定積分で表された関数の微分の公式
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定積分で表された関数の微分の公式:
(ただし, は に関する1変数の関数)
このページでは,定積分で表された関数の微分公式の証明,例題,より一般的な公式について解説します。
公式の証明
公式の証明
定積分の(高校数学における)定義をきちんと理解していれば証明は難しくありません。
の原始関数の1つを とおく。つまり である。
このとき,定積分の定義(→注意)より,
なので,これを で微分すると
となる。
注意: は高校数学における定積分の定義そのものです。なお,大学以降では定積分はリーマン和で定義する場合が多く,この式は「定理」になります。→なぜ定積分で面積が求まるのか
簡単な例題
簡単な例題
第一種ヴォルテラ積分方程式(←名前かっこいい)と呼ばれるタイプの積分方程式です。
を満たす関数 および定数 を求めよ。
両辺を で微分すると(左辺に冒頭の公式を使う),
が分かる。
さらに,もとの式に を代入すると,
となる。
よって,
より一般的な公式
より一般的な公式
例えば という感じです。公式を覚えるというよりも導出方法を理解してください。
公式の左辺を変形していくと,
ここで冒頭の公式を使うと,上式は
となる。
高校数学では積分方程式という言葉は登場しませんね。