項すると となりますが,左辺を表す のグラフは 軸と交わりません。
なお, は実数解は持ちませんが,複素数の範囲で考えると が解です。虚数解です。
実数解の個数
実数解の個数
2次方程式の実数解の個数は,判別式 の符号からわかります。
2次方程式 について,判別式を とします。
- 異なる実数解2つ
- 実数解を1つ(重解)
- 実数解なし
の実数解の個数を求めよ。
判別式は,
となりプラス。つまり,実数解を2つ持つ。
このように,判別式の符号を見るだけで,方程式を実際に解かなくても実数解の個数がわかります。
(1)
(2)
(1) 判別式は, より実数解を持たない。
(2) 判別式を とすると, より実数解は1つ(重解)。
なお,判別式については判別式まとめ【2次方程式の実数解・x軸との共有点の個数】でさらに詳しく解説しています。
発展
発展
関連する話題を紹介します。少しむずかしいです。以下では「実数係数多項式=0」という形の方程式を考えます。また,重解はそれぞれ別の解とカウントします)。
-
次方程式の解は複素数の範囲で 個あります。
→代数学の基本定理とその初等的な証明 -
虚数解は偶数個です。虚数解があれば,その共役複素数も解になるからです。
→共役複素数の覚えておくべき性質 -
よって,三次方程式の実数解の個数は 個または 個です。
-
四次方程式の実数解の個数は 個のいずれかです。
二次方程式と書くか2次方程式と書くか悩ましいです。