開平法のやり方と原理

更新日時 2021/03/07

筆算を用いてルートを計算する方法を解説します。

なお,筆算を用いない方法もあります。→ルートの近似値を計算する素朴な方法とコツ

目次
  • 開平法のやり方と具体例

  • 小数点以下

  • 開平法の原理

開平法のやり方と具体例

54321\sqrt{54321} の近似値を求めるという例を通じて開平法を解説します。難しいのは手順4だけです。

開平法の例

  1. まず 54321\sqrt{54321} と右側に書く。小数点を基準に2桁ずつ区切っていく。

  2. 二乗して「右側の最も左のブロック(この例だと 55)」以下となるような最大の整数(この場合 22)を求める。その数を右側に1箇所,左側に2箇所書く。また,計算結果(この場合 22=42^2=4)を右側に書く。

  3. 左側は足し算,右側は引き算。

  4. 左側の数(この場合 44)の末尾に NN をくっつけたもの ×N\times N が右側の次のブロックまで取ったもの(この場合 143143)以下となるような最大の整数を求める。その数を右側に1箇所,左側に2箇所書く。この場合,43×3=12943\times 3=129 であり,33 が該当する。また,その計算結果(この場合 129129)を右側に書く。

  5. 以下,3と4を必要なだけ繰り返す。

54321\sqrt{54321} の近似値が 233233 と求まりました。実際,2332=54289233^2=54289 です。

小数点以下

開平法の例2

小数点以下も同様に計算できます。

ルート2の近似値計算を筆算で行った例を図に示します。

2=2.0000\sqrt{2}=\sqrt{2.0000\cdots} と見て,小数点を基準に2桁ずつ区切っていきます。

2\sqrt{2} の近似値が 1.4141.414 と求まりました。計算結果の小数点の位置にも注意してください。

開平法の原理

開平法で何をやっているのか,大雑把に説明します。証明というほどたいそうなものではありませんが,雰囲気はつかめると思います。

x\sqrt{x} の近似値を開平法で求めたいとします。

原理

まず,手順1と手順2で x\sqrt{x} の上1桁を計算している。 xx の桁数が(小数点を基準にして)偶数なのか奇数なのかによって挙動が変わることに注意。

そして「 x\sqrt{x} はだいたい aa 」という下からの評価が得られる。

(上の例だと,54321\sqrt{54321} はだいたい 2002002\sqrt{2} はだいたい 11 という評価)

しかし,本当は x=a+ε\sqrt{x}=a+\varepsilon であるとする。 ε\varepsilon を求めたい。

上式を変形すると,xa2=ε(2a+ε)x-a^2=\varepsilon(2a+\varepsilon)

よって,b(2a+b)b(2a+b)xa2x-a^2 をこえないようなもの bb を使って,評価を「 x\sqrt{x} はだいたい a+ba+b 」と更新する(上の例だと,54321\sqrt{54321} はだいたい 2302302\sqrt{2} はだいたい 1.41.4 という評価)。手順3,4における左側の数字が b(2a+b)b(2a+b) ,右側の数字が xa2x-a^2 に対応している。

改めて,本当は x=a+b+ε\sqrt{x}=a+b+\varepsilon であるとする。 ε\varepsilon を求めたい。

上式を変形すると,x(a+b)2=ε{2(a+b)+ε}x-(a+b)^2=\varepsilon\{2(a+b)+\varepsilon\}

よって,c{2(a+b)+c}c\{2(a+b)+c\}x(a+b)2x-(a+b)^2 をこえないようなもの cc を使って,評価を「 x\sqrt{x} はだいたい a+b+ca+b+c 」と更新する。

これを繰り返す。

図がカラーであることの強みを発揮できた記事だと思います。