シルベスターの数列とその性質
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で定義される数列をシルベスターの数列と言う。
シルベスターの数列は有名な数列の1つです。大学入試では整数問題の題材としてたまに取り上げられます。
シルベスターの数列の規則性
シルベスターの数列の規則性
シルベスター数列の正体をつかむために, が小さい場合について実験してみると,
となります。
鋭い人は以下の規則性に気づくでしょう。
実は,以下の性質1が成立します。
任意の 以上の整数 について, が成り立つ。
ただし, は から までの積を表します。 のときは(空集合の積は とみなして) とみなします。→総積の記号Π(パイ)の意味と性質
数学的帰納法で簡単に証明できる。
のときは両辺ともに となり成立。
また, のときを仮定すると,
となり のときも成立する。
性質1をシルベスター数列の定義として,元の定義を性質とみなすこともできます。
フェルマー数との関係
フェルマー数との関係
性質1の式がフェルマー数()の性質1と似ている(→フェルマー数とその性質)ことに気づくと,以下のような面白い不等式が導けます。
のとき
これより,シルベスターの数列は二重指数的に増加していくことが分かります。
誘導付きで難関大学の入試で出題されそうなレベルの問題です。
記号はゴツイですが難しい計算はありません。「 が整数のとき と が同値である」ことを用います。
のとき, より正しい。
フェルマー数の性質( )と上記の性質1を用いると示すべき不等式は,以下のように2通りでかける(同値な不等式)
これを帰納法で示す。 のとき1も2も成立していると仮定すると,
2の不等式の各辺に をかけて,
これに1を用いると(左側の不等式は整数性に注意して とより強い不等式を用いる)
となり のときも2が成立することが示された。
頻出の整数問題(Egyptian fraction)
頻出の整数問題(Egyptian fraction)
を満たす自然数 の組で, の最大値を与えるのは がシルベスター数列(またはその並べ替え)のとき。
のときはよくある入試問題です。いずれも場合分けで解けます。
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を満たす自然数 に対して が最大となるのは のときでその値は
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を満たす自然数 に対して が最大となるのは のときでその値は
一般の に対する性質3の証明は複雑なので省略します。例えば→単位分数のエジプト分数による下からの近似を参照して下さい。
また,単位分数については エジプト分数(単位分数の和)に関する4つの話題 もどうぞ。
世の中にはいろいろな数列がありますねえ。