交代和に関するテクニカルな変形
log2に収束する交代級数の証明でも紹介したように,1−21+31−⋯
という和に対しては有名な式変形のテクニックがあります。
解答(前半)
1−21+31−41+⋯−13181+13191=1+21+31+⋯+13191−2(21+41⋯+13181)=1+21+31+⋯+13191−(1+21+⋯+6591)=6601+6611+⋯+13191
ここまでは機械的な計算でたどりつけます。
二項ずつにまとめる
次の一手は
「前と後ろから1つずつとってきて二項まとめて評価する」というテクニックです。
660+1319=1979
であることに気づけば思いつきやすいでしょう。
解答(後半)
6601+13191=660⋅131919796611+13181=661⋅13181979⋮9891+9901=989⋅9901979
を全て加え合わせることで,
qp=1979(660⋅13191+661⋅13181+⋯+989⋅9901)
となる。
右辺のカッコの中身を通分したとき分母は
660
から
1319
までかけたものであり,1979
とは互いに素である(1979
は素数)。
よって,p×
(
1979
と互いに素な整数)=
1979
の倍数
となるので
p
は
1979
の倍数である。
今回の教訓
数学オリンピックの問題は答えだけ読んでも「綺麗な解答だなー」で終わってしまうことが多いです。なぜそう考えるのか,根底にはどのような考え方があるのかなどを考えて教訓を絞り出すことが重要です。
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1−21+31⋯ の形の和の式変形のテクニックの再確認
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二項ずつまとめて評価すると有効なこともある
※逆に部分分数分解のように二項に分解して評価することもあります
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その年の数字は出題されやすいのであらかじめ素因数分解を覚えておくとよい(笑)
自分で絞り出した教訓(ポイント)をたくさんためることが重要です。
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