第1問
二次方程式 x2−x−1=0 の異なる2つの実数解をそれぞれ α,β とする。
(1) α+β の値を求めよ。
(2) α10+β10 の値を求めよ。
(3) α+β,α2+β2,α3+β3,⋯,α2022+β2022 の2022個の実数のうち,整数であって3の倍数であるもの個数を求めよ。
第1問 (2)
α,β は x2−x−1=0 の解であるため,それぞれ α2=α+1,β2=β+1 を満たすので,
αn+2=αn+1+αn,βn+2=βn+1+βn
となる。よって
(αn+2+βn+2)=(αn+1+βn+1)+(αn+βn)
である。すなわち cn=αn+βn とおくと数列 {cn} は
cn+2=cn+1+cn
を満たす。
(1) より c1=α+β=1 である。また c2=α2+β2=(α+β)2−2αβ=3 である。こうして帰納的に
c3=c2+c1=3+1=4c4=c3+c2=4+3=7c5=c4+c3=7+4=11c6=c5+c4=11+7=18c7=c6+c5=18+11=29c8=c7+c6=29+18=47c9=c8+c7=47+29=76c10=c9+c8=76+47=123
と計算され,求める値は c10=123 である。
第1問 (3)
cn+2 を3で割った余りは,cn+1 を3で割った余りと cn を3で割った余りを足したもの(を3で割った余り)である。よって漸化式から,数列 {cn} を 3 で割った余りを計算すると
1,0,1,1,2,0,2,2,1,0,1,1,2,0,2,2,1,0,1,1,2,0,2,⋯
のように 1,0,1,1,2,0,2,2 を周期とするがわかる。この 0 の項が3の倍数の項である。
2022=8×252+6 であるから, 数列 {cn} の1項目から2022項目の中に252回上記の周期が含まれることになる。こうして2016項目までに 252×2=504 個の3の倍数が現れる。
ちょうど 2×252+2=506 個の 3 の倍数が存在することがわかる。周期の2番目,6番目に3の倍数が現れるため,2017項目から2022項目までの間に2こ3の倍数が現れる。
こうして求めるものは 506 とわかる。