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調和平均にまつわる重要な公式まとめ

更新日時 2021/03/07
調和平均とは

2÷(1a+1b)2\div\left(\dfrac{1}{a}+\dfrac{1}{b}\right)aabb の調和平均と呼ぶ。

調和平均の意味と覚えておくべき性質を整理しました。

目次
  • 調和平均の計算例

  • 調和平均の意味

  • いろいろな平均と調和平均

  • n個の数の平均

  • 調和平均の不等式とその証明

  • 調和平均に関するその他の話題

調和平均の計算例

「平均」にはいろいろな種類があります。調和平均はそのうちの1つです。

20203030 の「普通の平均」は 20+302=25\dfrac{20+30}{2}=25 ですが,調和平均は以下のように 2424 になります!

20203030 の調和平均は,

2÷(120+130)=2÷3+260=2÷112=242\div\left(\dfrac{1}{20}+\dfrac{1}{30}\right)\\ =2\div\dfrac{3+2}{60}\\ =2\div\dfrac{1}{12}\\ =24

普通の平均 2525 と調和平均 2424 は近いですが異なる値ですね。

ちなみに,普通の平均 a+b2\dfrac{a+b}{2} のことは算術平均と言います。

調和平均の意味

調和平均は算術平均に比べてお世話になる機会が少ないですが,いろいろな分野で登場します。

有名なのは,以下の速度の問題です。

調和平均が登場する例

11 kmの道を行きは時速 aa km,帰りは時速 bb kmで往復したときの平均の速さは調和平均 HH km/h。

一瞬,平均の速さは a+b2\dfrac{a+b}{2} km/hだと思いがちですが,じっくり考えてみると調和平均になることが分かります。

実際,行きにかかった時間が 1a\dfrac{1}{a} 時間,帰りにかかった時間が 1b\dfrac{1}{b} 時間なので,全体の平均の速さは,

2÷(1a+1b)2\div\left(\dfrac{1}{a}+\dfrac{1}{b}\right)

となります。

いろいろな平均と調和平均

世の中にはいろいろな「平均」があります。有名な順に3つ紹介します。

  • 算術平均(相加平均,Arithmetic Mean)
    • A=a+b2A=\dfrac{a+b}{2}
    • 足し算して個数で割る
  • 幾何平均(相乗平均,Geometric Mean)
    • G=abG=\sqrt{ab}
    • かけ算して累乗根を取る
  • 調和平均(Harmonic Mean)
    • H=2÷(1a+1b)H=2\div\left(\dfrac{1}{a}+\dfrac{1}{b}\right)
    • 1H=12(1a+1b)\dfrac{1}{H}=\dfrac{1}{2}\left(\dfrac{1}{a}+\dfrac{1}{b}\right) とも書ける
    • 逆数をとって算術平均して逆数

n個の数の平均

22 個ではなく nn 個の数字 (x1,x2,,xn)(x_1,x_2,\cdots,x_n) に対しても,各平均が以下のように定義できます。

  • 算術平均
    A=x1+x2++xnnA=\dfrac{x_1+x_2+\cdots +x_n}{n}

  • 幾何平均
    G=x1x2xnnG=\sqrt[n]{x_1x_2\cdots x_n}

  • 調和平均
    1H=1n(1x1+1x2++1xn)\dfrac{1}{H}=\dfrac{1}{n}\left(\dfrac{1}{x_1}+\dfrac{1}{x_2}+\cdots +\dfrac{1}{x_n}\right)

調和平均の不等式とその証明

相加平均と相乗平均の間に成り立つ不等式は非常に有名です。→相加相乗平均の不等式とそのエレガントな証明

実は,調和平均 HH と相乗平均 GG の間にも不等式が成立します。

相加相乗調和平均の不等式

HGAH\leq G\leq A

証明

1x1,1x2,,1xn\dfrac{1}{x_1},\dfrac{1}{x_2},\cdots,\dfrac{1}{x_n}

に対して相加相乗平均の不等式を用いると,

1n(1x1+1x2++1xn)1x1x2xnn\dfrac{1}{n}\left(\dfrac{1}{x_1}+\dfrac{1}{x_2}+\cdots +\dfrac{1}{x_n}\right)\geq \sqrt[n]{\dfrac{1}{x_1x_2\cdots x_n}}

左辺は調和平均 HH の逆数,右辺は相乗平均 GG の逆数なので両辺の逆数を取れば目標の不等式が得られる。

調和平均に関するその他の話題

  • 22 変数のときは各平均に関して HA=G2HA=G^2 が成立します: 21a+1ba+b2=ab\dfrac{2}{\tfrac{1}{a}+\tfrac{1}{b}}\cdot\dfrac{a+b}{2}=ab

  • 逆数が等差数列であるような数列を調和数列と言います。例えば, 1,13,15,171,\dfrac{1}{3},\dfrac{1}{5},\dfrac{1}{7}\cdots は調和数列です。

  • 調和数列の中でも,特に以下のような数列の和の極限を調和級数と言います: 1+12+13+1+\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{3}+\cdots →調和級数1+1/2+1/3…が発散することの証明

3種類以外にもいろいろな平均があるようです。

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