一次分数型の漸化式の解法と例題

an+1=Aan+BCan+D(C0)a_{n+1}=\dfrac{Aa_{n}+B}{Ca_n+D}\:(C\neq 0) という漸化式で表される数列の一般項を求める問題を考えます。

B=0B=0 の場合の解法

B=0B=0 の場合は簡単です。漸化式は an+1=AanCan+Da_{n+1}=\dfrac{Aa_{n}}{Ca_n+D} となります。逆数を取ると

1an+1=Can+DAan=CA+DAan\dfrac{1}{a_{n+1}}=\dfrac{Ca_n+D}{Aa_n}=\dfrac{C}{A}+\dfrac{D}{Aa_n}

となるので(1an=bn\frac{1}{a_n}=b_n とおくことで)

bn+1=pbn+qb_{n+1}=pb_n+q 型の漸化式に帰着できます。

例題

a1=1a_1=1an+1=2anan+4a_{n+1}=\dfrac{2a_n}{a_n+4}

で表される数列の一般項を求めよ。

解答

帰納的に an0a_n\neq 0 が分かるので漸化式の逆数を取ると

1an+1=12+2an\dfrac{1}{a_{n+1}}=\dfrac{1}{2}+\dfrac{2}{a_n}

となる。1an=bn\dfrac{1}{a_n}=b_n とおくと,

bn+1=2bn+12b_{n+1}=2b_n+\dfrac{1}{2}

特性方程式 α=2α+12\alpha=2\alpha+\dfrac{1}{2} の解は α=12\alpha=-\dfrac{1}{2} であり,

bn+1+12=2(bn+12)b_{n+1}+\dfrac{1}{2}=2\left(b_n+\dfrac{1}{2}\right) と変形できる。

よって,数列 {bn+12}\left\{b_n+\dfrac{1}{2}\right\} は初項が 1+12=321+\dfrac{1}{2}=\dfrac{3}{2},公比 22 の等比数列であるので

bn+12=32n2b_n+\dfrac{1}{2}=3\cdot 2^{n-2}

よって,an=132n212=232n11a_n=\dfrac{1}{3\cdot 2^{n-2}-\frac{1}{2}}=\dfrac{2}{3\cdot 2^{n-1}-1}

高校数学の問題集 ~最短で得点力を上げるために~ のT169では,関連する問題と計算ミスを減らすコツを紹介しています。

B0B\neq 0 の場合の解法

B0B\neq 0 の場合は平行移動することによって B=0B=0 の場合に帰着させます。

具体的には,特性方程式 x=Ax+BCx+Dx=\dfrac{Ax+B}{Cx+D} の解の(好きな方)1つを α\alpha として数列 {anα}\{a_n-\alpha\} を考えます。

例題2

a1=4a_1=4an+1=5an3an+1a_{n+1}=\dfrac{5a_n-3}{a_n+1}

で表される数列の一般項を求めよ。

解答

まずは方程式 x=5x3x+1x=\dfrac{5x-3}{x+1} を解く。

x(x+1)=5x3x(x+1)=5x-3

x24x+3=0x^2-4x+3=0

x=1,3x=1,3

α=3\alpha=3 としてみる。 bn=an3b_n=a_n-3 とおくと,

bn+1=an+13=5an3an+13=2an6an+1=2bnbn+4b_{n+1}=a_{n+1}-3\\ =\dfrac{5a_n-3}{a_n+1}-3\\ =\dfrac{2a_n-6}{a_n+1}\\ =\dfrac{2b_n}{b_n+4}

となる。また,b1=1b_1=1 であるので,例題1の結果より,

bn=232n11b_n=\dfrac{2}{3\cdot 2^{n-1}-1}

よって,an=bn+3=92n1132n11a_n=b_n+3=\dfrac{9\cdot 2^{n-1}-1}{3\cdot 2^{n-1}-1}

補足(なぜこの方法でうまくいくのか)

α=Aα+BCα+D\alpha=\dfrac{A\alpha+B}{C\alpha+D} のとき,

(an+1α)=(ADBC)(anα)C(Cα+D)(anα)+(Cα+D)2(a_{n+1}-\alpha)=\dfrac{(AD-BC)(a_n-\alpha)}{C(C\alpha+D)(a_n-\alpha)+(C\alpha+D)^2}

となり(簡単な計算で分かる),B=0B=0 の場合に帰着できることが分かります。

別の方法

特性方程式 x=Ax+BCx+Dx=\dfrac{Ax+B}{Cx+D} に異なる2つの解 α,β\alpha,\beta が存在するとき,数列 {anαanβ}\left\{\dfrac{a_n-\alpha}{a_n-\beta}\right\} は等比数列となる(*)ということを使ってもOKです。

(*)の証明の概略

さきほどの補足の式を使うと,

an+1αan+1β=anαanβCβ+DCα+D\dfrac{a_{n+1}-\alpha}{a_{n+1}-\beta}=\dfrac{a_n-\alpha}{a_n-\beta}\cdot\dfrac{C\beta+D}{C\alpha+D}

が分かる。

ただし,この方法は重解のときは使えません。

例題2(再掲)

a1=4a_1=4an+1=5an3an+1a_{n+1}=\dfrac{5a_n-3}{a_n+1}

で表される数列の一般項を求めよ。

解答

x=5x3x+1x=\dfrac{5x-3}{x+1} の解は x=1,3x=1,3 であったので,bn=an3an1b_n=\dfrac{a_n-3}{a_n-1} とおくと,

bn+1=5an3an+135an3an+11=2an64an4=12an3an1=12bnb_{n+1}=\dfrac{\frac{5a_n-3}{a_n+1}-3}{\frac{5a_n-3}{a_n+1}-1}\\ =\dfrac{2a_n-6}{4a_n-4}\\ =\dfrac{1}{2}\cdot\dfrac{a_n-3}{a_n-1}\\ =\dfrac{1}{2}b_n

よって,b1=13b_1=\dfrac{1}{3} より bn=132n1b_n=\dfrac{1}{3\cdot 2^{n-1}}

an3an1=132n1\dfrac{a_n-3}{a_n-1}=\dfrac{1}{3\cdot 2^{n-1}}ana_n について解くと,an=92n1132n11a_n=\dfrac{9\cdot 2^{n-1}-1}{3\cdot 2^{n-1}-1}

平行移動して逆数を取ってもう一度平行移動すると単なる等比数列になるということです。

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