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2015年JJMO予選第7問の3通りの解法

更新日時 2021/03/07
問題

次の等式を満たす正の実数 xx を求めよ。

x+x(x+1)+x(x+2)+(x+1)(x+2)=2x+\sqrt{x(x+1)}+\sqrt{x(x+2)}+\sqrt{(x+1)(x+2)}=2

JJMO(日本ジュニア数学オリンピック)予選の中難易度の問題です。この問題の解説を通じてJJMO予選攻略のコツを見ていきます。

目次
  • 解答1:ルートを外す

  • 解答2:分子の有理化

  • 解答3:対称な方法

解答1:ルートを外す

方針: ルートの入った方程式は両辺二乗してルートを外すというのが鉄則です。しかし,ルートが3つ以上ある場合は一般に両辺を二乗しても複雑になるだけです。そこで,適切に移項してから両辺を二乗します。

解答

xx(x+1)(x+2)\sqrt{(x+1)(x+2)} を移項する:

x(x+1)+x(x+2)=2x(x+1)(x+2)\sqrt{x(x+1)}+\sqrt{x(x+2)}=2-x-\sqrt{(x+1)(x+2)}

両辺二乗するといろいろ消える:

x(x+1)+x(x+2)+2x2(x+1)(x+2)=4+x2+(x+1)(x+2)4x+2x(x+1)(x+2)4(x+1)(x+2)x(x+1)+x(x+2)+2\sqrt{x^2(x+1)(x+2)}\\=4+x^2+(x+1)(x+2)-4x\\+2x\sqrt{(x+1)(x+2)}-4\sqrt{(x+1)(x+2)}

0=64x4(x+1)(x+2)\Rightarrow 0=6-4x-4\sqrt{(x+1)(x+2)}

ルートが一つになったので再び移項して両辺二乗する:

4(x+1)(x+2)=(32x)24(x+1)(x+2)=(3-2x)^2

展開する:

12x+8=912x12x+8=9-12x

よって,答えは x=124x=\dfrac{1}{24}

本番では出てきた答えを元の方程式に代入して成立することを確認しましょう(検算)。

解答2:分子の有理化

方針:とりあえずできる変形をいろいろやってみてうまく組合せます。

解答

もとの方程式は因数分解できる:

(x+1+x)(x+2+x)=2(\sqrt{x+1}+\sqrt{x})(\sqrt{x+2}+\sqrt{x})=2

両辺に (x+1x)(x+2x)(\sqrt{x+1}-\sqrt{x})(\sqrt{x+2}-\sqrt{x}) をかける(注):

2=2(x+1x)(x+2x)2=2(\sqrt{x+1}-\sqrt{x})(\sqrt{x+2}-\sqrt{x})

展開する:

xx(x+1)x(x+2)+(x+1)(x+2)=1x-\sqrt{x(x+1)}-\sqrt{x(x+2)}+\sqrt{(x+1)(x+2)}=1

もとの方程式と辺々加える:

2x+2(x+1)(x+2)=32x+2\sqrt{(x+1)(x+2)}=3

ルートが一つ。解答1と全く同じ式が得られた!以下同様にして x=124x=\dfrac{1}{24}

(注)の変形がテクニカルです。数IIIの極限の単元で頻出の「分子の有理化」という変形を知っていれば思いつきやすいでしょう。つまり,この問題は(当然ですが)数IIIを知らなくても解けますが, 数IIIを習っていることが間接的に有利に働きます。このような意味でもJJMOを受験するときに高校数学を知っていると有利だと言えます。

解答3:対称な方法

こんなの普通思いつきませんが,某氏が対称で美しい解法を発見したので紹介します。掲載を許可していただきありがとうございますm(__)m

解答

x=a,x+1=b,x+2=c\sqrt{x}=a,\:\sqrt{x+1}=b,\:\sqrt{x+2}=c とおく。

題意の方程式は,

(a+b)(a+c)=2(a+b)(a+c)=2

となる。また,題意の方程式の両辺に1を加えると,

(x+1)(x+1)+x(x+1)+x(x+2)+(x+1)(x+2)=3\sqrt{(x+1)(x+1)}+\sqrt{x(x+1)}+\sqrt{x(x+2)}+\sqrt{(x+1)(x+2)}=3

となり,左辺が因数分解できる:

(b+a)(b+c)=3(b+a)(b+c)=3

同様に,もとの方程式の両辺に2を加えると,

(c+a)(c+b)=4(c+a)(c+b)=4

以上3つの式をかけ合わせる:

(a+b)2(b+c)2(c+a)2=24(a+b)^2(b+c)^2(c+a)^2=24

つまり,(a+b)(b+c)(c+a)=26(a+b)(b+c)(c+a)=2\sqrt{6}

もとの3つの式とそれぞれ辺々割ることにより,

a+b=62a+b=\dfrac{\sqrt{6}}{2}

b+c=6b+c=\sqrt{6} (※)

c+a=236c+a=\dfrac{2}{3}\sqrt{6}

全部足して2で割る:

a+b+c=13126a+b+c=\dfrac{13}{12}\sqrt{6}

これと(※)より

a=612a=\dfrac{\sqrt{6}}{12}

よって,x=a2=124x=a^2=\dfrac{1}{24}

計算量はあまり変わりませんが,最後まで対称性を保ったまま変形しているのが美しいですね!

このように,JMOやJJMOの問題はいくつもの解答がある場合が多いです。

Tag:各地の数オリの過去問

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