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円周率が3.05より大きいことのいろいろな証明

更新日時 2021/03/07
2003年の東大の入試問題

円周率が 3.053.05 より大きいことを証明せよ。

非常に有名な東大の入試問題です。円周率が 3.053.05 より大きいことを5通りの方法で証明します。

目次
    1. 正八角形を用いた円周率の評価
    1. 周の長さを用いた円周率の評価
    1. 面積による円周率の評価
    1. 積分を用いた円周率の評価
    1. マクローリン型不等式を用いた証明

1. 正八角形を用いた円周率の評価

「円周の長さよりも内接する正多角形の周の長さのほうが短い」ことを利用して,円周率が大きいことを示します。

解答1

半径 11 の円の円周の長さは,2π2\pi である。

3.05よりも大きいことの証明

また,この円に内接する正八角形の一辺の長さは,余弦定理より

1+12cos45=22\sqrt{1+1-2\cos 45^{\circ}}=\sqrt{2-\sqrt{2}}

よって,822<2π8\sqrt{2-\sqrt{2}} <2\pi

つまり 422<π4\sqrt{2-\sqrt{2}} <\pi

という円周率の評価を得る。左辺を計算すると 3.061...3.061... となるので,円周率が 3.053.05 より大きいことが証明された。

定番の手法で知っている人も多いでしょう。試験上では計算機が使えないのでルートの大雑把な評価が求められます。

この解法では,422>3.054\sqrt{2-\sqrt{2}} > 3.05 を示せばOK。

これは,2<23.05242\sqrt{2} <2-\dfrac{3.05^2}{4^2} と同値であり右辺を計算すれば 1.418...1.418... となるので(2\sqrt{2} の近似値が 1.4141.414 なので)確かに成立しています。

以下,計算機が使えない状況では全ての解法でこのような評価が必要になりますが,計算機を使った値のみを記し,ルートの評価は省略します。

2. 周の長さを用いた円周率の評価

さきほどは円に内接する正八角形を考えましたが,周の長さが求まる図形なら正多角形である必要はありません。

解答2

3.05よりも大きいことの証明

(0,5),(3,4),(4,3),(5,0)(0,5),\:(3,4),\:(4,3),\:(5,0) は全て半径 55 の円 x2+y2=25x^2+y^2=25 の周上の点である。よって,これら 44 点を結ぶ折れ線の長さの四倍は円周の長さより小さい。

よって,4(10+2+10)<10π4(\sqrt{10}+\sqrt{2}+\sqrt{10}) <10\pi

左辺を計算すると,30.955...30.955... となるので円周率が 3.053.05 より大きいことが証明された。

3. 面積による円周率の評価

「円に内接する多角形の面積 <円の面積」であることを利用します。ただし,面積を用いる評価は円周による評価よりも緩い評価しか得られません(正十二角形を使っても 3<π3 <\pi という評価しか得られません)。 3.053.05 より大きいことを証明するには正二十四角形を使う必要があります。

解答3

半径が 11 の円に内接する正二十四角形の面積は,

12sin15×24=3(62)\dfrac{1}{2}\sin 15^{\circ}\times 24=3(\sqrt{6}-\sqrt{2})

よって,3(62)<π3(\sqrt{6}-\sqrt{2}) <\pi

を得るが,左辺を計算すると 3.105...3.105... となるので円周率が 3.053.05 より大きいことが示された。

ちなみに,sin15\sin 15^{\circ} の値は半角の公式で導けますが,覚えておくとよいでしょう。 →覚えておくと便利な三角比の値

4. 積分を用いた円周率の評価

11+x2\dfrac{1}{1+x^2} の積分を用いた方法もあります。

解答4

円周率が3.05より大きいことの証明

01311+x2dx\displaystyle\int_0^{\frac{1}{\sqrt{3}}}\dfrac{1}{1+x^2}dx

x=tanθx=\tan\theta とおく置換積分により,0π6dθ=π6\displaystyle\int_0^{\frac{\pi}{6}}d\theta=\dfrac{\pi}{6} となる。

よって,y=f(x)y=f(x)xx 軸,yy 軸,x=13x=\dfrac{1}{\sqrt{3}} で囲まれた部分の面積 SS を下から抑えればよい。

f(x)=11+x2f(x)=\dfrac{1}{1+x^2} とおくと,f(x)=2(3x21)(1+x2)3f''(x)=2(3x^2-1)(1+x^2)^{-3} となり 0x130\leq x\leq \dfrac{1}{\sqrt{3}}f(x)0f''(x) \leq 0 である。よって,y=f(x)y=f(x)0x130\leq x\leq \dfrac{1}{\sqrt{3}} で上に凸である。

よって,SS を台形二つで下から近似すると,

S>(1+1213)12312+(1213+34)12312=1876243S > \left(1+\dfrac{12}{13}\right)\cdot\dfrac{1}{2\sqrt{3}}\cdot\dfrac{1}{2}+\left(\dfrac{12}{13}+\dfrac{3}{4}\right)\cdot\dfrac{1}{2\sqrt{3}}\cdot\dfrac{1}{2}\\ =\dfrac{187}{624}\sqrt{3}

よって,π6>1873624\dfrac{\pi}{6} > \dfrac{187\sqrt{3}}{624}

となり,計算すると π>3.114...\pi > 3.114... となる。

π>3.05\pi > 3.05 は余裕で示された。

ちなみに,SS を台形一つで近似しても π>3.031...\pi > 3.031... しか証明できません。

5. マクローリン型不等式を用いた証明

読者の方に教えていただいた方法です。

マクローリン型不等式を用います。マクローリン型不等式(三角関数)

解答5

有名不等式: cosx1x22\cos x\geq 1-\dfrac{x^2}{2} において,

x=π6x=\dfrac{\pi}{6} を代入することにより,

321π272\dfrac{\sqrt{3}}{2}\geq 1-\dfrac{\pi^2}{72}

となる。これを π\pi について解く:

π72363=3.105...\pi \geq\sqrt{72-36\sqrt{3}}=3.105... となるのでOK。

他にも方法はたくさんあると思います。考えてみてください!

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