繁分数に関連して,連分数についても紹介します。連分数については以下の記事でも取り上げています。→連分数展開とその計算方法
連分数に関わる面白い話題を紹介します。
黄金比
21+5
は,以下のような連分数で表すことができます。
1+1+1+1+⋯1111
証明は→黄金比が現れるいろいろな例(方程式・図形・数列)と現れる理由の記事で紹介しています。
また,数学をやっている人には馴染み深い「ルート」についても,連分数で表すことができます。
2 については比較的簡単です。
2=1+2+2+2+⋯1111
と表すことができます。証明は→ルート2が無理数であることの4通りの証明の記事の最後の節で紹介しています。
この記事では,2 以外の「ルート」について連分数でどのように表すか考えてみます。面倒くさがらずに,紙に描きながら数式を追ってみてください。ふたつくらい例を見れば,どんな「ルート」に対しても連分数表示できるようになると思います。
ではまずは 3 について考えてみましょう。α=3 とおきます。
α2α2−1(α+1)(α−1)∴α=3=2=2=1+α+12
ここで,α+12 の逆数 2α+1 を考えます。
2α+1=21+α+12+1=1+α+11
さらに,α+11 の逆数 1α+1 を考えます。
α+1=2+α+12
α+12 が再び出てきたので,連分数の中にループを発見できたことになります。つまり,以下のように 3 を表せます。
α=1+α+12=1+1+α+111=1+1+2+α+1211=1+1+2+1+α+11111=⋯
以下この操作は無限に続いていきます。
次は 7 について考えてみましょう。これは少し大変です。β=7 とおきます。
β2β2−1(β+1)(β−1)∴β=7=6=6=1+β+16
また,同様にすれば,
β=2+β+23
ここで,β+23 の逆数 3β+2 を考えます。
3β+2=31+β+16+2=1+β+12
β に代入する際には,約分ができるようにすることを意識しましょう。今回は,最初から分子に 2 があったので,3 で約分できるように 1+β+16 を代入しました。さらに,β+12 の逆数 2β+1 を考えます。
2β+1=21+β+16+1=1+β+13
さらに,β+13 の逆数 3β+1 を考えます。
3β+1=32+β+23+1=1+β+21
さらに,β+21 の逆数 1β+2 を考えます。
1β+2=2+β+23+2=4+β+23
β+23 が再び出てきたので,連分数の中にループを発見できました。7 は以下のように表せます。
7=2+β+23=2+1+β+121=2+1+1+β+1311=2+1+1+1+β+21111=2+1+1+1+4+β+231111=⋯
以下この操作は無限に続いていきます。
他の平方根についても同様に考えることができます。ぜひ練習として取り組んでみてください。