証明
n→∞limbn−bn−1an−an−1=c とおく。
ε>0 を任意に取る。ある正の整数 M があって n>M のとき ∣∣bnan−c∣∣<ε であることを示せばよい。
ck=bk−bk−1ak−ak−1−c とおく。n→∞limbn−bn−1an−an−1=c より n→∞limcn=0 である。
よって,ある正の整数 N があって,n>N であれば ∣cn∣<31ε となる。
さて,ここで ck の定義より任意の正整数 k に対して
ak−ak−1=(ck+c)(bk−bk−1)
である。
- bn が発散するとき
n>N のもとで,
an−aN=k=N+1∑n(ak−ak−1)=k=N+1∑n(ck+c)(bk−bk−1)=c(bn−bN)+k=N+1∑nck(bk−bk−1)
である。
式を整理すると
bnan−c=bnaN+cbnbN+k=N+1∑nckbnbk−bk−1
となる。
よって
∣∣bnan−c∣∣≦∣∣bnaN∣∣+∣∣cbnbN∣∣+∣∣k=N+1∑nckbnbk−bk−1∣∣
である。
n→∞ で1,2項目は 0 に収束するため,ある正の整数 N′ があって,n>N′ のとき ∣∣bnaN∣∣<31ε,∣∣cbnbN∣∣<31ε を得る。
3項目について考える。
k>N であるため ∣ck∣<3ε である。ゆえに
∣∣k=N+1∑nckbnbk−bk−1∣∣≦∣∣k=N+1∑nbnbk−bk−1∣∣31ε=∣∣1−bnbN∣∣31ε≦31ε
である。
以上より n が十分大きいとき
∣∣bnan−c∣∣<ε
である。こうして n→∞limbnan=c である。
- an,bn が 0 に収束するとき
m を正の整数とする。同様の計算から
an−an+m=c(bn−bn+m)+k=n∑n+mck(bk−bk+1)
である。
同様に
∣∣bnan−c∣∣≦∣∣bnan+m∣∣+∣∣cbnbn+m∣∣+∣∣k=n∑n+mckbnbk−bk+1∣∣
となる。
m→∞ で 1,2 項目は 0 に収束するため,ある正の整数 M があって m>M のとき ∣∣bnan+m∣∣<31ε,∣∣cbnbn+m∣∣<31ε を得る。
3項目も同様に,正の整数 N′′ があって n>N′′ のとき 31ε で抑えられる。
以上より n が十分大きいとき
∣∣bnan−c∣∣<ε
である。こうして n→∞limbnan=c である。