実数解の意味・二次方程式の実数解の個数

方程式の実数解について整理しました。実数解の意味,2次方程式の実数解の個数,関連する話題を紹介します。

実数解とは

実数解とは,方程式の解の中で実数のもののことです。

実数解を持つ例

x21=0x^2-1=0 という2次方程式は,x=1,1x=1,-1 という2つの実数解を持ちます。

実数解は「グラフと xx 軸の共有点」に対応します。例えば,y=x21y=x^2-1 のグラフと xx 軸の共有点は (1,0)(1,0)(1,0)(-1,0) です。x=1x=-1x=1x=1 という実数解に対応しています。 実数解の個数とグラフ

実数解を持たない例

x2=1x^2=-1 という2次方程式は実数解を持ちません。2乗して 1-1 になる実数は存在しませんね。

方程式を移項すると x2+1=0x^2+1=0 となりますが,左辺を表す y=x2+1y=x^2+1 のグラフは xx 軸と交わりません。 実数解のを持たない例

なお,x2=1x^2=-1 は実数解は持ちませんが,複素数の範囲で考えると x=i,ix=i,-i が解です。虚数解です。

実数解の個数

2次方程式の実数解の個数は,判別式 DD の符号からわかります。

2次方程式 ax2+bx+c=0ax^2+bx+c=0 について,判別式を D=b24acD=b^2-4ac とします。

2次方程式の実数解の個数
  • D>0    D > 0\iff 異なる実数解2つ
  • D=0    D=0\iff 実数解を1つ(重解)
  • D<0    D <0\iff 実数解なし
例題

2x26x+3=02x^2-6x+3=0 の実数解の個数を求めよ。

解答

判別式は,
D=(6)24×2×3=3624=12>0D=(-6)^2-4\times 2\times 3\\=36-24=12>0

となりプラス。つまり,実数解を2つ持つ。

このように,判別式の符号を見るだけで,方程式を実際に解かなくても実数解の個数がわかります。

練習問題

(1) x23x+5=0x^2-3x+5=0
(2) 9x2+6x1=0-9x^2+6x-1=0

解答

(1) 判別式は,(3)24×1×5=11<0(-3)^2-4\times 1\times 5=-11<0 より実数解を持たない。

(2) 判別式を DD とすると,D4=32(9)×(1)=0\dfrac{D}{4}=3^2-(-9)\times (-1)=0 より実数解は1つ(重解)。

なお,判別式については判別式まとめ【2次方程式の実数解・x軸との共有点の個数】でさらに詳しく解説しています。

発展

関連する話題を紹介します。少しむずかしいです。以下では「実数係数多項式=0」という形の方程式を考えます。また,重解はそれぞれ別の解とカウントします)。

二次方程式と書くか2次方程式と書くか悩ましいです。