東大入試数学の良問と背景知識まとめ
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受験の最高峰,東京大学の入試問題(数学)の過去問の中から当サイトで紹介している良問をまとめました。
京大はこちら!→京大入試数学の良問と背景知識まとめ
問題+解答があるもの
問題+解答があるもの
解答はリンク先の記事を参照して下さい。
1961年 文理 第4問
三角形 の各辺 上にそれぞれ を, となるように取る。 と の交点を , と の交点を , と の交点を とするとき三角形 と三角形 の面積比を求めよ。
1983年 理系 第6問
放物線 を 軸の回りに回転させて得られる曲面 を原点を通り回転軸と の角をなす平面 で切る。曲面 と平面 で囲まれた部分の体積を求めよ。
けっこう難しい問題です。回転放物面を知っているとやや有利。
1989年 理系 第5問
とする。 のグラフの の部分と 軸で囲まれた図形を 軸のまわりに回転させてできる図形の体積 は で与えられることを示し,この値を求めよ。
東大理系では立体の求積問題が頻出です。
1990年 文系 第1問,理系 第3問
を一辺の長さが1の正八面体とする。
(1) の一つの面と平行な平面で を切ったときの切り口の周の長さは一定であることを示せ。
(2)一辺の長さが1の正方形の穴が開いた平面がある。 をこの平面にふれることなく穴を通過させることができるか。結論と理由を述べよ。
東大は正八面体が好きです。
1992年 理系 第6問
じゃんけんグリコの最適戦略を求めよ。
問題文をきちんと書くと長くなるので省略しました。以下の記事をご覧ください。 →じゃんけんグリコの最適戦略と東大の問題
1995年 文系 第1問,理系 第1問
任意の正の実数 に対して が成立するような実数 の最小値を求めよ。
1998年 理系 第1問
を でない実数とする。 の極大値と極小値の差が最小となる を求めよ。
1999年 文系 第1問,理系 第1問
(1)一般角 に対して の定義を述べよ。
なお,(2)は「(1)で述べた定義に基づき と の加法定理を証明せよ」という問題です。東大で三角関数の定義が問われたということで世間に衝撃を与えました。
1999年 理系 第6問
を示せ。ただし, , である。
個人的にかなり好きな問題です。
2003年 理系 第6問
円周率が3.05よりも大きいことを証明せよ。
これまた東大の入試問題の中でも1,2を争う超有名問題です。
2005年 理系 第3問
とする。
(1) ならば を示せ。
(2) を より大きい正の数とし,数列 を で定める。このとき を証明せよ。
2006年 理系 第5問
とし,数列 を漸化式 によって定める。
(1) とおく。 のとき を示せ。
(2) を求めよ。
2010年 理系 第2問
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すべての自然数 に対して,次の不等式を示せ。
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であるようなすべての自然数 と に対して,次の不等式を示せ。
2015年 理系 第1問
正の実数 に対して,座標平面上で次の放物線を考える:
が正の実数全体を動くとき, の通過する領域を求めよ。
背景知識のみ紹介
背景知識のみ紹介
問題と解説は長くなるので省略していますが,知っていれば過去の東大の問題が一発で解けるor相当有利になるような背景知識です。
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等面四面体 1993年 理系 第1問,1996年 後期 第2問 →等面四面体とその性質
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マンハッタン距離 1994年 理系 第6問 →L1距離(マンハッタン距離)の意味と性質
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凸不等式 1995年 理系 第2問 →上に凸,下に凸な関数と二階微分
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写像12相 1996年 後期 第1問 →写像12相(場合の数の有名問題)
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テント写像 2003年 後期 第3問 →テント写像とその性質〜東大入試の背景〜
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台形公式 2007年 前期 第6問 →台形公式を用いた積分の近似とその誤差
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連分数展開 2011年 文系 第2問,理系 第2問 →連分数展開とその計算方法
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フェルマー点 2013年 理系 第4問 →三角形のフェルマー点の3通りの証明
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チェザロ平均 2014年 理系 第2問→チェザロ平均の性質と関連する東大の問題
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パスカルの三角形の有名性質 1999年 理系 第5問,2015年 理系 第5問 →パスカルの三角形の性質とフラクタル
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巴戦 2016年 文系 第2問,理系 第2問 →巴戦の確率
このように,入試問題の背景には有名な数学的事実,大定理が潜んでいる場合が少なくありません。
おまけ:東大受験生向けのオススメ参考書です。 東大数学で1点でも多く取る方法(理系編)[本]
他にもこのような例(有名な定理を知っていれば簡単に解ける東大の問題)があればご一報ください!