分数式の基本的な計算と例
分数式の計算方法をわかりやすく解説します。分数式の計算に迷ったら「普通の分数」の計算方法を思い出すとよいです。
分数式の足し算と引き算(分母が同じ場合)
分数式の足し算と引き算(分母が同じ場合)
分母が同じである分数式の足し算は,分母はそのままで分子は足し算です:
参考:分母が同じである分数の足し算も,分母はそのままで分子は足し算でした:
例.
分数式の引き算も同様です。分母はそのままで分子は引き算です。
分数式のかけ算
分数式のかけ算
分数式のかけ算は,分母どうし,分子どうし,かけ算です:
参考:分数のかけ算も,分母どうし,分子どうし,かけ算でした:
例.
分数式の割り算
分数式の割り算
分数式の割り算は,分母と分子をひっくり返してかけ算です:
参考:分数の割り算も,分母と分子をひっくり返してかけ算でした:
例.
分数式の約分
分数式の約分
分数式の約分は,共通因数で分母と分子を割る(そのために,必要なら分母と分子をそれぞれ因数分解する)です:
参考:分数の約分も,共通の約数で分母と分子を割る(そのために、必要なら分母と分子をそれぞれ素因数分解する)でした:
例.
分数式の通分
分数式の通分
分数式の通分は,相方の分母を自分の分母と分子にかけるです:
と を通分すると,
と
参考: 分数の通分も,相方の分母を自分の分母と分子にかけるでした:
例. と を通分すると,
と
つまり, と
※正確には「相方の分母をかける」というよりも「分母の最小公倍数(最小公倍多項式)になるようにかける」です。
応用: 分数式を含む方程式や不等式を解く際に,分数式の通分が必要になる場合が多いです。 →分数不等式のおすすめの解き方と例題
分数式の足し算と引き算(分母が異なる場合)
分数式の足し算と引き算(分母が異なる場合)
分母が異なる分数式の足し算は,通分してから分子を足し算です:
参考: 分母が異なる分数の足し算も,通分してから分子を足し算でした: 例.
仮分数を帯分数にする
仮分数を帯分数にする
分数式は,分子を分母で割って商と余りを計算することで,「多項式」+「分子の方が次数が低い分数式」に変形できます。→多項式の割り算の二通りの計算方法と例題
に対して,分子を分母で割ると となるので,
これは,分数の計算において仮分数を帯分数に直す操作と似ています。
例.
応用
- 一次分数関数 のグラフを書く際に,上記の変形が役に立ちます:一次分数関数のグラフと漸近線
- 分数式を微分したり積分したりする際も,上記の変形をすることが多いです。
- 分数関数の極値を求める2つのテクニックのテクニック2でも登場する変形です。
久しぶりに高校数学基礎レベルの記事を書きました。超基礎レベルから超難関レベルまで充実させていきたいです。