初等整数論講義[本]

整数論の名著「初等整数論講義」の紹介です。

書籍情報

注意:以下の情報は第2版に関するものです。

題名:初等整数論講義

著者:高木貞治

ボリューム:全416ページ(5章60セクション)

  • 20世紀前半に活躍した日本の数学者,高木貞治による整数論の名著です。初版販売開始より80年以上経つも,色褪せることのない非常に完成度の高い教科書です。
  • 前提知識は必要ありませんが,普通の高校生には敷居が高く,入試対策の本ではありません。整数論好きで熱意ある高校生,大学生etc.が時間をかけてじっくり読む本としてオススメ。
  • 第一章の80ページぶんを読み込むだけでも数学オリンピック対策になります。問題の解き方のテクニックというよりも「整数」に関する根本的な考え方が身につきます。
  • 自分も全て読んだわけではありません,すごいボリュームです。

内容の詳細

各章のタイトル:

1初等整数論,2連分数,3二元二次不定方程式,4二次体 K(i)K(3)K(i),K(\sqrt{-3}) の整数,5二次体の整数論,

  • 第一章は,倍数約数の議論にはじまり,合同式,Euler関数,フェルマーの小定理など数オリ必須の基礎知識が続々登場。そして,原始根や平方剰余の話まで一気に進みます。この章を熟読するだけでかなりの力がつきます。非常におすすめ。
  • 次におすすめなのは第四章:複素整数が登場。複素数を持ち出すことでスッキリと解決するような話題に感動。この章ではフェルマーの最終定理の n=3n=3n=4n=4 の場合が証明されています。
  • 第五章ではより一般に a+bma+b\sqrt{m} 型の数について考えます(m=1m=-1 のときが複素整数)。ペル方程式に関する理論,最終的には一般の二元二次不定方程式に関する理論に行きつきます。

自分が尊敬する先輩も絶賛していた本です!

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