日本数学オリンピック予選対策方法

日本数学オリンピック(JMO)の予選を突破する方法について紹介します。

JMOの予選は,それなりに数学の得意な人が本気で対策をすれば突破できる難易度で,東大理Ⅲに入るよりは簡単だと思います。

JMOの予選は,本選や国際数学オリンピックと出題形式が異なり,証明問題ではなく答えの数字を求める単答式なので,予選独特のコツがあります。

ひたすら過去問を解く

予選独特のコツではありませんが,最も重要です。数学オリンピックの過去問を5年分まとめた書籍がある(→数学オリンピック(JMO対策)の参考書)ので,10年分(2冊)くらいやっておくと自信になります。

「受験勉強をやらないといけないから数学オリンピックに時間をかけられない」という意見をたまに聞きますが,JMOの予選問題は(多くの問題が)最難関大の受験問題に出うるので,難関大学の受験対策にもなります,安心して時間を投じて下さい!

※JMOの本選の問題は受験では出ないような難しい問題が多いです。

その際,解けなかった問題に対してポイントノートをつけながら勉強しましょう。→大学受験数学の勉強法(3つのコツ)

解くべき問題を見抜く

JMO予選の問題は12問。1問目は非常にやさしく,徐々に難しくなっていき12問目は例年超難問でほとんど誰も解けません。合格基準は問題の難易度によって変わりますが5点〜8点(1問1点)で,7問解ければほぼ確実に合格できます。

ということで,前半の簡単な問題は計算ミスをしないように何度も検算して絶対に外さないようにしましょう。→数学オリンピックの合格点推移

1番から4番はほとんどみんな解けるので, 勝負は中難易度の5〜9番になります。10〜12番は少し考えて方針が浮かばなければ潔く諦めましょう。

整数問題に慣れる

数学オリンピックの出題範囲でも述べましたが,JMOの予選の整数問題は少し勉強すればある程度解けるようになります。

整数問題は毎年複数問出題される上に,受験勉強では深く学ばないので特化して対策した方がよいです。

ちなみにJMO本選,IMOの整数問題も対策としては同じですが,かなりレベルが高いので「ある程度解けるようになる」段階に到達するには相当量の勉強or才能が必要です。

しらみつぶし,気合い

さきほども述べましたが,大学受験と比べて1問に割ける時間が長いので,愚直なしらみつぶしも通用することが多いです。JMOの予選ではどんな手段を使っても答えが見つかれば勝ちです。具体的には

「サイコロ4個(1296通り)なら本気出せば全ての場合を書き尽くせる,3個なら余裕」

「3桁以下の整数(999通り)なら本気出せば全ての場合を調べられる,2桁なら余裕」

などです。

しらみつぶしの作業はかなり手際よくやる必要がありますが,心折れることなく1時間かけてでも中難易度の問題を1問確実に正解すれば合格に近づきます。ただし,しらみつぶしする前にまずは正攻法で解けないか少し考えましょう。

しらみつぶしは精神的にキツイので,3時間フルパワーで集中し続けるためにも長考する習慣をつけておきましょう。

いろいろな解法を知る