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ベータ関数の積分公式

更新日時 2021/03/07

m,nm, n00 以上の整数のとき,以下のような積分公式が成立する(ベータ関数の積分公式):

(i) 第一種オイラー積分

αβ(xα)m(βx)ndx=m!n!(m+n+1)!(βα)m+n+1\displaystyle\int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)^m(\beta-x)^ndx=\dfrac{m!n!}{(m+n+1)!}(\beta-\alpha)^{m+n+1}

(ii) 特に,α=0,β=1\alpha=0, \beta=1 とすると,

01xm(1x)ndx=m!n!(m+n+1)!\displaystyle\int_0^1 x^m(1-x)^ndx=\dfrac{m!n!}{(m+n+1)!}

目次
  • ベータ関数の積分公式の応用

  • ベータ関数の積分公式の証明

  • より一般的な形

ベータ関数の積分公式の応用

例えば,(i)で m=n=1m=n=1 とすると,

αβ(xα)(βx)dx=(βα)36\displaystyle\int_{\alpha}^{\beta}(x-\alpha)(\beta-x)dx=\dfrac{(\beta-\alpha)^3}{6}

となり,放物線と直線で囲まれた部分の面積を求める有名公式になります。

3次関数と直線で囲まれた面積

また,三次関数と直線で囲まれた部分の面積を求める際にたまに出てくる積分

aαβ(xα)(βx)2dxa\int_{\alpha}^{\beta}(x-\alpha)(\beta-x)^2dx

も,(i)で m=1,n=2m=1, n=2 とおくことで,一瞬で求めることができます:

aαβ(xα)(βx)2dx=a12(βα)4a\int_{\alpha}^{\beta}(x-\alpha)(\beta-x)^2dx=\dfrac{a}{12}(\beta-\alpha)^4

また.傘型分割を使う問題でも活躍します。→傘型分割と斜回転体の体積

ベータ関数の積分公式の証明

この公式を証明せよという問題が某予備校の全国模試や大学入試問題として出題されたこともあります。証明方法も理解しておきましょう。

方針:まず(ii)を証明します。関数の積の積分なので部分積分を用います。(i)は,(ii)をうまく変数変換してやると導かれます。

証明

I(m,n)=01xm(1x)ndxI(m, n)=\displaystyle\int_0^1 x^m(1-x)^ndx とおく。

部分積分により,

I(m,n)=[xm+1m+1(1x)n]01+01xm+1m+1n(1x)n1dx=nm+1I(m+1,n1)=nm+1n1m+2I(m+2,n2)==m!n!(m+n)!I(m+n,0)=m!n!(m+n)!01xm+ndx=m!n!(m+n+1)!I(m, n)=\left[\dfrac{x^{m+1}}{m+1}(1-x)^n\right]^1_0+\int_{0}^{1}\dfrac{x^{m+1}}{m+1}n(1-x)^{n-1}dx\\ =\dfrac{n}{m+1}I(m+1, n-1)\\ =\dfrac{n}{m+1}\dfrac{n-1}{m+2}I(m+2, n-2)\\ =\cdots \\ =\dfrac{m!n!}{(m+n)!}I(m+n, 0)\\ =\dfrac{m!n!}{(m+n)!}\int_{0}^{1}x^{m+n}dx\\ =\dfrac{m!n!}{(m+n+1)!}

ベータ関数の積分の証明

変形のイメージを図に示す。

これで公式(ii)が証明されたので,次は(i)を示す。

公式(ii)において積分区間を α\alpha から β\beta にするために,y=(βα)x+αy=(\beta-\alpha)x+\alpha と置換すると,

xm(1x)n=(yα)m(βy)n(βα)m+n,dydx=βαx^m(1-x)^n=\dfrac{(y-\alpha)^m(\beta-y)^n}{(\beta-\alpha)^{m+n}},\:\dfrac{dy}{dx}=\beta-\alpha より,

αβ(yα)m(βy)n(βα)(m+n+1)dy=m!n!(m+n+1)!\displaystyle\int_{\alpha}^{\beta} (y-\alpha)^m(\beta-y)^n(\beta-\alpha)^{-(m+n+1)}dy=\dfrac{m!n!}{(m+n+1)!} となる。

両辺に (βα)m+n+1(\beta-\alpha)^{m+n+1} をかけると公式(i)が示される。

より一般的な形

m,nm, n が整数でない場合の積分も考えてみたくなります。

そのような積分の値はベータ関数と呼ばれ,以下のように定義されます:

B(p,q)=01xp1(1x)q1dx\mathrm{B}(p, q)=\displaystyle\int_0^1x^{p-1}(1-x)^{q-1}dx

そして,ベータ関数は階乗の一般化であるガンマ関数を用いて以下のように表されます:

B(p,q)=Γ(p)Γ(q)Γ(p+q)\mathrm{B}(p,q)=\dfrac{\Gamma(p)\Gamma(q)}{\Gamma(p+q)}

ガンマ関数は自然数 mm に対して Γ(m)=(m1)!\Gamma(m)=(m-1)! が成立するので,上記の公式に p=m+1,q=n+1p=m+1, q=n+1 を代入することにより,公式(ii)を示すことができます。→ガンマ関数(階乗の一般化)の定義と性質

つまり,この記事で紹介した公式は, ベータ関数とガンマ関数の関係の特殊な形なのです。

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