入試数学コンテスト第3回第1問解答解説

第1問 [三角関数・二次方程式]

第1問

次のような関数 f(θ)f(\theta) を考える。

f(θ)=2sin⁡θcos⁡θ+2sin⁡θ+2cos⁡θ−1(0≦θ≦π) f(\theta) = 2\sin \theta \cos \theta +\sqrt{2} \sin \theta +\sqrt{2} \cos \theta -1 \quad (0 \leqq \theta \leqq \pi)

以下の問いに答えよ。

(1) sin⁡θ+cos⁡θ=t\sin \theta + \cos \theta = t とおくとき,f(θ)f(\theta) を tt の式で表せ。また tt の取りうる範囲を求めよ。

(2) f(θ)f(\theta) の最大値および最小値を求めよ。

(3) θ\theta についての方程式 f(θ)=bf(\theta) = b の解がちょうど2つとなるような bb の範囲を求めよ。

第1問は三角関数の問題です。変数を取り換えることにより二次関数に帰着する基本的な問題です。

第1問(1)

t2=(sin⁡θ+cos⁡θ)2=2sin⁡θcos⁡θ+1t^2 = (\sin \theta + \cos \theta)^2 = 2\sin \theta \cos \theta +1 である。これを代入することで

f(θ)=2sin⁡θcos⁡θ+2sin⁡θ+2cos⁡θ−1=t2−1+2t−1=t2+2t−2\begin{aligned} f(\theta) &= 2\sin \theta \cos \theta +\sqrt{2} \sin \theta +\sqrt{2} \cos \theta -1\\ &=t^2-1 + \sqrt{2} t -1\\ &=t^2 +\sqrt{2} t -2 \end{aligned} が得られる。また t=sin⁡θ+cos⁡θ=2sin⁡(θ+π4) t = \sin \theta + \cos \theta = \sqrt{2} \sin \left( \theta + \dfrac{\pi}{4} \right) である。

0≦θ<π0 \leqq \theta < \pi より π4≦θ+π4<54π\dfrac{\pi}{4} \leqq \theta + \dfrac{\pi}{4} < \dfrac{5}{4} \pi である。よって求める範囲は −1≦t≦2- 1 \leqq t \leqq \sqrt{2} である。

t=sin⁡θ+cos⁡θt = \sin \theta + \cos \theta のグラフは次のようになる。

mathcontest_2109_01

解

t2−2+2tt^2 -2 +\sqrt{2} t,−1≦t≦2- 1 \leqq t \leqq \sqrt{2}

三角関数の合成をすることで扱いやすい形にし,tt の範囲を求めます。

三角関数の合成のやり方・証明・応用 も確認してみてください。

第1問(2)

(1)より f(θ)=(t+22)2−52 f(\theta) = \left(t + \dfrac{\sqrt{2}}{2} \right)^2 - \dfrac{5}{2} である。

tt の範囲は −1≦t≦2-1 \leqq t \leqq \sqrt{2} であった。f(θ)f(\theta) は tt に関する2次方程式で,x2x^2 の係数は正である。したがって t=−22t=-\dfrac{\sqrt{2}}{2} のとき最小値 −52-\dfrac{5}{2} を取る。

最大値を取るのは t=−1t = -1 のときか t=2t = \sqrt{2} のときである。

t=−1t = -1 のとき f(θ)=−1−2f(\theta) = -1-\sqrt{2},t=2t = \sqrt{2} のとき f(θ)=2f(\theta) = 2 となる。よって t=2t = \sqrt{2} のとき最大値 22 を取る。

横軸を tt 軸とした y=f(θ)y = f (\theta) のグラフは次のようになる。

mathcontest_2109_02

解

最大値22,最小値−52-\dfrac{5}{2}

tt の範囲に気を付けましょう。このタイプの問題には大きく2通りのミスが考えられます。

  1. 頂点のことを忘れて tt の取りうる範囲の端だけを計算してしまうパターン
  2. 頂点が最小値(最大値)を取ると思い込み,頂点が tt の範囲の外であることに気付かないパターン

今回は 22\dfrac{\sqrt{2}}{2} が tt の取りうる範囲に含まれていたので,2のタイプのミスに気付かないまま正答してしまった人もいたかもしれません。グラフを正確に描くなどしてケアレスミスをなくしましょう。

第1問(3)

(1)の結果より,1≦t<21 \leqq t < \sqrt{2} となる θ\theta は2つ,t=2,−1≦t<1t= \sqrt{2}, -1 \leqq t < 1 となる θ\theta は1つであることがわかる。

1≦t<21 \leqq t <\sqrt{2} のとき,t2+2t−2=bt^2 +\sqrt{2} t -2 = b の解は1つであるが,tt に対して2つの θ\theta が対応するため,f(θ)=bf(\theta) =b は2つの解を持つことになる。このときの bb の範囲は 2−1≦b<2\sqrt{2} -1 \leqq b < 2 である。

(2)のグラフより −52<b≦−1−2-\dfrac{5}{2} < b \leqq -1-\sqrt{2} のとき t2+2t−2=bt^2 +\sqrt{2} t -2 = b の解は2つあり,その範囲の tt に対して θ\theta はちょうど1つ存在する。したがってこの場合において f(θ)=bf(\theta) = b の解となる θ\theta は2つある。

以上より求める範囲は −52<b≦−1−2,2−1≦b<2-\dfrac{5}{2} < b \leqq -1-\sqrt{2} ,\sqrt{2}-1 \leqq b < 2である。

解

−52<b≦−1−2,2−1≦b<2-\dfrac{5}{2} < b \leqq -1-\sqrt{2} ,\sqrt{2}-1 \leqq b <2

(1)と(2)を組み合わせる問題です。

「t2+2t−2=bt^2 +\sqrt{2} t -2 = b の解自体は1つだが θ\theta の方程式として見た場合は解が2つになる」というケースが厄介です。しかし,グラフをうまく活用することで,見通しが良くなります。