微分・積分・極限分野:練習問題一覧|入試数学コンテスト過去問集
この記事では,入試数学コンテストで出題された問題のうち,微分・積分・極限分野のものをまとめています。
易しめの問題から超難問まで,幅広い難易度の問題が揃っています。全ての問題に解答解説がついているので,日々の学習・演習に役立ててください。
微分・積分・極限分野の問題を解くコツ
第1回第4問
第1回第5問
第2回第4問
第3回第4問
第4回第5問
第5回第6問
第6回第5問
第7回第4問
第7回第6問
微分・積分・極限分野の問題を解くコツ
微積分や極限の分野では公式や定理が多く登場します。そのため,多くの学生の方々が暗記に逃げ,問題の「やり方」に固執します。
この方法で勉強しても,基礎的な問題は解けるようになりますが,応用問題には到底太刀打ちできるようになりません。 人に何を質問されても,はっきりと答えられるようにすることが重要です。
例えば,微分の定義をわかっているでしょうか?式を丸暗記しようとはしていませんか?微分の定義は一言で言えば,「平均の傾きの極限値」ですね。それがつまり接線の傾きになるわけです。このことを理解しておけば丸暗記なんて必要ありません。意味を考えればすぐに式が浮かんでくるはずです。
微積分の分野に登場する式を「読む」訓練をしてみましょう。式を計算できるからOKなんて言わず,この式にはどんなことを主張しているんだろう,と立ち止まって考えてみることも良い勉強になります。そうやって地道に思考を積み重ねていくと,問題も自然と解けるようになっていくはずです。
以下の当コンテストオリジナル問題には丁寧な解説が全てにつけられています。数学の多角的な見方を養うことのできる絶好のチャンスですので,ぜひ取り組んでみてください。
第1回第5問
個の区別できるボールが横一列に並んでいるとする。
全ての 対し,左から 番目にあるボールを左から 番目にうつすような操作を と表記する。このような操作を単に「操作」と呼ぶことにする。
例えば, のとき, で表される操作 は,左端のボールを中央に,中央のボールを右端に,右端のボールを左端に動かす操作である。
自然数 に対し,「ちょうど2回行うとボールの並びが元の並びと同じになる」という条件を満たす操作の個数を とおく。
例えば, のとき, で表される操作 は条件を満たすが, で表される操作 は条件を満たさない。
(1) のとき, を と を用いて表せ。
(2)
を求めよ。
第2回第4問
を原点とする 平面を考える。直線 上に点 を取る。直線 の の部分に を満たす点 が存在するとき, 以下の問いに答えよ。
(1) 直線 と 軸がなす角を, 軸の正方向から反時計回りを正として測って とする。 とするとき, を を用いて表せ。
(2) 点 が直線 上をくまなく動くとき, 点 の軌跡を とする。曲線 の 座標の最大値を求めよ。
(3) 曲線 によって囲まれる領域の面積を求めよ。
第3回第4問
を正の定数, とする。いま,曲線 上に点 をとり,点 における の接線 をひいたところ, は の法線になった。
以下の問いに答えよ。
(1) と の共有点のうち,点 でない点を点 とする。点 の 座標を を用いて表せ。
(2) 条件を満たす点 の取り方が存在するような の条件を求めよ。
(3) を を用いて表せ。
(4) が (2) の条件を満たしながら動くとき, と で囲まれた部分の面積の最小値を求めよ。
第4回第5問
を1以上の実数とする。座標平面上に四次関数のグラフ と 軸との交点が となる二次関数のグラフ がある。 と は異なる2点で接している。
(1) を なる2つの実数とする。このとき,
という式が成立する。 を求めよ。
(2) と の接点の 座標を ()とする。このとき と を求めよ。
(3) と によって囲われた領域の面積を とする。 が0以外の実数に収束する実数 とその収束値を求めよ。
第7回第4問
実数 に対し,3次関数 が次の条件を満たしている。
- 3次の係数は である
- に対して を満たす
(1) を を用いて表せ。
以下 は
- が極値を持たない
ような範囲を動くとする。
(2) の取りうる値の範囲を求めよ。
(3) を正の定数とする。実数 が を満たしながら動くとき, の取りうる値の範囲を求めよ。
(4) と に囲まれた部分の面積を とするとき, の取りうる値の範囲を求めよ。
第7回第6問
とする。 空間において立体 を次のように定義する。
- :中心 ,半径 である 平面内の円盤を 軸中心に1回転させてできるドーナツ状の立体。
- :中心 ,半径 である 平面内の円盤を 軸中心に1回転させてできるドーナツ状の立体。
- :中心 ,半径 である 平面内の円盤を 軸中心に1回転させてできるドーナツ状の立体。
の体積を とおく。
(1) のとき, の表面積と体積をそれぞれ を用いて表せ。
(2) が0でない実数値に収束するような実数 を求め,そのときの極限値を求めよ。
(3) が0でない実数値に収束するような実数 を求め,そのときの極限値を求めよ。
(4) であるための必要十分条件を を用いて表せ。