覚えておくと便利な三角比の値
や の三角比は,値そのもの(または導出方法)を覚えておくとよいです。
の三角比の値
の三角比の値
の三角比の値
まずは, についてです。
の三角比は,値そのものを覚えていなくても,
「,,」の直角三角形の辺の比は
「」
と覚えておけば,一瞬で図が書けるので式も導けます。
中学時代からお馴染みの
「」,「」 だけでなく
「」
もおさえておきましょう。
もちろん,半角の公式および の値から の三角比は簡単に導けます。導出には時間がかからないので毎回計算してもよいですが,結果を覚えておくと時間短縮になります。
の三角比の値
の三角比については,値そのものよりも,導き方を覚えるのがおすすめです。 の倍数の三角比の値は簡単に求められるという事実を知っておきましょう。
ここでは, の値を代数的な計算で求める方法と,図形的に求める方法を紹介します。
とおく。
より,
両辺を三倍角の公式,倍角の公式を用いて に統一すると,
この三次方程式を解くと,
より,
ちなみに, も同じような方法で求められますが,2重根号が出てきます。
図のように,頂角が である二等辺三角形 を考える。 , とする。
の二等分線と辺 との交点を とおくと, より,
また, となり,三角形 と三角形 が相似であることが分かる。
よって, なので
の解を求めて,
よって,
実は,上記の三角形 は正五角形の3つの頂点となっています。 は1辺の長さが1の正五角形の対角線の長さを表しており,有名な黄金比が登場します。トレミーの定理を使って求めることもできます。
→高校数学の問題集 ~最短で得点力を上げるために~のT57では, を求める計算においてミスを減らすコツも紹介しています。
『高校数学の美しい物語』の最初の記事です。