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ファクシミリの原理と通過領域の例題2問

更新日時 2021/03/07

ファクシミリの原理:

x=kx=k と固定して yy のとりうる値の範囲を求める」という操作を全ての kk について行うことで,領域を求めることができる。

目次
  • ファクシミリの原理について

  • 例題

  • 東大の問題

ファクシミリの原理について

  • x=kx=k による図形の断面が全ての kk に対して分かればもとの図形が復元できるという考え方です(後述の例参照)。
  • ファクシミリ(FAX)の(ある方式では)画像を送信するときに1ラインずつ処理する,というのが名前の由来だと思われます。
  • ファクシミリの原理は「原理」ではありません。一文字を固定して考えるというシンプルな「考え方」です。
  • ファクシミリの原理は数学用語ではありません。大学への数学シリーズで使われている単語です。印象的なネーミングですが,記述式の試験で「ファクシミリの原理」という用語を使うのは避けた方がよいでしょう。

例題

例題1

直線群 y=2txt2(t1)y=2tx-t^2\:(t\geq -1) が通過する領域を求め,図示せよ。

解答

x=kx=k と固定して yy のとりうる値を考える。

y=2tkt2(t1)y=2tk-t^2\:(t\geq -1) のとりうる値の範囲を求めるために,平方完成する:

y=(tk)2+k2y=-(t-k)^2+k^2

k1k\geq -1 のとき

yyt=kt=k で最大値 k2k^2 をとる。また,tt をいくらでも大きくすることで yy はいくらでも小さくなる。つまり,yy の範囲は yk2y\leq k^2

ファクシミリの原理の例題

k<1k< -1 のとき

yyt=1t=-1 で最大値 (k+1)2+k2=2k1-(k+1)^2+k^2=-2k-1 をとる。また,tt をいくらでも大きくすることで yy はいくらでも小さくなる。つまり,yy の範囲は y2k1y\leq -2k-1

以上より,求める領域は図の薄緑の部分(境界は含む)

なお,この問題は包絡線の考え方を使っても解けます。→包絡線の求め方と例題

東大の問題

続いて,2015年東大理系第一問です。いくつか解法があると思いますが,ファクシミリの原理でやってみます。

例題2

正の実数 aa に対して,座標平面上で次の放物線を考える:

C:y=ax2+14a24aC:y=ax^2+\dfrac{1-4a^2}{4a}

aa が正の実数全体を動くとき,CC の通過する領域を求めよ。

解答

x=kx=k と固定して yy のとりうる範囲を求める:

y=ak2+14a24a=a(k21)+14a(a>0)y=ak^2+\dfrac{1-4a^2}{4a}\\ =a(k^2-1)+\dfrac{1}{4a}\:(a > 0)

k2=1k^2=1 のとき

y=14a(a>0)y=\dfrac{1}{4a}\:(a > 0) のとりうる範囲は 0<y0 < y

k2<1k^2 <1 のとき

a(k21)a(k^2-1)14a\dfrac{1}{4a} も単調減少である。また,lima0{a(k21)+14a}=\displaystyle\lim_{a\to 0} \left\{a(k^2-1)+\dfrac{1}{4a}\right\}=\inftylima{a(k21)+14a}=\displaystyle\lim_{a\to\infty}\left\{a(k^2-1)+\dfrac{1}{4a}\right\}=-\infty であることに注意すると,yy のとりうる範囲は実数全体

ファクシミリの原理の例題2

k2>1k^2 > 1 のとき

a(k21)+14a2a(k21)4a=k21a(k^2-1)+\dfrac{1}{4a}\\\geq 2\sqrt{\dfrac{a(k^2-1)}{4a}}\\ =\sqrt{k^2-1}

これと,lima0{a(k21)+14a}=\displaystyle\lim_{a\to 0} \left\{a(k^2-1)+\dfrac{1}{4a}\right\}=\infty より yy のとりうる範囲は k21y\sqrt{k^2-1}\leq y

よって,答えは図のようになる。

(ただし,境界は白丸,点線の部分のみ含まない)

相加相乗平均に気づけるといちいち微分しなくてよいので楽です。

Tag:東大入試数学の良問と背景知識まとめ

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