正多角形の内接円の半径・外接円の半径

更新日時 2023/09/16

1辺の長さが aa である正多角形の内接円の半径外接円の半径を考えます。 内接円と外接円の半径

内接円の半径
  • 正三角形の内接円の半径36a0.289a\dfrac{\sqrt{3}}{6}a\fallingdotseq 0.289a
  • 正方形の内接円の半径は 12a=0.5a\dfrac{1}{2}a=0.5a
  • 正五角形は 12525a0.688a\dfrac{1}{2\sqrt{5-2\sqrt{5}}}a\fallingdotseq 0.688a
  • 正六角形は 32a0.866a\dfrac{\sqrt{3}}{2}a\fallingdotseq 0.866a
  • 正八角形は 2+12a1.207a\dfrac{\sqrt{2}+1}{2}a\fallingdotseq 1.207a
外接円の半径
  • 正三角形の外接円の半径33a0.577a\dfrac{\sqrt{3}}{3}a\fallingdotseq 0.577a
  • 正方形の外接円の半径は 22a0.707a\dfrac{\sqrt{2}}{2}a\fallingdotseq 0.707a
  • 正五角形は 21025a0.851\dfrac{2}{\sqrt{10-2\sqrt{5}}}a\fallingdotseq 0.851
  • 正六角形は aa
  • 正八角形は 122a1.307a\dfrac{1}{\sqrt{2-\sqrt{2}}}a\fallingdotseq 1.307a

計算方法

以下の一般的な公式を証明します。

一般的な公式

一般的な公式 1辺の長さが aa である正 nn 角形について,

  • 内接円の半径は r=a2tanθr=\dfrac{a}{2\tan\theta}
  • 外接円の半径は R=a2sinθR=\dfrac{a}{2\sin\theta}

ただし,θ=πn\theta=\dfrac{\pi}{n}

この公式に sinθ,tanθ\sin\theta,\tan\theta の具体的な値を代入すると冒頭の式たちが導出できます。ただし,正五角形では 3636^{\circ} の三角比が必要で計算がめんどうです。→覚えておくと便利な三角比の値

一般的な公式の証明

公式の証明 図のような直角三角形を考える。尖った角度は θ=πn\theta=\dfrac{\pi}{n} である。

三角比の定義より sinθ=a2R\sin\theta=\dfrac{a}{2R}tanθ=a2r\tan\theta=\dfrac{a}{2r} である。

単調性

さきほどの「一般的な公式」より,rrRRnn に関して単調増加であることがわかります。

さらに,辺の長さ aa を固定するのではなく,周の長さを固定して考えてみましょう。微分の良い練習問題になります。

周の長さが 11 である正 nn 角形について,

  1. 外接円の半径 R(n)R(n)nn に関して単調減少
  2. 内接円の半径 r(n)r(n)nn に関して単調増加

証明してみましょう。

1(外接円)の証明

R(n)=12nsinθ=12π×θsinθR(n)=\dfrac{1}{2n\sin\theta}=\dfrac{1}{2\pi}\times\dfrac{\theta}{\sin\theta}

ここで,θsinθ\dfrac{\theta}{\sin\theta}0<θ<π20<\theta<\dfrac{\pi}{2} では単調増加である(微分すればわかる。詳細は →sinc 関数:sinx/x について覚えておくべきこと)。

また,θ=πn\theta=\dfrac{\pi}{n}nn に関して単調減少である。

よって nn が増えると θ\theta が減り,RR は減る。

2(内接円)の証明

r(n)=12ntanθ=12π×θtanθr(n)=\dfrac{1}{2n\tan\theta}=\dfrac{1}{2\pi}\times\dfrac{\theta}{\tan\theta}

ここで,θtanθ\dfrac{\theta}{\tan\theta} は単調減少である(微分すればわかる→補足)。

また,θ=πn\theta=\dfrac{\pi}{n}nn に関して単調減少である。

よって nn が増えると θ\theta が減り,rr は増える。

補足:θtanθ=θcosθsinθ\dfrac{\theta}{\tan\theta}=\dfrac{\theta\cos\theta}{\sin\theta} の微分は (cosθθsinθ)sinθθcos2θsin2θ=cosθsinθθsin2θ\dfrac{(\cos\theta-\theta\sin\theta)\sin\theta-\theta\cos^2\theta}{\sin^2\theta}=\dfrac{\cos\theta\sin\theta-\theta}{\sin^2\theta} であるが,分母は 12(2θ+sin2θ)\dfrac{1}{2}(-2\theta+\sin 2\theta) と変形でき,θ>sinθ\theta>\sin\theta であることから導関数は負。

真円度

図形の真円度とは,正しい円からどれくらいズレているかを表す量です。

「その図形を含む最小の円の半径」と「その図形に含まれる最大の円の半径」の差で定義されることが多いです。

円の真円度は 00 です。周の長さが 11 である正多角形の真円度は, R(n)r(n)=θ2πsinθ(1cosθ)R(n)-r(n)=\dfrac{\theta}{2\pi\sin\theta}(1-\cos\theta) です。さきほど見たように R(n)R(n) は単調減少,r(n)r(n) は単調増加なので真円度は単調減少です。また,limn{R(n)r(n)}=0\displaystyle\lim_{n\to\infty}\{R(n)-r(n)\}=0 です。

最近「真円度」という言葉を知り,なんとか記事を書きたいと思って出来た記事です。