証明
ステップ1
まず F(z) に現れる無限級数が(広義一様)収束することを確認する。∣z∣≦N において
∣n∣>N∑∣z+n∣21≦∣n∣>N∑∣N+n∣21≦2n=1∑∞n21<∞
より ワイエルシュトラスのM判定法 から収束する。
sinπz は z=n(n は整数)を零点とするため,f(z) は z=n で2位の極を持つ。よって F の極の候補は z=n のみである。→ z=n での正則性を示せば十分である。
特に
πsinπz=z+z3ϕ(z)
(ϕ は ϕ(0)=0 となる正則関数)と表されるため
f(z)=z21(1+z2ϕ(z))−2=z21+ψ(z)
(ψ は正則関数)と表される。
よって f(z) を z=0 近傍で ローラン展開 したときの主要部は z21 である。ゆえに(主要部同士が打ち消し合い) F(z)=f(z)−∑(z−n)21 は z=0 で正則になる。
周期性より z=n で F(z) は正則である。こうして F は整関数である。
以下 z=x+yi(x,y は実数) と表す。
ステップ2-1:∣y∣→∞limf(x+yi) は 0 に(一様)収束することを示す。
∣2sinπ(x+iy)∣=∣eπi(x+yi)−e−πi(x+yi)∣≧∣e−π−eπy∣
であるため
∣f(x+yi)∣≦22π2∣e−πy−eπy∣21
となる。よって ∣y∣→∞ とすると f(x+yi) は 0 に収束する。
ステップ2-2:0≦x≦1 において,∑∣x+yi−n∣2 は 0 に(一様)収束することを示す。
ε>0 を任意に取る。
n=0∑∣x−n∣21<∞ であるため,ある自然数 N があって
∣n∣>N∑∣x+yi−n∣21≦∣n∣>N∑∣x−n∣21<21ε
とできる。
次に ∣n∣<N において,∣y∣>δ とすると
∣n∣≦N∑∣x+yi−n∣21<δ22N+1
とできるため,δ を十分大きくとると
∣n∣≦N∑∣x+yi−n∣21<21ε
とできる。
以上より,任意の ε>0 に対して,十分大きな δ を取ると,∣y∣>δ で
n∈Z,n=0∑∣x+yi−n∣21<ε
となる。こうして示された。
ステップ3
ステップ 2 より F(x+yi) は 0≦x≦1,y∈R で有界である。
F(z) の周期性より,これは任意の実数 x 上に拡張できる。
よって F(z) は複素平面全体で有界である。リュービルの定理 より F(z) は定数関数である。
F(0)=0 であるため,特に F(z) は恒等的に 0 である。
証明
ステップ1
まずは級数が広義一様収束する(∣z∣≦N で一様収束する)ことを確認する。
∣z∣≦N で各項が n21 で抑えることができることから,ワイエルシュトラスのM判定法より,一様収束することが従う。
cotπz の極は z=n で,それぞれ一位の極を持つ。sin のときと同様に,主要部は
z2−n22z=z−n1+z+n1
と打ち消し合うため,g(z) は z=n で正則である。
こうして整関数であることが従う。
ステップ2
級数部分は(広義)一様収束するため,項別微分できる。また
(cotπz)′=(sinπzcosπz)′=−sin2πzπ
である。
よって
g′(z)=−sin2πzπ2−z21−n=0∑(z−n)21
である。sin の部分分数分解より g′(z)=0 である。
ステップ3
g′(z)=0 より,g(z) は定数関数 C である。
さて,cot と z2−n22z は奇関数であるため,g も奇関数である。
よって C=0 となる。