回転体の体積を求める公式

回転体の体積公式

回転体の体積

y=f(x)y=f(x)x=ax=ax=bx=bxx 軸で囲まれた領域を xx 軸のまわりに回転させてできる図形の体積は,

V=abπ{f(x)}2dx V=\int_{a}^b\pi \{f(x)\}^2dx

この公式を使う例題・証明・および回転体の体積を求める他の公式を紹介します。

応用例:球の体積

公式の簡単な応用例として,球の体積を求めてみます。

例題

半径 rr の球の体積 VV を求めよ。

解答

球の体積の証明

x2+y2=r2x^2+y^2=r^2yy について解くと y=±r2x2y=\pm\sqrt{r^2-x^2} となることに注意する。

求めるものは,y=r2x2y=\sqrt{r^2-x^2}x=rx=-rx=rx=rxx 軸で囲まれた領域を xx 軸のまわりに回転させてできる図形の体積と考えられるので,

V=rrπ{r2x2}2dx=2π0r(r2x2)dx=2π[r2xx33]0r=43πr3\begin{aligned} V &= \int_{-r}^r\pi\{\sqrt{r^2-x^2}\}^2dx\\ &= 2\pi \int_{0}^r(r^2-x^2)dx\\ &= 2\pi\left[r^2x-\dfrac{x^3}{3}\right]_{0}^r\\ &= \dfrac{4}{3}\pi r^3 \end{aligned}

球の体積と表面積の公式の覚え方・積分での求め方もどうぞ。

公式の証明

定積分で面積が求まる理由と同様の流れです。

証明

y=f(x)y=f(x)x=ax=ax=tx=txx 軸で囲まれた領域を xx 軸のまわりに回転させてできる図形の体積を V(t)V(t) とおく。求めたいものは V(b)V(b) である。

tt を少し大きくして t+Δtt+\Delta t としたときに V(t)V(t) がどれくらい変化するか考えると,

πm2ΔtV(t+Δt)V(t)πM2Δt \pi m^2\Delta t\leqq V(t+\Delta t)-V(t)\leqq\pi M^2\Delta t

を得る。ただし,mmtt から t+Δtt+\Delta t 内の f(x)|f(x)| の最小値で MM は最大値とする。

各辺を Δt\Delta t で割る: πm2V(t+Δt)V(t)ΔtπM2 \pi m^2\leqq \dfrac{V(t+\Delta t)-V(t)}{\Delta t}\leqq \pi M^2

ここで,各辺 Δt0\Delta t\to 0 の極限を取る。左辺と右辺は π{f(t)}2\pi \{f(t)\}^2 に収束し,中辺は微分の定義より V(t)V'(t)

したがって,はさみ打ちの原理より,V(t)=π{f(t)}2V'(t)=\pi\{f(t)\}^2 となる。

よって(これと V(a)=0V(a)=0 であることを用いると)求める公式を得る。

関連する他の公式

回転体の体積を求める公式はいくつもあります!

  • x=g(y)x=g(y)y=ay=ay=by=byy 軸で囲まれた領域を yy 軸のまわりに回転させてできる図形の体積は,
    abπ{g(y)}2dy\displaystyle\int_{a}^b\pi \{g(y)\}^2dy

  • y=f(x)y=f(x)xx 軸,x=αx=\alphax=βx=\beta\:(ただし 0α<β0\leqq \alpha <\beta)で囲まれた図形を yy 軸の回りに回転させてできる立体の体積は,
    αβ2πxf(x)dx\displaystyle\int_{\alpha}^{\beta}2\pi x|f(x)|dx
    →バームクーヘン積分の例と証明

  • 斜回転体の体積公式
    πcosθab(mxf(x))2dx\pi\cos\theta\displaystyle\int_a^b(mx-f(x))^2dx

  • 極座標における回転体の体積公式
    αβ23πr3sinθdθ\displaystyle\int_{\alpha}^\beta\dfrac{2}{3}\pi r^3\sin\theta d\theta

この記事の投稿日(3/14)は円周率の日です。

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