確率・場合の数分野:練習問題一覧|入試数学コンテスト過去問集

この記事では,入試数学コンテストで出題された問題のうち,確率・場合の数分野のものをまとめています。

易しめの問題から超難問まで,幅広い難易度の問題が揃っています。全ての問題に解答解説がついているので,日々の学習・演習に役立ててください。

確率・場合の数分野の問題を解くコツ

  • 確率や場合の数に対して,公式が少なく,その場で考えなくてはならないので好きになれない,と感じる方が多いようです。確かに他の分野に比べると典型的な問題が入試問題として出題されることは少なく,自分の力で考察することが要求されることが多い印象を受けます。

  • 確率や場合の数の一番のポイントは,効率よく数え上げる術を身につけることでしょう。入試は時間との戦いなので,いかに効率よくミスなく数え上げるかが重要です。

  • 確率漸化式の問題も頻出です。確率の問題が苦手な方は,漸化式についての知識も確認しておくとよいです。

  • 骨のある問題に多く触れ,1つの問題に対して多くの見方ができるように意識することも重要です。以下の当コンテストオリジナル問題とじっくり向き合い,思考力を養っていただければと思います。

第1回第2問

問題

動点Pは最初,三次元座標空間上の (0,0,0)(0,0,0) にあるとする。以下の操作A,B,Cを何度か行って移動することを考える。

(1)

操作A:xx座標を +1+1 する。ただし,xx+1+1 したことによって xx22 を超えてしまった場合,xx22 に戻す。

操作B:yy 座標を +1+1 する。ただし,yy+1+1 したことによって yy22 を超えてしまった場合,yy22 に戻す。

操作C:zz 座標を +1+1 する。ただし,zz+1+1 したことによって zz22 を超えてしまった場合,zz22 に戻す。

8回目の操作で,点Pがはじめて (2,2,2)(2,2,2) に辿り着くような操作の並べ方は何通りあるか求めよ。

(2) 操作A:xx 座標を +1+1 する。ただし,xx+1+1 したことによって xx33 を超えてしまった場合,xx33 に戻す。

操作B:yy 座標を +1+1 する。ただし,yy+1+1 したことによって yy33 を超えてしまった場合,yy33 に戻す。

操作C:zz 座標を +1+1 する。ただし,zz+1+1 したことによって zz33 を超えてしまった場合,zz33 に戻す。

15回目の操作で,点Pがはじめて (3,3,3)(3,3,3) に辿り着くような操作の並べ方は何通りあるか求めよ。

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第2回第1問

問題

n (n2)n \ (n \geq 2) 個のサイコロを同時に 11 回投げる。

出たすべての目の積を PP, 出たすべての目の最大公約数を GGとするとき, 以下の問いに答えよ。

(1) PP が偶数になる確率を求めよ。

(2) PP88 の倍数になる確率を求めよ。

(3) G=5G = 5 である確率を求めよ。

(4) G=3G = 3 である確率を求めよ。

(5) G=1G = 1 である確率を求めよ。

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第2回第6問

問題

nn22 以上の整数とする。

座席が nn 個ある飛行機に, nn 人の乗客が一列に並んで順番に乗ろうとしている。各乗客の座る席は決まっているが, 列の最初に並んでいた人が自分の席番号を忘れてしまった。そこで乗客たちは次の手順で座席に座ることにした。

  • 列の最初の人は, nn 個の席のうちひとつをランダムに選んで座る。
  • それ以外の乗客は, 自分の番が来たときに自分の席が空いていればそこに座り, そうでないときは空いている席のうちひとつをランダムに選んで座る。

ただし, 席をランダムに選ぶときは空いている席を等確率で選ぶとする。

(1) n=100n = 100 のとき, 列の最後に並んでいた人が自分の席に座る確率を求めよ。

(2) n=200n = 200 のとき, 列の 44 番目に並んでいた人が自分の席に座る確率を求めよ。

(3) kk2kn2 \leq k \leq n を満たす整数とするとき, 列の kk 番目に並んでいた人が自分の座席に座る確率を nnkk で表せ。

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第3回第2問

問題

「が」「く」「す」と書かれたカードが1枚ずつ、「こ」と書かれたカードが2枚、「う」と書かれたカードが3枚ある。これら8枚のカードを無作為に並べ、文字列を作ることを考える。

以下の問いに答えよ。

(1) 文字列が「こうこうすうがく」となる確率を求めよ。

(2) 文字列に「がく」が含まれる確率を求めよ。

(3) 文字列に「すうがく」が含まれる確率を求めよ。

(4) 文字列に「すうがく」が含まれるとき、文字列が「こうこうすうがく」である確率を求めよ。

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第4回第1問

問題

1と2を合わせて nn 個並べて,10進数で nn 桁の整数を作ることを考える。

例えば n=3n=3 のときは,111・112・121・122・211・212・221・222の8通りが考えられる。

(1) n=4n=4 のとき,何通りの整数がありうるか求めよ。

(2) 偶数は何通りできるか nn を用いて表せ。

(3) 3の倍数は何通りできるか nn を用いて表せ。

(4) n2n \geqq 2 のとき,最小の素因数が7以上である整数は何通りできるか nn を用いて表せ。

ただし整数 NN の素因数とは,NN を割り切る素数のことを意味する。

なお,解答欄 には n1n-1nn が入る。このどちらかを回答すること。

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第5回第1問

問題

サイコロを3回振り,出た目を順に a,b,ca,b,c とする。S=sinπasinπbcosπcS = \sin \dfrac{\pi}{a} \sin \dfrac{\pi}{b} \cos \dfrac{\pi}{c} とおく。

(1) 2π5=π3π52 \cdot \dfrac{\pi}{5} = \pi - 3 \cdot \dfrac{\pi}{5} を用いることで sinπ5\sin \dfrac{\pi}{5} を求めよ。

(2) S=0S=0 となる確率を求めよ。

(3) SS が整数となる確率を求めよ。

(4) SS が有理数となる確率を求めよ。

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第5回第4問

問題

非負整数 nn について,3種類の文字 ,{},\{\} から成る文字列 wnw_n を以下のように定める。

w0={}w_0=\{ \}

wn={w0,,wn1}w_n = \{ w_0, \dots , w_{n-1} \}

例えば w1={w0}={{}}w2={w0,w1}={{},{{}}}w3={w0,w1,w2}={{},{{}},{{},{{}}}}\begin{aligned} w_1 &= \{w_0\} = \{ \{\} \}\\ w_2 &= \{w_0,w_1\}\\ &= \{\{\} , \{ \{\} \} \}\\ w_3 &= \{ w_0,w_1,w_2 \}\\ &= \{ \{\} , \{ \{\} \} , \{\{\} , \{ \{\} \} \} \} \end{aligned} となる。

(1) wnw_n の文字数を lnl_n で表す。lnl_n を求めよ。

(2) wnw_n に含まれる ,{},\{\} の数をそれぞれ an,bn,cna_n,b_n,c_n とする。an,bn,cna_n,b_n,c_n を求めよ。

(3) wnw_n にあらわれる文字を左から vn(1),vn(2),,vn(ln)v_n (1) , v_n (2) , \cdots , v_n (l_n) とおく。1i<jln1 \leqq i < j \leqq l_n であり,vn(i)vn(j)v_n (i) v_n (j){}\{\} となる2整数 (i,j)(i,j) の選び方の総数を xnx_n とする。

例えば w0={}w_0 = \{\} より v0(1)={v_0 (1) = \{v0(2)=}v_0 (2) = \} であり,x0=1x_0 = 1 である。

w1={{}}w_1 = \{\{\}\} より v1(1)={v_1 (1) = \{v1(2)={v_1 (2) =\{v1(3)=}v_1 (3) =\}v1(4)=}v_1 (4) = \} である。このとき v1(1)v1(3)v_1 (1) v_1 (3)v1(1)v1(4)v_1 (1) v_1 (4)v1(2)v1(3)v_1 (2) v_1 (3)v1(2)v1(4)v_1 (2) v_1 (4){}\{\} となるため,x1=4x_1 = 4 である。

xnx_n を求めよ。

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