楕円・双曲線の媒介変数表示の3通りの方法
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二次曲線(円・楕円・双曲線)の媒介変数表示について,3通りの方法を紹介します。
- 三角関数を使う方法
- ワイエルシュトラス置換に関連する方法
- 双曲線関数を使う方法
円の媒介変数表示
円の媒介変数表示
円: の媒介変数表示として,
がある。
1は三角関数を用いる方法です。 が を動くと,円周上の点全体を動きます。単位円による三角関数の定義と合わせて理解しておきましょう。→三角関数の3通りの定義とメリットデメリット
2については,
- が成立することから, が円周上の点であることがわかります。
- 余談ですが,この式はピタゴラス数を求める式と似ています。→ピタゴラス数の求め方とその証明
- が実数全体を動くとき,円周上の 以外の点全体を動きます。
- 2は,1に対して と置換することで得られます。この置換については,記事の後半で補足します。
3は,双曲線関数 を用いた媒介変数表示です。→双曲線関数(sinh,cosh,tanh)の意味・性質・楽しい話題まとめ
が実数全体を動くとき,円の の部分を動きます。
楕円の媒介変数表示
楕円の媒介変数表示
円の媒介変数表示が理解できていれば,楕円もほとんど同じです。
楕円: の媒介変数表示として,
がある。
- 1については, と を比較して, とおけばうまくいきそう,とわかります。この媒介変数表示は,例えば,離心率の意味と関連する計算で活躍します。
- 2は,1に対して と置換すると得られます。 が実数全体を動くとき,楕円上の 以外の点全体を動きます。
双曲線の媒介変数表示
双曲線の媒介変数表示
双曲線: の媒介変数表示として,
がある。
- 1については, と を比較して, とおけばうまくいきそう,とわかります。
- 2は,1に対して と置換すると得られます。 が を除く実数全体を動くとき,双曲線上の 以外の点全体を動きます。
- 双曲線の1と楕円の3は似ています。双曲線の3と楕円の1は似ています!
ワイエルシュトラス置換
ワイエルシュトラス置換
途中で出てきた という置換をワイエルシュトラス置換と言います。
- ワイエルシュトラス置換は,三角関数の有理式の積分で大活躍します。→三角関数の有理式の積分
- とおくと, になります。
- が の範囲を動くとき, は実数全体を動きます。
双曲線関数による媒介変数表示は使いませんが,三角関数による媒介変数表示と並べて観察すると楽しいです。