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包絡線の求め方と例題

更新日時 2021/03/07

曲線群 f(x,y,t)=0f(x,y,t)=0 の包絡線の方程式は f(x,y,t)=0f(x,y,t)=0tf(x,y,t)=0\dfrac{\partial}{\partial t}f(x,y,t)=0 から tt を消去することで得られる。

包絡線(envelope)の考え方は高校数学でも役に立ちます!

目次
  • 状況設定:曲線群を考える

  • 包絡線とは

  • 包絡線の方程式の求め方

  • 高校数学の問題に応用

  • 包絡線の公式の証明

状況設定:曲線群を考える

今回は三変数 x,y,tx,y,t の方程式(陰関数)f(x,y,t)=0f(x,y,t)=0 を考えます。 tt を一つ固定すると xxyy の関係式となり,xyxy 平面上における曲線が一つ得られます。つまり,f(x,y,t)=0f(x,y,t)=0xyxy 平面上の曲線群を表現すると見ることができます。

x,y,tx,y,t に関する等式 y=2txt2y=2tx-t^2 について考える。これは tt を一つ固定すると xyxy 平面における直線になる。例えば t=0t=0 のとき y=0y=0t=1t=1 のとき y=2x1y=2x-1 という直線を表す。

包絡線とは

曲線群が与えられたときに, 全ての曲線とどこかで接するような曲線のことを包絡線と言います。

例えば,さきほど考えた曲線群(直線群)y=2txt2y=2tx-t^2 の包絡線は放物線 y=x2y=x^2 です(図参照)。これは以下のように確認することができます:

包絡線の定義

y=x2y=x^2(t,t2)(t,t^2) における接線の方程式は(y=2xy'=2x より)y=2txt2y=2tx-t^2 である。つまり,y=2txt2y=2tx-t^2(t,t2)(t,t^2)y=x2y=x^2 と接する。つまり y=x2y=x^2 が包絡線である。

包絡線の方程式の求め方

さきほどは包絡線の方程式 y=x2y=x^2 を天下り的に与えてしまいましたが,実際は曲線群の方程式 f(x,y,t)=0f(x,y,t)=0 が与えられたときに,包絡線の方程式が求めたくなります。

その方法は冒頭にも書きましたが 曲線群を表す方程式とそれを tt で微分したものを連立させて tt を消去です。

(さっきの例で包絡線を計算してみる)

曲線群を表す方程式: y2tx+t2=0y-2tx+t^2=0

それを tt で微分したもの: 2x+2t=0-2x+2t=0

この二式を連立させて tt を消去する。二つ目の式より t=xt=x となりこれを一つ目の式に代入すると,y=x2y=x^2 という包絡線の方程式が得られる。

これでうまくいく理由(証明)は最後に書きます。

高校数学の問題に応用

包絡線の考え方は直線群(曲線群)が通過する領域を求める問題に使えます。

例題

直線群 y=12t2x16t3(t0)y=12t^2x-16t^3\:(t\geq 0) が通過する領域を求めよ。

解答

(天下り的だが)y=x3y=x^3(2t,8t3)(2t,8t^3) における接線の方程式は

y8t3=12t2(x2t)y-8t^3=12t^2(x-2t)

つまり

y=12t2x16t3y=12t^2x-16t^3

よって求める領域は y=x3y=x^3 における接線で接点の xx 座標が非負のものをかき集めたものの通過領域である。式で書くと,y0y\leq 0 または 0<yx30 < y\leq x^3 。図示は簡単なので略。

補足:包絡線と接点の求め方(解答に書く必要はない)

曲線群: y=12t2x16t3y=12t^2x-16t^3

tt で微分: 0=24tx48t20=24tx-48t^2

この二つの式から tt を消去する。二つ目の式より t=x2t=\dfrac{x}{2} ,一つ目の式に代入して y=x3y=x^3

包絡線は分かった。次に接点を求める。 y=x3y=x^3(s,s3)(s,s^3) における接線の方程式は y=3s2x2s3y=3s^2x-2s^3 である。これと問題文の式を比較して s=2ts=2t とする。以上の議論から y=x3y=x^3(2t,8t3)(2t,8t^3) における接線の方程式を考えればよいことが分かる!

包絡線の公式の証明

偏微分,連鎖律(合成関数の微分公式の多変数バージョン)など高校数学範囲外の道具を使うので理解できなくてもOKです。

証明

f(x,y,t)=0f(x,y,t)=0 について tt を一つ固定した曲線」と「求めたい包絡線」の接点を (x(t),y(t))(x(t),y(t)) とおく。 x(t)x(t)y(t)y(t) の関係式を導くのが目標である。

1.まず,接点ももとの曲線上にあるので f(x(t),y(t),t)=0f(x(t),y(t),t)=0 である。

2.次に (x(t),y(t))(x(t),y(t)) において接することを式で表す。もとの曲線の法線方向が (fx(x,y,t),fy(x,y,t))(f_x(x,y,t),f_y(x,y,t)) であること(→注)と包絡線の接線方向が x(t),y(t)x'(t),y'(t) であることから,fxx(t)+fyy(t)=0f_xx'(t)+f_yy'(t)=0

また,1の式を tt で微分すると連鎖律より fxx(t)+fyy(t)+ft=0f_xx'(t)+f_yy'(t)+f_t=0

この二式より ft(x(t),y(t),t)=0f_t(x(t),y(t),t)=0

x,y,tx,y,t の関係式が二つ求まったので tt を消去すれば xxyy の関係式,つまり包絡線の方程式が求まる。

注:法線ベクトルの求め方と応用

包絡線は英語でenvelopeと言います。ちょっと意外でした。

Tag:偏微分の高校数学への応用

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