数列分野:練習問題一覧|入試数学コンテスト過去問集

この記事では,入試数学コンテストで出題された問題のうち,数列分野のものをまとめています。

易しめの問題から超難問まで,幅広い難易度の問題が揃っています。全ての問題に解答解説がついているので,日々の学習・演習に役立ててください。

数列分野(漸化式)の問題を解くコツ

  • 数列分野で最も重要なものの1つが漸化式です。まずは漸化式をきちんと立てることが大事です。漸化式を立てるときは,遷移図を描くと見通しがよくなります。

  • 漸化式を解くコツですが,

    • まずは基本的なパターンを覚えるのが大事です。漸化式の解き方12パターンと応用例まとめ を読んでみてください。
    • また,漸化式中に累乗や階乗など,変数 nn が式中に現れると難しくなります。この場合,階乗など扱いにくい部分が消えるように,bn=2nanb_n = 2^n a_n などと置換すると解きやすくなります。
    • 正攻法ではどうしても計算できない漸化式もあります。一般項を予想して数学的帰納法でうまくいく場合もあります。f(n)を含む二項間漸化式の2通りの解法もチェックしてみてください。
  • 極限分野との融合問題においては,数列の項を具体的に求める必要はなく,不等式で評価しはさみうちの法則を使わせる問題もあります。漸化式で表される数列の極限のような話題もあります。

  • トリッキーな漸化式の問題に関しては経験を積むと対処しやすくなります。時間がかかるように思うかもしれませんが,練習問題などをしっかりと解いていくのが近道です。急がば回れですね。

第1回第3問

問題

実数 xx に対して kx<k+1k \leq x < k+1 を満たす整数 kk[x][x] で表す。

以下の値をそれぞれ計算せよ。

(1) n=1491[n]\sum_{n = 1}^{49} \dfrac{1}{\left[\sqrt{n}\right]} (2) n=11000000[n[n]]\sum_{n = 1}^{1000000} \left[\dfrac{n}{\left[\sqrt{n}\right]}\right]

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第1回第5問

問題

nn 個の区別できるボールが横一列に並んでいるとする。

全ての ii 対し,左から ii 番目にあるボールを左から kik_i 番目にうつすような操作を (123n1nk1k2k3kn1kn) \left(\begin{array}{cccccc} 1 & 2 & 3 & \cdots & n-1 & n\\ k_1 & k_2 & k_3 & \cdots & k_{n-1} & k_n \end{array}\right) と表記する。このような操作を単に「操作」と呼ぶことにする。

例えば,n=3n = 3 のとき, σ=(123231) \sigma = \left(\begin{array}{ccc} 1 & 2 & 3\\ 2 & 3 & 1 \end{array}\right) で表される操作 σ\sigma は,左端のボールを中央に,中央のボールを右端に,右端のボールを左端に動かす操作である。

自然数 nn に対し,「ちょうど2回行うとボールの並びが元の並びと同じになる」という条件を満たす操作の個数を ana_n とおく。

例えば,n=3n = 3 のとき, τ=(123213) \tau = \left(\begin{array}{ccc} 1 & 2 & 3\\ 2 & 1 & 3 \end{array}\right) で表される操作 τ\tau は条件を満たすが, σ=(123231) \sigma = \left(\begin{array}{ccc} 1 & 2 & 3\\ 2 & 3 & 1 \end{array}\right) で表される操作 σ\sigma は条件を満たさない。

(1) n3n \geq 3 のとき,ana_nan1a_{n-1}an2a_{n-2} を用いて表せ。

(2) limnloganlogn! \lim_{n \to \infty} \dfrac{\log a_n}{\log n!}

を求めよ。

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第4回第1問

問題

1と2を合わせて nn 個並べて,10進数で nn 桁の整数を作ることを考える。

例えば n=3n=3 のときは,111・112・121・122・211・212・221・222の8通りが考えられる。

(1) n=4n=4 のとき,何通りの整数がありうるか求めよ。

(2) 偶数は何通りできるか nn を用いて表せ。

(3) 3の倍数は何通りできるか nn を用いて表せ。

(4) n2n \geqq 2 のとき,最小の素因数が7以上である整数は何通りできるか nn を用いて表せ。

ただし整数 NN の素因数とは,NN を割り切る素数のことを意味する。

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第5回第4問

問題

非負整数 nn について,3種類の文字 ,{},\{\} から成る文字列 wnw_n を以下のように定める。

w0={}w_0=\{ \}

wn={w0,,wn1}w_n = \{ w_0, \dots , w_{n-1} \}

例えば w1={w0}={{}}w2={w0,w1}={{},{{}}}w3={w0,w1,w2}={{},{{}},{{},{{}}}}\begin{aligned} w_1 &= \{w_0\} = \{ \{\} \}\\ w_2 &= \{w_0,w_1\}\\ &= \{\{\} , \{ \{\} \} \}\\ w_3 &= \{ w_0,w_1,w_2 \}\\ &= \{ \{\} , \{ \{\} \} , \{\{\} , \{ \{\} \} \} \} \end{aligned} となる。

(1) wnw_n の文字数を lnl_n で表す。lnl_n を求めよ。

(2) wnw_n に含まれる ,{},\{\} の数をそれぞれ an,bn,cna_n,b_n,c_n とする。an,bn,cna_n,b_n,c_n を求めよ。

(3) wnw_n にあらわれる文字を左から vn(1),vn(2),,vn(ln)v_n (1) , v_n (2) , \cdots , v_n (l_n) とおく。1i<jln1 \leqq i < j \leqq l_n であり,vn(i)vn(j)v_n (i) v_n (j){}\{\} となる2整数 (i,j)(i,j) の選び方の総数を xnx_n とする。

例えば w0={}w_0 = \{\} より v0(1)={v_0 (1) = \{v0(2)=}v_0 (2) = \} であり,x0=1x_0 = 1 である。

w1={{}}w_1 = \{\{\}\} より v1(1)={v_1 (1) = \{v1(2)={v_1 (2) =\{v1(3)=}v_1 (3) =\}v1(4)=}v_1 (4) = \} である。このとき v1(1)v1(3)v_1 (1) v_1 (3)v1(1)v1(4)v_1 (1) v_1 (4)v1(2)v1(3)v_1 (2) v_1 (3)v1(2)v1(4)v_1 (2) v_1 (4){}\{\} となるため,x1=4x_1 = 4 である。

xnx_n を求めよ。

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第7回第1問

問題

二次方程式 x2x1=0x^2-x-1=0 の異なる2つの実数解をそれぞれ α,β\alpha, \beta とする。

(1) α+β\alpha+\beta の値を求めよ。

(2) α10+β10\alpha^{10}+\beta^{10} の値を求めよ。

(3) α+β,α2+β2,α3+β3,,α2022+β2022\alpha+\beta, \alpha^2+\beta^2, \alpha^3+\beta^3, \cdots , \alpha^{2022}+\beta^{2022} の2022個の実数のうち,整数であって3の倍数であるもの個数を求めよ。

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第7回第3問

問題

時刻 00 で点 P\mathrm{P}xyxy 平面上 (0,0)(0,0) にある。点 P\mathrm{P}11 秒ごとに次のルールに従って移動する。

P\mathrm{P}(a,b)(a,b) にあるとき,

  • 確率 pp(a+1,b)(a+1,b) に移動する。
  • 確率 qq(a+1,b+1)(a+1,b+1) に移動する。
  • 確率 1pq1-p-q(a,b+1)(a,b+1) に移動する。

なお,p,q,1pqp,q,1-p-q は非負実数である。

整数 k,lk,l に対して,時刻 nn に点 P\mathrm{P}(k,l)(k,l) にある確率を Pn(k,l)P_n (k,l) とおく。

今,an,bna_n,b_n を次のように定める。

an=k=0nl=0n(k×Pn(k,l))bn=k=0nl=0n(l×Pn(k,l)) a_n = \sum_{k = 0}^{n}\sum_{l=0}^{n} \left(k \times P_n (k,l)\right)\\ b_n = \sum_{k=0}^{n}\sum_{l=0}^{n} \left(l \times P_n (k,l)\right)

(1) P2(1,0)P_2(1,0)P2(1,1)P_2(1,1)P2(1,2)P_2(1,2) を求めよ。

(2) 0in0\le i \le n なる整数 ii について k=0nPn(i,k)\displaystyle\sum_{k=0}^{n} P_n(i,k) を求めよ。

(3) 実数 x,yx,y についてi=0ninCixiyni\sum_{i=0}^n i{}_n \mathrm{C}_i x^i y^{n-i}\sum を使わない形で表せ。

(4) an,bna_n , b_n を求めよ。

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