分母に項が3つある場合の有理化

1a+b±c\dfrac{1}{\sqrt{a}+\sqrt{b}\pm\sqrt{c}} の分母を有理化したいときは,分母分子に a+b∓c\sqrt{a}+\sqrt{b}\mp\sqrt{c} をかけていつもの分母の有理化に帰着させる

分母の有理化(3項)

分母を有理化する必要があるのは,分母が a\sqrt{a} や a+bpa+b\sqrt{p} など項の数が1つか2つであることが多いです。その場合は簡単に有理化できます。→分母の有理化や実数化を行う理由

しかし,分母が3項の場合の有理化も頻出なのでやり方を覚えておきましょう。

例1

41+2+3\dfrac{4}{1+\sqrt{2}+\sqrt{3}} の分母を有理化せよ。

解答

分母分子に 1+2−31+\sqrt{2}-\sqrt{3} をかけると,

4+42−43(1+2+3)(1+2−3)=4+42−43(1+2)2−3=4+42−4322=2+2−6\dfrac{4+4\sqrt{2}-4\sqrt{3}}{(1+\sqrt{2}+\sqrt{3})(1+\sqrt{2}-\sqrt{3})}\\ =\dfrac{4+4\sqrt{2}-4\sqrt{3}}{(1+\sqrt{2})^2-3}\\ =\dfrac{4+4\sqrt{2}-4\sqrt{3}}{2\sqrt{2}}\\ =\sqrt{2}+2-\sqrt{6}

例2

15−3−2\dfrac{1}{\sqrt{5}-\sqrt{3}-\sqrt{2}} の分母を有理化せよ。

解答

まずは分母にプラスの項が2つ以上ある状態に変形する(分母分子を−1-1 倍):

−12+3−5\dfrac{-1}{\sqrt{2}+\sqrt{3}-\sqrt{5}}

次に分母分子に 2+3+5\sqrt{2}+\sqrt{3}+\sqrt{5} をかける:

−2−3−5(2+3−5)(2+3+5)=−2−3−526=−112(23+32+30)\dfrac{-\sqrt{2}-\sqrt{3}-\sqrt{5}}{(\sqrt{2}+\sqrt{3}-\sqrt{5})(\sqrt{2}+\sqrt{3}+\sqrt{5})}\\ =\dfrac{-\sqrt{2}-\sqrt{3}-\sqrt{5}}{2\sqrt{6}}\\ =-\dfrac{1}{12}(2\sqrt{3}+3\sqrt{2}+\sqrt{30})

有理化の際の注意

  • 例1では分母分子に 1−2+31-\sqrt{2}+\sqrt{3} や−1+2+3-1+\sqrt{2}+\sqrt{3} をかけても有理化できますが,解答のやり方が一番計算が楽です。一般に,分母が a+b+c\sqrt{a}+\sqrt{b}+\sqrt{c} で a+b=ca+b=c になるときは a+b−c\sqrt{a}+\sqrt{b}-\sqrt{c} をかけるのが楽です。

  • 例2にあるように,分母の3項のうち2つ以上がマイナス符号のときは分母分子を−1-1 倍した方が見やすくなります(マイナスを分子におしつける)。

  • 計算ミスをしやすい問題なので必ず検算しましょう。 自分の計算を見直すのもよいですが,「答え×もとの分母=もとの分子」になっていることを確認すれば確実です!

    • 例1の検算:(2+2−6)(1+2+3)=4(\sqrt{2}+2-\sqrt{6})(1+\sqrt{2}+\sqrt{3})=4 を確認。
    • 例2の検算:(23+32+30)(5−3−2)=−12(2\sqrt{3}+3\sqrt{2}+\sqrt{30})(\sqrt{5}-\sqrt{3}-\sqrt{2})=-12 を確認。

最短で得点力を上げる!高校数学の問題集〈典型250問〉の問題2では,有理化で計算ミスをしないためのコツも紹介しています。

3項の有理化の場合,検算は必須です。