正四面体の中心角の2通りの求め方
正四面体 の中心を とする。このとき,正四面体の中心角 は,
を満たす。
具体的には,
正四面体の中心角とは
正四面体の中心角とは
正四面体では,
- 外心(外接球の中心)
- 内心(内接球の中心)
- 重心(位置ベクトルの平均)
- 垂心(頂点から対面に降ろした垂線の交点)
は全て一致します。この点を「中心」と呼ぶことにします。
この記事では, のことを「中心角」と呼びます。
以下では, であることを2通りの方法で証明します。
重心の性質を用いた証明
重心の性質を用いた証明
1辺が の正四面体について考えます。
1辺が の正三角形の面積が
1辺が の正四面体の体積が
であることを使います。→正三角形の面積,正四面体の体積
※ 余弦定理を使わないもう少し楽な方法もあります。重心の性質から がわかり,これと から がわかります。
立方体を用いた証明(きれい!)
立方体を用いた証明(きれい!)
立方体の4つの頂点をうまく選ぶことで,正四面体を構成できます。→正四面体の体積を計算する
これを利用すれば を非常に簡単な計算で示せます。
座標空間上に正四面体 を以下のように構成する:
,,,
このとき,正四面体の中心 の座標は となる。
より,
マラルディの角度
マラルディの角度
今回求めた に近い角度をマラルディの角度と言います。マラルディの角度は正四面体の中心角だけでなく,他のいろいろなところにも登場します。
例えば,A4用紙の対角線のなす角(のうち鈍角の方) は,マラルディの角度と一致します。実際,A4用紙の縦横比が であることから がわかります。
正四面体の「中心角」という言葉の使い方は一般的では無い気がします。