楕円・双曲線の媒介変数表示の3通りの方法

更新日時 2021/10/15

二次曲線(円・楕円・双曲線)の媒介変数表示について,3通りの方法を紹介します。

  • 三角関数を使う方法
  • ワイエルシュトラス置換に関連する方法
  • 双曲線関数を使う方法
目次
  • 円の媒介変数表示

  • 楕円の媒介変数表示

  • 双曲線の媒介変数表示

  • ワイエルシュトラス置換

円の媒介変数表示

円:x2+y2=r2x^2+y^2=r^2 の媒介変数表示として,

  1. x=rcosθ,y=rsinθx=r\cos\theta,\:y=r\sin\theta
  2. x=r1t21+t2,y=r2t1+t2x=r\cdot\dfrac{1-t^2}{1+t^2},\:y=r\cdot\dfrac{2t}{1+t^2}
  3. x=rcoshϕ,y=rtanhϕx=\dfrac{r}{\cosh \phi},\:y=r\tanh\phi

がある。

1は三角関数を用いる方法です。θ\theta0θ<2π0\leq\theta< 2\pi を動くと,円周上の点全体を動きます。単位円による三角関数の定義と合わせて理解しておきましょう。→三角関数の3通りの定義とメリットデメリット

2については,

  • (1t2)2+(2t)2=(1+t2)2(1-t^2)^2+(2t)^2=(1+t^2)^2 が成立することから,(r1t21+t2,r2t1+t2)\left(r\cdot\dfrac{1-t^2}{1+t^2},\:r\cdot\dfrac{2t}{1+t^2}\right) が円周上の点であることがわかります。
  • 余談ですが,この式はピタゴラス数を求める式と似ています。→ピタゴラス数の求め方とその証明
  • tt が実数全体を動くとき,円周上の (r,0)(-r,0) 以外の点全体を動きます。
  • 2は,1に対して t=tanθ2t=\tan\dfrac{\theta}{2} と置換することで得られます。この置換については,記事の後半で補足します。

3は,双曲線関数 coshϕ=eϕ+eϕ2,sinhϕ=eϕeϕ2,tanhϕ=sinhϕcoshϕ\cosh\phi=\dfrac{e^{\phi}+e^{-\phi}}{2},\:\sinh\phi=\dfrac{e^{\phi}-e^{-\phi}}{2},\:\tanh\phi=\dfrac{\sinh\phi}{\cosh\phi} を用いた媒介変数表示です。→双曲線関数の意味・性質・楽しい話題まとめ
ϕ\phi が実数全体を動くとき,円の x>0x>0 の部分を動きます。

楕円の媒介変数表示

円の媒介変数表示が理解できていれば,楕円もほとんど同じです。

楕円:x2a2+y2b2=1\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1 の媒介変数表示として,

  1. x=acosθ,y=bsinθx=a\cos\theta,\:y=b\sin\theta
  2. x=a1t21+t2,y=b2t1+t2x=a\cdot\dfrac{1-t^2}{1+t^2},\:y=b\cdot\dfrac{2t}{1+t^2}
  3. x=acoshϕ,y=btanhϕx=\dfrac{a}{\cosh \phi},\:y=b\tanh\phi

がある。

  • 1については,cos2θ+sin2θ=1\cos^2\theta+\sin^2\theta=1(xa)2+(yb)2=1\left(\dfrac{x}{a}\right)^2+\left(\dfrac{y}{b}\right)^2=1 を比較して,xa=cosθ,yb=sinθ\dfrac{x}{a}=\cos\theta,\:\dfrac{y}{b}=\sin\theta とおけばうまくいきそう,とわかります。この媒介変数表示は,例えば,離心率の意味と関連する計算で活躍します。
  • 2は,1に対して t=tanθ2t=\tan\dfrac{\theta}{2} と置換すると得られます。tt が実数全体を動くとき,楕円上の (a,0)(-a,0) 以外の点全体を動きます。

双曲線の媒介変数表示

双曲線:x2a2y2b2=1\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1 の媒介変数表示として,

  1. x=acosθ,y=btanθx=\dfrac{a}{\cos\theta},\:y=b\tan\theta
  2. x=a1+t21t2,y=b2t1t2x=a\cdot\dfrac{1+t^2}{1-t^2},\:y=b\cdot\dfrac{2t}{1-t^2}
  3. x=acoshϕ,y=bsinhϕx=a\cosh\phi,\:y=b\sinh\phi

がある。

  • 1については,1+tan2θ=1cos2θ1+\tan^2\theta=\dfrac{1}{\cos^2\theta}1+(yb)2=(xa)21+\left(\dfrac{y}{b}\right)^2=\left(\dfrac{x}{a}\right)^2 を比較して,xa=1cosθ,yb=tanθ\dfrac{x}{a}=\dfrac{1}{\cos\theta},\:\dfrac{y}{b}=\tan\theta とおけばうまくいきそう,とわかります。
  • 2は,1に対して t=tanθ2t=\tan\dfrac{\theta}{2} と置換すると得られます。tt±1\pm 1 を除く実数全体を動くとき,双曲線上の (a,0)(-a,0) 以外の点全体を動きます。
  • 双曲線の1と楕円の3は似ています。双曲線の3と楕円の1は似ています!

ワイエルシュトラス置換

途中で出てきた t=tanθ2t=\tan\dfrac{\theta}{2} という置換をワイエルシュトラス置換と言います。

  • ワイエルシュトラス置換は,三角関数の有理式の積分で大活躍します。→三角関数の有理式の積分
  • t=tanθ2t=\tan\dfrac{\theta}{2} とおくと,sinθ=2t1+t2,cosθ=1t21+t2\sin\theta=\dfrac{2t}{1+t^2},\cos\theta=\dfrac{1-t^2}{1+t^2} になります。
  • θ\thetaπ<θ<π-\pi<\theta<\pi の範囲を動くとき,tt は実数全体を動きます。

双曲線関数による媒介変数表示は使いませんが,三角関数による媒介変数表示と並べて観察すると楽しいです。