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三角関数の3通りの定義とメリットデメリット

更新日時 2021/03/07

三角関数は図形問題にはもちろんのこといろいろな分野に登場する重要な関数です。以下,三角関数の定義を3通り解説しますが2つめまでは理解して自分でも説明できるようになっておきましょう。

目次
  • 直角三角形による定義

  • 単位円による定義

  • マクローリン展開による定義

直角三角形による定義

数1では「図形問題の計算を簡単にしよう!」というモチベーションで三角関数が導入されます。

三角関数の定義

定義1: 0<θ<π20 <\theta <\dfrac{\pi}{2} に対して

A=θ,B=90\angle A=\theta, \angle B=90^{\circ} となる直角三角形を書き,

sinθ=BCAC,cosθ=ABAC,tanθ=BCAB\sin\theta=\dfrac{BC}{AC}, \cos\theta=\dfrac{AB}{AC},\\\tan\theta=\dfrac{BC}{AB}

と定義する。

メリット

  • 理解しやすい,定義の必要性が分かりやすい。
  • 正弦定理や余弦定理,面積公式などの有用な定理を理解するだけならこの定義で十分。

デメリット

  • 0<θ<π20 <\theta <\dfrac{\pi}{2} でしか定義できない(少し頑張っても π\pi まで)。

単位円による定義

でもこれだけじゃもの足りないので一般角でも三角関数を定義しよう!という流れで単位円による定義が導入されます。

sct2

定義2: 任意の実数 θ\theta に対して

xx 軸の正の部分を原点中心に反時計回りに θ\theta だけ回転させた半直線と単位円の交点の座標を (cosθ,sinθ)(\cos\theta,\sin\theta) と定義する。また(cosθ0\cos\theta\neq 0 のもとで),tanθ=sinθcosθ\tan\theta=\dfrac{\sin\theta}{\cos\theta} と定義する。

もちろんですが,0<θ<π20 <\theta <\dfrac{\pi}{2} の範囲では直角三角形による定義と一致します。

メリット

  • 任意の実数で三角関数が定義されたおかげで図形問題以外にも使える道具となった。
  • 例えば,一見三角関数と関係ないような無限級数の値を求めるのに使える。ウォリスの公式とその2通りの証明
  • その他にも,フーリエ解析(信号処理論),特殊関数論など様々な分野で活躍できる。

デメリット

  • (多くの初学者にとって)直角三角形による定義より分かりにくい。
  • フーリエ解析とかは高校で習わないので一般角による定義の必要性を実感するのには時間がかかる。

マクローリン展開による定義

今度は実数だけでなくて複素数でも定義したくなったので,マクローリン展開を利用して定義します。

定義3: 任意の複素数 zz に対して

sinz=k=0(1)kz2k+1(2k+1)!=zz36+\sin z={\displaystyle\sum_{k=0}^{\infty}}(-1)^k\dfrac{z^{2k+1}}{(2k+1)!}=z-\dfrac{z^3}{6}+\cdots

cosz=k=0(1)kz2k(2k)!=1z22+\cos z={\displaystyle\sum_{k=0}^{\infty}}(-1)^k\dfrac{z^{2k}}{(2k)!}=1-\dfrac{z^2}{2}+\cdots

もちろんですが,実数の範囲では単位円による定義と一致します。

メリット

  • 複素数でも定義されるのでスッキリして美しい。
  • 「角度」という概念を介さずに三角関数が定義できる。

デメリット

  • 高校生にとってはとても難しい,必要ない。

というわけで定義2まではきちんと覚えておきましょう!

1999年東大入試で三角関数の定義が出題されています。

Tag:東大入試数学の良問と背景知識まとめ

Tag:数学2の教科書に載っている公式の解説一覧

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