一次分数型の漸化式の解法と例題
という漸化式は,
- なら逆数を取る
- なら平行移動して に帰着させる
と解ける。計算はそこそこ大変。
1次分数型漸化式の解き方をわかりやすく説明します。 の場合は2通りの解き方があります。
の場合の解法
の場合の解法
の場合は簡単です。漸化式は となります。逆数を取ると となるので( とおくことで) という形の漸化式に帰着できます。
で表される数列の一般項を求めよ。
帰納的に が分かるので漸化式の逆数を取ると, となる。 とおくと, 特性方程式 の解は であり, と変形できる。
よって,数列 は初項が ,公比 の等比数列であるので よって,
最短で得点力を上げる!高校数学の問題集〈典型250問〉 の問題168では,関連する問題と計算ミスを減らすコツを紹介しています。
の場合の解法
の場合の解法
の場合は平行移動することで の場合に帰着させます。
具体的には,特性方程式 の解の(好きな方)1つを として数列 を考えます。
で表される数列の一般項を求めよ。
まずは方程式 を解く。 としてみる。 とおくと, となる。また, であるので,例題1の結果より, よって,
のとき, となり(簡単な計算で分かる), の場合に帰着できることが分かります。
別の方法
別の方法
特性方程式 に異なる2つの解 が存在するとき,数列 は等比数列となる(*)ということを使ってもOKです。
さきほどの補足の式を使うと, が分かる。
ただし,この方法は重解のときは使えません。
で表される数列の一般項を求めよ。
の解は であったので, とおくと, よって, より を について解くと,
平行移動して逆数を取ってもう一度平行移動すると単なる等比数列になるということです。