三角関数分野:練習問題一覧|入試数学コンテスト過去問集

この記事では,入試数学コンテストで出題された問題のうち,三角関数分野のものをまとめています。

易しめの問題から超難問まで,幅広い難易度の問題が揃っています。全ての問題に解答解説がついているので,日々の学習・演習に役立ててください。

三角関数の問題を解くコツ

三角関数は,sin,cos\sin, \cos などのいかめしい記号に加え,公式が多いため,苦手な生徒が多い印象です。しかし,基礎をしっかり理解していればそれほど難しい分野ではありません。特に加法定理周りの公式はすべて覚えるのではなく,導けるようにしておくことが大事です。 本番で公式を忘れてしまってもすぐに導出できますし,覚え間違いのミスも減らすことができます。また,何回も導出していると勝手に体が覚えてくれます。

三角関数の問題は結局他の分野の問題(特に最大値最小値問題)に帰着されることが多いです。三角関数の問題で詰まったときは,他の分野で抜けている部分がないかも確認しましょう。

第1回第1問

問題

a,ba,b は実数とする。 θ\theta の方程式 cos2θ+asinθ+b1=0\cos^2 \theta + a \sin \theta + b - 1 = 0 に関して,

(1) a=1a=1 のとき, 0θπ0 \leqq \theta \leqq \pi の範囲に相異なる4つの解を持つような bb の値の範囲を求めよ。

(2) 0θ32π0 \leqq \theta \leqq \dfrac{3}{2}\pi の範囲に相異なる解を少なくとも2つ持つような a,ba,b に対し, abab の取りうる値の範囲を求めよ。

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第3回第1問

問題

次のような関数 f(θ)f(\theta) を考える。

f(θ)=2sinθcosθ+2sinθ+2cosθ1(0θπ) f(\theta) = 2\sin \theta \cos \theta +\sqrt{2} \sin \theta +\sqrt{2} \cos \theta -1 \quad (0 \leqq \theta \leqq \pi)

以下の問いに答えよ。

(1) sinθ+cosθ=t\sin \theta + \cos \theta = t とおくとき,f(θ)f(\theta)tt の式で表せ。また tt の取りうる範囲を求めよ。

(2) f(θ)f(\theta) の最大値および最小値を求めよ。

(3) θ\theta についての方程式 f(θ)=bf(\theta) = b の解がちょうど2つとなるような bb の範囲を求めよ。

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第5回第1問

問題

サイコロを3回振り,出た目を順に a,b,ca,b,c とする。S=sinπasinπbcosπcS = \sin \dfrac{\pi}{a} \sin \dfrac{\pi}{b} \cos \dfrac{\pi}{c} とおく。

(1) 2π5=π3π52 \cdot \dfrac{\pi}{5} = \pi - 3 \cdot \dfrac{\pi}{5} を用いることで sinπ5\sin \dfrac{\pi}{5} を求めよ。

(2) S=0S=0 となる確率を求めよ。

(3) SS が整数となる確率を求めよ。

(4) SS が有理数となる確率を求めよ。

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第5回第2問

問題

四角形 ABCD\mathrm{ABCD} は円に内接し,AB=22,BC=3,CD=2,DA=1\mathrm{AB} = 2\sqrt{2},\mathrm{BC} = 3,\mathrm{CD} = \sqrt{2} ,\mathrm{DA} = 1 である。このとき次の問いに答えよ。

(1) ABC+CDA\angle \mathrm{ABC} + \angle \mathrm{CDA} を求めよ。なお度数法を用いること。

(2) ABC\angle \mathrm{ABC} を求めよ。なお度数法を用いること。

(3) BD\mathrm{BD} を求めよ。

(4) 辺 AC\mathrm{AC} と辺 BD\mathrm{BD} の交点を H\mathrm{H} とする。AHD\angle \mathrm{AHD} を求めよ。なお度数法を用いること。

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第7回第5問

問題

実数 yy に対して tanx=y\tan x = y を満たす実数 π2<x<π2-\dfrac{\pi}{2} < x < \dfrac{\pi}{2}θ(y)\theta (y) によってあらわす。

例えば,θ(1)=π4\theta (1) = \dfrac{\pi}{4}θ(0)=0\theta (0) = 0 である。

(1) θ(3)\theta (\sqrt{3}) を求めよ。

(2) m,nm,nm>n2m > n \geqq 2 となる整数とする。このとき方程式 θ(1m)+θ(1n)=π4 \theta \left( \dfrac{1}{m} \right) + \theta \left( \dfrac{1}{n} \right) = \dfrac{\pi}{4} を満たす (m,n)(m,n) を求めよ。

(3) m,nm,n22 以上の整数とする。このとき方程式 2θ(1m)θ(1n)=π4 2\theta \left( \dfrac{1}{m} \right) - \theta \left( \dfrac{1}{n} \right) = \dfrac{\pi}{4} を満たす (m,n)(m,n) を求めよ。

(4) xx を有理数,nn22 以上の整数とする。このとき方程式 2θ(x)θ(1n)=π4 2\theta \left( x \right) - \theta \left( \dfrac{1}{n} \right) = \dfrac{\pi}{4} を満たす (x,n)(x,n) に現れる nn を小さい順に3つ求めよ。

なお,問題を解く上で次の事実を用いてよい。

  • 整数の数列 {xk},{yk}\{x_k\} , \{y_k\}(1+2)k=xk+yk2(1+\sqrt{2})^k = x_k +y_k \sqrt{2} により定義したとき,x22y2=±1x^2 - 2y^2 = \pm 1 の整数解は (xk,yk)(x_k , y_k) によって得られる。また (xk,yk)(x_k ,y_k) に現れる数字以外に解となる数は存在しない。

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