数学オリンピックの出題範囲
数学オリンピックの出題範囲は数学1Aで大部分がカバーできます。一方,関数方程式など高校数学では扱わない内容も含まれているため,特化した対策も必要です。
※この記事は,2014年に執筆したものです。情報が古い・不正確な可能性があるため,あくまで参考程度にご覧いただければと思います。
おおまかな出題範囲
おおまかな出題範囲
数学オリンピックの問題は大きく以下の4つの分野「A, C, G, N」に分類されます。
- 代数(Algebra)
- 組み合わせ,離散数学(Combinatorics)
- 図形,幾何(Geometry)
- 整数問題・数論(Number theory)
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必須の知識は,数1A全般(データの分析除く)と三角関数の加法定理
加法定理は予選・本選ともに図形問題を解く道具として必要です。 -
整数問題が大事
整数問題は,高校数学できちんと習わないため特化して対策する必要があります。難関大学の受験にも役立ちます。 -
その他,数2B以降で知っておくべき知識は,数列・ベクトル・座標平面・指数対数
数列は最低限のシグマ計算ができるとよいでしょう。ベクトル,座標平面は図形問題でたまに活躍します。指数対数は代数や数論でたまに活躍します。 -
微分積分の問題は出題されない
微分は最大値や最小値を求めるときにたまに活躍するので,知っていると得するかもしれません。積分は必要ありません。
- 数学オリンピック(JMO対策)の参考書(特に予選)
- 獲得金メダル!国際数学オリンピック(特に本選以降)
A:代数
A:代数
方程式を解く問題や関数の最大値を求める問題は予選でも出題されます。不等式証明や関数方程式は本選以降で本格的に登場する分野です。
- 不等式証明問題,関数の最大値を求める問題
不等式証明問題は多くの公式やコツがあり,勉強が得点につながりやすい分野です。
美しい不等式の世界(本選以降)
- 関数方程式,多項式決定問題
関数が満たすべき関係式が与えられてそこから未知関数を求める問題です。前提知識はほとんど必要ありませんが,関数方程式独特のテクニックに慣れる必要があります。
参考:コーシーの関数方程式の解法と応用
C:組み合わせ・離散数学
C:組み合わせ・離散数学
多くの問題に通用するテクニックが少ないため,勉強が得点につながりにくい分野です。とにかく多くの問題を解いて,頭を鍛えつついろいろな解法パターンを学びましょう。組み合わせの問題は受験にも直結します。
特に本選以降では,グラフ理論を知っていると役に立つことがたまにあります。
マスター・オブ・場合の数(特に予選)
G:幾何
G:幾何
N:整数問題
N:整数問題
まずは整数の基本的な考え方,テクニックを身につける必要があります。予選の問題は有名テクニックだけで解けるものもあるので,最初は勉強が得点につながりやすいです。しかし,本選以降の問題は難問が多く,組み合わせと同じくとにかく多くの問題を解くことが大事です。
- マスター・オブ・整数(特に予選)
- 初等整数論講義(予選,本選ともに役立つが難しい)
頑張った人が報われやすいので私はAとGが好きです。