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四面体の重心の存在証明と応用例

更新日時 2021/03/07

四面体の重心:

四面体において,頂点と対面の重心を結ぶ四本の線分は一点で交わる。これを四面体の重心と言う。

四面体に重心が存在することの証明と応用例を解説します。

目次
  • 重心の存在

  • 三角形の重心と比較

  • 応用

重心の存在

四面体の重心

どんな四面体にも重心が存在することをベクトルを用いて証明します。

空間内の四本の線分が一点で交わるというのは非自明な定理です。

証明

四面体 ABCDABCD において,各頂点の位置ベクトルを aundefined\overrightarrow{a} などとする。

このとき,gundefined=aundefined+bundefined+cundefined+dundefined4\overrightarrow{g}=\dfrac{\overrightarrow{a}+\overrightarrow{b}+\overrightarrow{c}+\overrightarrow{d}}{4} で表される点 GG こそが重心であることを証明する。

三角形 BCDBCD の重心を EE とし,EE の位置ベクトルを eundefined=bundefined+cundefined+dundefined3\overrightarrow{e}=\dfrac{\overrightarrow{b}+\overrightarrow{c}+\overrightarrow{d}}{3} とする。まず,線分 AEAE 上に GG が存在することを示す。

実際,簡単な計算により,gundefined=14aundefined+34eundefined\overrightarrow{g}=\dfrac{1}{4}\overrightarrow{a}+\dfrac{3}{4}\overrightarrow{e} が分かるので,GG は線分 AEAE3:13:1 に内分する。

対称性より,GG は他の三本の線分上にもあることが分かり,題意は示された。

三角形の重心と比較

上記の証明から以下のことも分かります。

性質1:四面体の重心の位置ベクトルは,四頂点の位置ベクトルの平均で表される。

性質2:四面体の重心は,頂点と対面の重心を結ぶ線分を 3:13:1 に内分する。

これらは三角形の重心の性質を三次元へ拡張したものになっています!(性質1は二次元でも成立し,性質2は二次元の場合,内分比が 2:12:1 でした)

応用

四面体の重心について知っていると速攻で解ける例題です!

例題

一辺の長さが 11 の正四面体 ABCDABCD の外接球の半径を求めよ。

解答

正四面体 ABCDABCD の重心を GG とする。対称性より,外接球の中心は GG であるので,AGAG の長さを求めればよい。

ベクトルの始点を AA に選ぶと,gundefined=bundefined+cundefined+dundefined4\overrightarrow{g}=\dfrac{\overrightarrow{b}+\overrightarrow{c}+\overrightarrow{d}}{4} より,

AG2=bundefined+cundefined+dundefined216|AG|^2=\dfrac{|\overrightarrow{b}+\overrightarrow{c}+\overrightarrow{d}|^2}{16}

ここで,bundefined=1|\overrightarrow{b}|=1bundefinedcundefined=12\overrightarrow{b}\cdot\overrightarrow{c}=\dfrac{1}{2} などを用いて右辺を計算すると,616\dfrac{6}{16} となる。

よって,外接球の半径は,64\dfrac{\sqrt{6}}{4}

もっと一般の図形で重心を定義することもできます。

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