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双曲線関数にまつわる重要な公式まとめ

更新日時 2021/03/07
双曲線関数

双曲線関数と呼ばれる重要な関数が以下の式で定義される:

coshx=ex+ex2\cosh x=\dfrac{e^x+e^{-x}}{2}

sinhx=exex2\sinh x=\dfrac{e^x-e^{-x}}{2}

tanhx=sinhxcoshx=exexex+ex\tanh x=\dfrac{\sinh x}{\cosh x}=\dfrac{e^x-e^{-x}}{e^x+e^{-x}}

双曲線関数の知識を整理しました。主に入試問題を解くのに役立つものをまとめました。

目次
  • 双曲線関数とは

  • 双曲線関数のグラフ

  • 双曲線関数の関係式

  • 双曲線関数の逆関数

  • 双曲線関数にまつわる積分公式

双曲線関数とは

指数関数 exe^x をもとに定義される以下の関数を双曲線関数と言います。

  • coshx=ex+ex2\cosh x=\dfrac{e^x+e^{-x}}{2}
  • sinhx=exex2\sinh x=\dfrac{e^x-e^{-x}}{2}
  • tanhx=sinhxcoshx=exexex+ex\tanh x=\dfrac{\sinh x}{\cosh x}=\dfrac{e^x-e^{-x}}{e^x+e^{-x}}

双曲線関数は高校数学では習いません。しかし双曲線関数を背景とした大学入試問題は複数あり,双曲線関数の定義と基本的な性質を知っていれば見通しがよくなることがあります。

coshx\cosh x は「ハイパボリックコサイン」とか「コッシュエックス」とか言います。 sinhx\sinh x は「ハイパボリックサイン」とか「シャインエックス」とか言います。

双曲線関数のグラフ

双曲線関数のグラフ

coshx\cosh x のグラフは紫 sinhx\sinh x のグラフは赤 tanhx\tanh x のグラフは緑で記載しています。グラフの概形は覚えておくとよいです。

  • coshx\cosh xx=0x=0 で最小値 11 を取る(相加相乗平均の不等式からも分かる)偶関数です。

  • sinhx\sinh x は奇関数です。

  • tanhx\tanh x は奇関数で極限の値は,x+x\to +\inftytanhx1\tanh x\to 1 です。

双曲線関数の関係式

双曲線関数において,三角関数に似た関係式が成り立ちます!

  • cosh2xsinh2x=1\cosh^2 x-\sinh^2 x=1
    (左辺を計算すれば 11 になることが簡単に確認できます)

  • (coshx)=sinhx(\cosh x)^{\prime}=\sinh x, (sinhx)=coshx(\sinh x)^{\prime}=\cosh x, (tanhx)=1cosh2x(\tanh x)^{\prime}=\dfrac{1}{\cosh^2 x}
    微分公式の感じも三角関数に似ています。

  • 実は三角関数の加法定理に似た関係式も成立します。→双曲線関数の加法定理とその証明

双曲線関数の逆関数

双曲線関数の逆関数を背景とした問題も入試問題で頻出です。 逆関数の導出方法を覚えておきましょう。

y=sinhxy=\sinh x の逆関数は y=log(x+x2+1)y=\log(x+\sqrt{x^2+1})

y=coshxy=\cosh x の逆関数は y=log(x±x21)y=\log(x\pm\sqrt{x^2-1}) ,(特にプラスの符号を採用して議論の対象を第一象限に限定することが多い)

証明

y=sinhx=exex2y=\sinh x=\dfrac{e^x-e^{-x}}{2}xx について解く。まずは式を整理する:

e2x2yex1=0e^{2x}-2ye^x-1=0

これは exe^x についての2次方程式なので解の公式より,

ex=y±y2+1e^x=y\pm \sqrt{y^2+1}

ex>0e^x>0 より+側を採用して逆関数の表式を得る。

同様に,y=coshx=ex+ex2y=\cosh x=\dfrac{e^x+e^{-x}}{2}exe^x について解くと,

ex=y±y21e^x=y\pm \sqrt{y^2-1} となり,求める表式を得る。

双曲線関数にまつわる積分公式

dxx2+a=log(x+x2+a)+C(a>0)\displaystyle\int \dfrac{dx}{\sqrt{x^2+a}}=\log(x+\sqrt{x^2+a})+C\:(a>0)

この積分は覚えていないと解くのが非常に難しいです。難関大学を受験する人はこの公式を丸ごと覚えておきましょう。

右辺を微分したら左辺と一致することが確認できるので公式の証明自体はたやすいです。

より一般的に,双曲線関数を用いた置換積分の手筋を紹介します。

x2+A2x^2+A^2 というかたまりを含む積分は x=Asinhyx=A\sinh y と置換するとうまくいくことが多い。

高校数学では x=atanyx=a\tan y と置換するのが一般的ですが,それでも解けない場合はハイパボリックサインの置換を試すと解けるかもしれません。実際上記の積分公式はハイパボリックサインによる置換を用いて以下のように導くことができます。

積分公式の導出

x=asinhyx=\sqrt{a}\sinh y と置換すると,

x2+a=a(1+sinh2y)=acosh2yx^2+a=a(1+\sinh^2 y)=a\cosh^2 y , dxdy=acoshy\dfrac{dx}{dy}=\sqrt{a}\cosh y より,

dxx2+a=coshydycoshy=y+C\displaystyle\int \dfrac{dx}{\sqrt{x^2+a}}=\displaystyle\int \dfrac{\cosh ydy}{\cosh y}=y+C

ここで,さきほど示したハイパボリックサインの逆関数の公式を用いて

y=log(xa+x2a+1)=log(x+x2+a)+Cy=\log(\dfrac{x}{\sqrt{a}}+\sqrt{\dfrac{x^2}{a}+1})=\log(x+\sqrt{x^2+a})+C^{\prime}

となるので積分公式が導かれる。

シャインっていうならコッシュよりもコチャインって言いたいです。

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