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交代和にまつわる数オリの問題

更新日時 2021/03/07

1979年国際数学オリンピック第1問です:

ppqq を自然数として,

pq=112+1314+11318+11319\dfrac{p}{q}=1-\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{3}-\dfrac{1}{4}+\cdots-\dfrac{1}{1318}+\dfrac{1}{1319}

が成立するとき pp19791979 の倍数となることを証明せよ

1979年の問題だけに問題文に 19791979 が含まれています。問題にその年の数字を絡めることはIMOやJMOではよく見られます。

目次
  • 交代和に関するテクニカルな変形

  • 二項ずつにまとめる

  • 今回の教訓

交代和に関するテクニカルな変形

log2に収束する交代級数の証明でも紹介したように,112+131-\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{3}-\cdots という和に対しては有名な式変形のテクニックがあります。

解答(前半)

112+1314+11318+11319=1+12+13++113192(12+14+11318)=1+12+13++11319(1+12++1659)=1660+1661++113191-\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{3}-\dfrac{1}{4}+\cdots -\dfrac{1}{1318}+\dfrac{1}{1319}\\ =1+\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{3}+\cdots +\dfrac{1}{1319}-2(\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{4}\cdots +\dfrac{1}{1318})\\ =1+\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{3}+\cdots +\dfrac{1}{1319}-(1+\dfrac{1}{2}+\cdots +\dfrac{1}{659})\\ =\dfrac{1}{660}+\dfrac{1}{661}+\cdots +\dfrac{1}{1319}

ここまでは機械的な計算でたどりつけます。

二項ずつにまとめる

次の一手は 「前と後ろから1つずつとってきて二項まとめて評価する」というテクニックです。 660+1319=1979660+1319=1979 であることに気づけば思いつきやすいでしょう。

解答(後半)

1660+11319=197966013191661+11318=197966113181989+1990=1979989990\dfrac{1}{660}+\dfrac{1}{1319}=\dfrac{1979}{660\cdot 1319}\\ \dfrac{1}{661}+\dfrac{1}{1318}=\dfrac{1979}{661\cdot 1318}\\ \vdots\\ \dfrac{1}{989}+\dfrac{1}{990}=\dfrac{1979}{989\cdot 990}

を全て加え合わせることで,

pq=1979(16601319+16611318++1989990)\dfrac{p}{q}=1979(\dfrac{1}{660\cdot 1319}+\dfrac{1}{661\cdot 1318}+\cdots+\dfrac{1}{989\cdot 990})

となる。

右辺のカッコの中身を通分したとき分母は 660660 から 13191319 までかけたものであり,19791979 とは互いに素である(19791979 は素数)。

よって,p×p\times ( 19791979 と互いに素な整数)= 19791979 の倍数

となるので pp19791979 の倍数である。

今回の教訓

数学オリンピックの問題は答えだけ読んでも「綺麗な解答だなー」で終わってしまうことが多いです。なぜそう考えるのか,根底にはどのような考え方があるのかなどを考えて教訓を絞り出すことが重要です。

  • 112+131-\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{3}\cdots の形の和の式変形のテクニックの再確認
  • 二項ずつまとめて評価すると有効なこともある

※逆に部分分数分解のように二項に分解して評価することもあります

・その年の数字は出題されやすいのであらかじめ素因数分解を覚えておくとよい(笑)

自分で絞り出した教訓(ポイント)をたくさんためることが重要です。

Tag:国際数学オリンピックの過去問

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