二重根号の外し方・外せないものの判定

更新日時 2021/03/07
  • 二重根号とは,5+26\sqrt{5+2\sqrt{6}} のように,ルートの中にルートが含まれる式。

  • 5+26=3+2\sqrt{5+2\sqrt{6}}=\sqrt{3}+\sqrt{2}
    のように,二重根号を外せる場合がある。

二重根号

二重根号の外し方についてわかりやすく説明します。

目次
  • 二重根号の外し方(基本パターン)

  • 応用

  • 練習問題

  • 発展:二重根号が外せない場合とその判定

二重根号の外し方(基本パターン)

二重根号を外すためには,以下の2つの公式を使います。

二重根号を外すための公式

公式1:
a+b+2ab=a+b\sqrt{a+b+2\sqrt{ab}}=\sqrt{a}+\sqrt{b}

公式2:
a+b2ab=ab\sqrt{a+b-2\sqrt{ab}}=\sqrt{a}-\sqrt{b}

(ただし ab0a\geqq b\geqq 0)

例題1

二重根号 5+26\sqrt{5+2\sqrt{6}} を外せ。

解答

公式1と比較して,a+b=5a+b=5,ab=6ab=6 となるような a,ba,b を見つければよい。 二重根号を外す例

かけ算して6になる数を探すと,a=3,b=2a=3,b=2 とすればよいことがわかる。よって,答えは

5+26=3+2\sqrt{5+2\sqrt{6}}=\sqrt{3}+\sqrt{2}

このように,A+2B\sqrt{A+2\sqrt{B}} は,a+b=A,ab=Ba+b=A,ab=B となる a,ba,b を見つけられれば二重根号が外せます!

次は,公式2:
a+b2ab=ab\sqrt{a+b-2\sqrt{ab}}=\sqrt{a}-\sqrt{b}
を使って二重根号を外してみましょう。

例題2

二重根号 423\sqrt{4-2\sqrt{3}} を外せ。

解答

公式2と比較して,a+b=4a+b=4,ab=3ab=3 となるような a,ba,b を見つければよい。 二重根号を外す例2

かけ算して3になる数を探すと,a=3,b=1a=3,b=1 とすればよいことがわかる。よって,答えは

423=31\sqrt{4-2\sqrt{3}}=\sqrt{3}-1

このように,A2B\sqrt{A-2\sqrt{B}} も,a+b=A,ab=Ba+b=A,ab=B となる a,ba,b を見つけられれば二重根号が外せます!

公式の証明

証明

公式1の両辺を2乗すると,
a+b+2ab=a+b+2aba+b+2\sqrt{ab}=a+b+2\sqrt{ab}
となり両辺は等しい。また,両辺は非負である。

公式2の両辺を2乗すると,
a+b2ab=a+b2aba+b-2\sqrt{ab}=a+b-2\sqrt{ab}
となり両辺は等しい。また,両辺は非負である。

応用

2を強引に作りだすパターン

A+2B\sqrt{A+2\sqrt{B}} や,A2B\sqrt{A-2\sqrt{B}} という二重根号は,「足して AA,かけて BBとなる数を探すことで外すことができました。では B\sqrt{B} の前に2が無い場合は,どうすれば良いでしょうか?

例題3

二重根号 4+15\sqrt{4+\sqrt{15}} を外せ。

解答

このままでは上記の公式が使えないので 15\sqrt{15} の前に強引に 22 を作り出す:

4+15=8+2152=8+2152\sqrt{4+\sqrt{15}}=\sqrt{\dfrac{8+2\sqrt{15}}{2}}\\ =\dfrac{\sqrt{8+2\sqrt{15}}}{\sqrt{2}}

これで分子にさきほどの 「足して 88,かけて 1515」を探すという考え方が使える。3355 が当たり:

3+52\dfrac{\sqrt{3}+\sqrt{5}}{\sqrt{2}}

最後に分母を有理化:

6+102\dfrac{\sqrt{6}+\sqrt{10}}{2}

分母の有理化については,分母の有理化や実数化を行う理由もどうぞ。

例題4

二重根号 1162\sqrt{11-6\sqrt{2}} を外せ。

解答

今度はルートの中に邪魔な 33 を入れることで強引に 22 を作り出す:

1162=11218\sqrt{11-6\sqrt{2}}=\sqrt{11-2\sqrt{18}}

足して 1111 かけて 1818 となるのは 2299

1162=92=32\sqrt{11-6\sqrt{2}}\\ =\sqrt{9}-\sqrt{2}\\ =3-\sqrt{2}

数がとにかく大きいパターン

数が大きくなった場合は,「足して AA,かけて BB 」を勘で見つけるのは難しいです。そこで,解と係数の関係を用いることで二重根号を外せます。

例題5

二重根号 44+2420\sqrt{44+2\sqrt{420}} を外せ。

解答

たして 4444,かけて 420420 になる 22 つの数 a,ba,b を直感で求めるのは難しいが,解と係数の関係より,a,ba,b は二次方程式

x244x+420=0x^2-44x+420=0

の解。

この二次方程式を解の公式で解くと,

x=22±222420=14,30x=22\pm\sqrt{22^2-420}=14, 30

よって 44+2420=30+14\sqrt{44+2\sqrt{420}}=\sqrt{30}+\sqrt{14}

この方法を使うことで,どんなに大きい数が出てきても,二次方程式の解を計算すれば二重根号を(外せる場合は)外すことができます。

練習問題

問題

以下の二重根号を外せ。

(1) 7+210\sqrt{7+2\sqrt{10}}
(1) 8215\sqrt{8-2\sqrt{15}}
(1) 2+3\sqrt{2+\sqrt{3}}

(1)の解答

7+210\sqrt{7+2\sqrt{10}}公式1を比較して a+b=7,ab=10a+b=7,ab=10 となる a,ba,b を見つければよい。答えは a=5,b=2a=5,b=2 なので

7+210=5+2\sqrt{7+2\sqrt{10}}=\sqrt{5}+\sqrt{2}

(2)の解答

8215\sqrt{8-2\sqrt{15}}公式2を比較して a+b=8,ab=15a+b=8,ab=15 となる a,ba,b を見つければよい。答えは a=5,b=3a=5,b=3 なので

8215=53\sqrt{8-2\sqrt{15}}=\sqrt{5}-\sqrt{3}

(3)の解答

3\sqrt{3} の前に強引に 22 を作り出す。

2+3=4+232=3+12=6+22\sqrt{2+\sqrt{3}}\\ =\dfrac{\sqrt{4+2\sqrt{3}}}{\sqrt{2}}\\ =\dfrac{\sqrt{3}+1}{\sqrt{2}}\\ =\dfrac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{2}

発展:二重根号が外せない場合とその判定

A,BA,B が適当に与えられたとき,「たして AA,かけて BB」となるような自然数 a,ba,b がいつも存在するとは限りません(二重根号を外す問題ではたいてい都合の良い A,BA,B が与えられています)。

うまく a,ba,b が取れない場合は残念ながら二重根号を外すことはできません。

実は例題5の解法を一般化することで二重根号が外せるかどうか簡単に判定できます!

A±2B\sqrt{A\pm 2\sqrt{B}}A24BA^2-4B が平方数のとき二重根号を外すことができる。そうでないときは二重根号は外せない。

解説:たして AA,かけて BB となる自然数 a,ba,b が存在する条件は,

x2Ax+B=0x^2-Ax+B=0 の解が 22 つとも自然数であること。

よって判別式 A24BA^2-4B が平方数であることが必要。

逆に判別式が平方数なら,解が両方自然数であることも簡単に分かる。

例題1(再掲)

5+26\sqrt{5+2\sqrt{6}}

これは A24B=5224=1A^2-4B=5^2-24=1 となり平方数。つまり二重根号が外せるパターン。

7+25\sqrt{7+2\sqrt{5}}

これは A24B=4920=29A^2-4B=49-20=29 となり平方数でない。

つまりどんなに頑張っても二重根号は外せない。

適当に A,BA,B を選ぶと残念ながら高確率で二重根号を外すことができません。

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