入試数学コンテスト第1回第3問解答解説

第3問[数列]

第3問

実数 xx に対して kx<k+1k \leq x < k+1 を満たす整数 kk[x][x] で表す。

以下の値をそれぞれ計算せよ。

(1) n=1491[n]\sum_{n = 1}^{49} \dfrac{1}{\left[\sqrt{n}\right]} (2) n=11000000[n[n]]\sum_{n = 1}^{1000000} \left[\dfrac{n}{\left[\sqrt{n}\right]}\right]

第3問は数Bの数列分野からの出題です。(2)が見た目からもわかる通り非常に難しい問題となっているので,誘導であると考えられる(1)を解きながら(2)もしっかりと解けるように頑張りましょう。

まずは(1)です。この問題は書き出せば解くことができるので確実に点数をゲットしたい問題です。

第3問(1)

k2x<(k+1)2k^2 \leqq x < (k+1)^2 を満たす整数 xx について

x=k2(k+1)211[x]=(k+1)2k2k\sum_{x = k^2}^{(k+1)^2-1} \dfrac{1}{\left[\sqrt{x}\right]} = \dfrac{(k+1)^2-k^{2}}{k}

であるので,

n=1491[n]=k=16(k+1)2k2k+17\sum_{n = 1}^{49} \dfrac{1}{\left[\sqrt{n}\right]} = \sum_{k = 1}^{6} \dfrac{(k+1)^2-k^{2}}{k} + \dfrac{1}{7}

と読み替えることができ,これを計算すると

2043140\dfrac{2043}{140}

であるとわかる。

今回の問題ではもし解答のような規則に気づくことができなくても 4949 個を書き出すことで解くことができます。

次に(2)です。

これは少し(1)と形が似ているのでなにか関連性があるのではないかと考えながら進めていきましょう。

第3問(2)

an=[n[n]]a_n = \left[\dfrac{n}{\left[\sqrt{n}\right]}\right] とおき,初項がal2a_{l^2},末項がa(l+1)21a_{(l+1)^2-1}のものを第 ll 群としてそれぞれの群に分割する。 al2=la_{l^2} = l であるので,第 ll 群の中身は [l2l],[l2+1l],[l2+2ll]\left[\dfrac{l^2}{l}\right],\left[\dfrac{l^2+1}{l}\right],\cdots \left[\dfrac{l^2+2l}{l}\right] である。 分子を kk と置いた時, l2k<l2+ll^2 \leqq k \lt l^2+lの時, [kl]=l\left[\dfrac{k}{l}\right] = l l2+lk<l2+2ll^2 + l \leqq k \lt l^2+2lの時, [kl]=l+1\left[\dfrac{k}{l}\right] = l + 1 k=l2+2lk = l^2+2lの時, [kl]=l+2\left[\dfrac{k}{l}\right] = l + 2 であるから,第 ll 群の総和は l×l+l×(l+1)+l+2=2l2+2l+2l \times l + l \times (l+1) + l+2 = 2l^2 + 2l + 2 と考えることができるので, n=11000000[n[n]] =n=1999(2l2+2l+2)+1000\sum_{n = 1}^{1000000} \left[\dfrac{n}{\left[\sqrt{n}\right]}\right]  = \sum_{n = 1}^{999} \left(2l^2 + 2l + 2 \right) + 1000 と変形することができる。 これを計算すると, 666668998666668998 であるとわかる。

この問題のポイントは与えられた計算式を解釈しなおして自分が計算しやすい形にすることです。 問題の法則を見つけ出すためにはしっかりと書き出して自分の中で分類することが重要になってくるので,困った時にはまず書き出すことでしっかりと問題の構造を考えましょう。

配点 25点

(1)

[5点] 2043140 \dfrac{2043}{140}

(2)

[20点] 666668998 666668998

平均点 (1) (2)
X 5.2 2.3 2.9
Y 7.3 3.0 4.2
Z 11.5 3.3 8.2