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定数分離の考え方と例題3問

更新日時 2021/03/07
定数分離

方程式において,文字定数を片側に集める変形を定数分離と言うことがあります。

定数分離の例. x22xa=0x^2-2x-a=0 という xx についての方程式を x22x=ax^2-2x=a と変形する。

入試数学の基本的なテクニック「定数分離」について,例題を通じて解説します。

目次
  • 定数分離の応用例1(二次関数・解の条件)

  • 定数分離の考え方

  • 定数分離の応用例2(三次関数・解の個数)

  • 定数分離の応用例3(不等式)

定数分離の応用例1(二次関数・解の条件)

まずは,例題を通じて定数分離とは何か説明します。

例題1

xx についての二次方程式 x22xa=0x^2-2x-a=01-1 以上の異なる実数解を二つ持つための aa の条件を求めよ。

解答

二次関数と定数分離

x22xa=0    x22x=ax^2-2x-a=0\\\iff x^2-2x=a

より,y=x22xy=x^2-2xy=ay=a のグラフが x1x\geq -1 なる範囲で二つの交点を持つ条件を求めればよい。

図より,求める aa の範囲は 1<a3-1 <a \leq 3

別解(定数分離を用いない方法):二次方程式の解は解の公式より x=1±1+ax=1\pm\sqrt{1+a} よって,求める条件は 1+a>01+a > 0 かつ 11+a>11-\sqrt{1+a} > -1

これを解くと 1<a3-1 <a\leq 3

定数分離の考え方

例題をふまえ、定数分離の考え方を整理します。

文字定数 aa を含む xx についての方程式 f(x,a)=0f(x,a)=0 を考えます。aa の値によって方程式の解は変化します。

このとき,方程式を g(x)=ag(x)=a (右辺は aa でなくても 2a,ea2a,e^a など aa の簡単な関数ならよい)という式に変形できれば y=g(x)y=g(x) のグラフと y=ay=a のグラフの交点を見ることで解の様子が分かります。

このように「定数分離」することで見通しが良くなることがあります。

定数分離の応用例2(三次関数・解の個数)

例題2

xx についての三次方程式 x33x+a=0x^3-3x+a=0 の異なる実数解の個数を求めよ。

解答

x33x+a=0    x3+3x=ax^3-3x+a=0\iff -x^3+3x=a

より,y=x3+3xy=-x^3+3xy=ay=a のグラフの交点の数を求めればよい。

三次方程式の解の個数

y=x3+3xy=-x^3+3x のグラフは,

y=3x2+3=3(x+1)(x1)y'=-3x^2+3\\=-3(x+1)(x-1)

であることに注意すると図のようになる(x=1x=-1 で極小値 2-2x=1x=1 で極大値 22 を取る)。

よって,異なる実数解の個数は,

2<a<2-2 <a <2 のとき三個

a=±2a=\pm 2 のとき二個

a<2,2<aa <-2,2 <a のとき一個

一般に三次方程式を解くのは非常に大変(→カルダノの公式と例題)なので例題1の別解のような方法は通用しません。定数分離の威力が発揮されています。

定数分離の応用例3(不等式)

定数分離の考え方が使えるのは方程式だけではありません。

例題3

00 以上の任意の実数 xx に対して不等式 ax3x+a0ax^3-x+a\geq 0 が成立するような aa の範囲を求めよ。

解答

x0x\geq 0 という条件のもと)与えられた不等式を変形すると,

a(x3+1)xa(x^3+1)\geq x

axx3+1a\geq \dfrac{x}{x^3+1}\cdots (*)

よって,x0x\geq 0 の範囲で f(x)=xx3+1f(x)=\dfrac{x}{x^3+1} の最大値を求めればよい。

f(x)=2x3+1(x3+1)2f'(x)=\dfrac{-2x^3+1}{(x^3+1)^2} に注意すると,x=123x=\dfrac{1}{\sqrt[3]{2}} のとき最大値 2323\dfrac{2}{3\sqrt[3]{2}} を取ることが分かる。

よって,答えは,a2323a\geq \dfrac{2}{3\sqrt[3]{2}}

別解(逆数を取ると計算がやや楽になる):

x=0x=0 をもとの不等式に代入すると a0a\geq 0 が必要であることが分かる。

x>0x > 0 での条件は(*)の逆数を取ると

1ax2+1x\dfrac{1}{a}\leq x^2+\dfrac{1}{x}

この右辺について相加相乗平均の不等式より,x2+12x+12x3143x^2+\dfrac{1}{2x}+\dfrac{1}{2x}\geq 3\sqrt[3]{\dfrac{1}{4}}

であり,実際 x=123x=\dfrac{1}{\sqrt[3]{2}} で等号成立。

つまり,求める条件は a0a\geq 0 かつ 1a3143\dfrac{1}{a}\leq 3\sqrt[3]{\dfrac{1}{4}} となり上記の解答と同じ答えを得る。

注:途中で相加相乗平均の不等式の応用〜関数の最小値を求める〜に載っている考え方を使っています。

例題3は我ながら気に入っています。

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