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パップスギュルダンの定理とその証明

更新日時 2021/03/07

パップスギュルダンの定理:

面積が SS である平面図形 AA がある。 AA を直線 ll の回りに回転させてできる回転体の体積 VV は, V=2πgxS=V=2\pi g_xS=(重心の移動距離) ×S\times S

gxg_x は重心と回転軸の距離)

ただし,AA を回転させる過程で AA 自身とは重ならないとする。

入試で直接役立つ機会は少ないですが面白い定理です。

目次
  • パップスギュルダンの定理に関して

  • 重心(一般の図形)について

  • パップスギュルダンの定理の証明

  • パップスギュルダンの定理の応用

パップスギュルダンの定理に関して

  • 定理の主張に登場する「重心」については後で詳しく解説しますが,厳密には積分を用いて定義されます。
  • 「重心の移動距離」×「面積」で体積が求まるというのはかなり綺麗で覚えやすいです。

gyurudan

  • パップスギュルダンの定理は,検算テクニック&雑学として知っておくとよいでしょう。ただし,残念ながら,パップスギュルダンの定理一発で答えが求まるような入試問題は,少なくとも私は見たことがありません。
  • パップスギュルダンの定理を使うには「回転で自分自身と重ならない」という条件が必要です。例えば図において上側の図形には使えますが,下側の図形には使えません。

重心(一般の図形)について

・パップスギュルダンの定理を使うには図形 AA の重心を求める必要があります。重心というのは,感覚的には質量中心「図形 AA を指一本の上に載せたときにバランスをとれる点」です。

重心の座標

・数学的には重心の xx 座標は以下の積分で定義されます:

gx=abxf(x)dxabf(x)dx=abxf(x)dxSg_x=\dfrac{\int_a^b xf(x)dx}{\int_a^b f(x)dx}=\dfrac{\int_a^b xf(x)dx}{S}\:\:( yy 座標も同様)

ただし,f(x)f(x)xx の点での図形の「長さ」です。

重心の xx 座標は, 図形の xx 座標がどのへんに分布しているか,その「期待値」のようなものです。

・三角形に関しては幾何で登場するいつもの重心と同じです。また,円や長方形など対称性の高い図形の場合は積分を行わなくとも重心の位置が分かります。

パップスギュルダンの定理の証明

バウムクーヘン分割の公式を用いればパップスギュルダンが一発で証明できます!

証明

バウムクーヘン分割の公式より,

V=2πabxf(x)dxV=2\pi\int_a^b xf(x)dx

ここで,重心の定義式より: gxS=abxf(x)dxg_xS=\displaystyle\int_a^b xf(x)dx なので

V=2πgxSV=2\pi g_xS となる。

この証明からも分かる通り,パップスギュルダンの定理はバウムクーヘン分割を,重心を使って言い換えたものに過ぎません。

パップスギュルダンの定理の応用

パップスギュルダンを逆に使えば重心の xx 座標を求めることができます。

半径 rr の半円の重心の位置を求める。

パップスギュルダンの応用

上下対称な図形なので中心からの距離 gxg_x のみを求めればよい。

回転させると球になるので,V=43πr3V=\dfrac{4}{3}\pi r^3

また,S=12πr2S=\dfrac{1}{2}\pi r^2

よって,パップスギュルダンの定理より,

43πr3=2πgx12πr2\dfrac{4}{3}\pi r^3=2\pi g_x\cdot\dfrac{1}{2}\pi r^2

よって,gx=4r3πg_x=\dfrac{4r}{3\pi}

ギュルっと回してdone

Tag:積分を用いた面積,体積の求積公式まとめ

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