sin15°、cos15°、tan15°【覚えておくと便利な三角比】

1515^{\circ} の三角比は,値そのもの(または導出方法)を覚えておくとよいです。

1515^{\circ} の三角比は sin15=624cos15=6+24tan15=626+2=23\begin{aligned} \sin 15^{\circ} &= \dfrac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4}\\ \cos 15^{\circ} &= \dfrac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}\\ \tan 15^{\circ} &= \dfrac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{\sqrt{6}+\sqrt{2}}=2-\sqrt{3} \end{aligned} である。

18度の三角比はこちらからどうぞ
sin18°、cos18°、tan18°【覚えておくと便利な三角比】

辺の比

sin15

1515^{\circ} の三角比は,値そのものを覚えていなくても,

1515^{\circ}7575^{\circ}9090^{\circ}」の直角三角形の辺の比は 4:6+2:62 4:\sqrt{6}+\sqrt{2}:\sqrt{6}-\sqrt{2} と覚えておけば,一瞬で図が書けるので式も導けます。

中学時代からお馴染みの「1:1:21:1:\sqrt{2}」,「1:2:31:2:\sqrt{3}」とあわせて押さえておきましょう。

15°の三角比の導出

sin15\sin 15^{\circ} の計算方法を3通り紹介します。

加法定理

4530=1545^{\circ} - 30^{\circ} = 15^{\circ} に注意して加法定理を用いましょう。

導出1. 加法定理

sin15=sin(4530)=sin45cos30cos45sin30=22322212=624\begin{aligned} &\sin 15^{\circ}\\ &= \sin (45^{\circ} - 30^{\circ})\\ &= \sin 45^{\circ} \cos 30^{\circ} - \cos 45^{\circ} \sin 30^{\circ}\\ &= \dfrac{\sqrt{2}}{2} \cdot \dfrac{\sqrt{3}}{2} - \dfrac{\sqrt{2}}{2} \cdot \dfrac{1}{2}\\ &= \dfrac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4} \end{aligned}

半角の公式

15=12×3015^{\circ} = \dfrac{1}{2} \times 30^{\circ} に注意して半角の公式を用いましょう。

導出2. 半角の公式

半角の公式より cos30=12sin215 \cos 30^{\circ} = 1 - 2 \sin^2 15^{\circ} である。cos30=32\cos 30^{\circ} = \dfrac{\sqrt{3}}{2} より sin15=234=232=42322=3122=622\begin{aligned} \sin 15^{\circ} &= \sqrt{\dfrac{2-\sqrt{3}}{4}}\\ &= \dfrac{\sqrt{2-\sqrt{3}}}{2}\\ &= \dfrac{\sqrt{4-2\sqrt{3}}}{2\sqrt{2}}\\ &= \dfrac{\sqrt{3}-1}{2\sqrt{2}}\\ &= \dfrac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{2} \end{aligned} となる。

なお,下から2つめの等式は 二重根号の外し方・外せないものの判定 を参照のこと。

初等的な計算

導出3

下図のような直角三角形を考える。

pic01

DCA=15\angle \mathrm{DCA} = 15^{\circ} となるように AB\mathrm{AB} 上に D\mathrm{D} を取る。(下図参照)

pic02

DAC=DCA=15\angle \mathrm{DAC} = \angle \mathrm{DCA} = 15^{\circ} より AD=CD\mathrm{AD} = \mathrm{CD} である。

また,この時 BCD\triangle \mathrm{BCD}30,60,9030^{\circ} , 60^{\circ} , 90^{\circ} の三角形であるため,BD=3\mathrm{BD} = \sqrt{3}AD=CD=2\mathrm{AD} = \mathrm{CD} = 2 である。

以上より AC=AB2+BC2=(2+3)2+12=8+43=6+2\begin{aligned} \mathrm{AC} &= \sqrt{\mathrm{AB}^2 + \mathrm{BC}^2}\\ &= \sqrt{(2+\sqrt{3})^2 + 1^2}\\ &= \sqrt{8+4\sqrt{3}}\\ &= \sqrt{6} + \sqrt{2} \end{aligned} と計算されるため sin15=16+2=624 \sin 15^{\circ} = \dfrac{1}{\sqrt{6}+\sqrt{2}} = \dfrac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4} となる。

『高校数学の美しい物語』の最初の記事です。