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円の方程式と関連問題|座標・ベクトル・複素数

更新日時 2021/02/24

座標平面における円の方程式には以下の2つの形がある:

  • 中心と半径による形:(xa)2+(yb)2=r2(x-a)^2+(y-b)^2=r^2
  • 一般形:x2+y2+lx+my+n=0x^2 + y^2 + lx + my + n = 0

この記事では,円の方程式について解説します。

目次
  • 座標平面の円の方程式

  • ベクトル方程式で円を表す

  • 複素数平面上の円の方程式

  • 円の方程式に関する問題

座標平面の円の方程式

円の定義

まず円の定義を確認します。円とは,平面上において,ある点からの距離が等しい点の集合でできる曲線のことです。 「ある点」を中心,中心から円周上の点までの距離を半径と呼びます。

コンパスを考えると分かりやすいです。コンパスの針が中心,針から鉛筆までの距離が半径になります。

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円の方程式の求め方

円の定義をもとに円の方程式を考えます。

  • 中心が原点の場合の円の方程式

例として,中心が (0,0)(0,0) で半径が 22 の円の方程式を考えます。

円周上の点の座標を (x,y)(x,y) とおくと,(0,0)(0,0) からの距離が 22 なので,二点間の距離の公式から x,yx,y に対して以下が成り立ちます(必要条件)。

(x0)2+(y0)2=22( x - 0 )^2 + ( y - 0 ) ^2 = 2^{2}

逆にこの方程式をみたしている (x,y)(x,y) は全て (0,0)(0,0) からの距離が 22 の点です(十分条件)。

よって,中心が (0,0)(0,0) で半径が 22 の円を表す方程式は x2+y2=4x^2+y^2=4 となります。

  • 中心が原点でない場合の円の方程式

次に中心が (2,3)(2,3) で半径が 44 の円の方程式を考えましょう。前項と同様に考えて,

(x2)2+(y3)2=16 ( x - 2 )^2 + ( y - 3 )^2 = 16 となります。より一般に,以下のことが言えます。

中心が (a,b)(a,b) で半径が rr の円の方程式は以下のようになる:

(xa)2+(yb)2=r2 ( x - a )^2 + ( y - b )^2 = r^2

円の方程式(一般形)の中心と半径

円の方程式の「中心と半径による形」を説明しました。これをもとに,今度は「一般形」で表された円の方程式について考えます。例として, x2+y2+2x4y11=0x^2 + y^2 + 2x - 4y - 11 = 0 という方程式で表される図形について考えてみます。 x2+2x=(x+1)21x^2+2x=(x+1)^2-1 y24y=(y2)24y^2-4y=(y-2)^2-4 に注意して左辺を変形(平方完成)すると,上の方程式は (x+1)2+(y2)21114=0(x+1)^2+(y-2)^2-11-1-4 = 0 (x+1)2+(y2)2=42(x+1)^2+(y-2)^2 = 4^2 となります。さきほどの「中心と半径による形」を思い出すと,中心が (1,2)(-1,2) で半径が 44 の円を表すことがわかります。

より一般に, x2+y2+lx+my+n=0x^2 + y^2 + lx + my + n = 0 という式は, (x+l2)2+(y+m2)2=l2+m24n4\left(x+\dfrac{l}{2}\right)^2+\left(y+\dfrac{m}{2}\right)^2=\dfrac{l^2+m^2-4n}{4} と変形できるので,l2+m24n>0l^2+m^2-4n>0 のとき円を表すことがわかります。

x2+y2+lx+my+n=0x^2 + y^2 + lx + my + n = 0 という式は,l2+m24n>0l^2+m^2-4n>0 のとき円を表す。円の中心と半径は平方完成で求めることができる。

ベクトル方程式で円を表す

円の中心をベクトルの始点,円周上の点を終点とみることで,円をベクトル方程式で表せます。

中心 AA (位置ベクトル a\vec{a} ),半径 rr の円のベクトル方程式: APundefined=rpa=r| \overrightarrow{AP} | = r \\ | \vec{p} - \vec{a} | = r

また,直径の両端が分かるときもベクトル方程式で表せます。→ベクトル方程式の公式一覧

直径の両端が A,BA,B (位置ベクトル a,b\vec{a} , \vec{b} )の円のベクトル方程式: APundefinedBPundefined=0(pa)(pb)=0 \overrightarrow{AP} \cdot \overrightarrow{BP} = 0 \\ ( \vec{p} - \vec{a} ) \cdot ( \vec{p} - \vec{b} ) = 0

複素数平面上の円の方程式

複素数平面上の円の方程式は,複素数の絶対値が原点との距離を表していることを利用して導出します。→複素数の絶対値の定義といろいろな性質

中心が 32i3 - 2i で半径が 33 の方程式を求めてみましょう。

円周上の点を zz とおくと,zz32i3 - 2i の距離が 33 なので,z(32i)=3\left| z - ( 3 - 2i ) \right| = 3 と表せます。

より一般に,以下が成立します。

複素数平面上で,中心 α\alpha 半径 rr の円の方程式:

zα=r | z- \alpha | = r

また,この式を変形すると,

zα2=r2(zα) (zα)=r2z2zαˉzˉα+α2=r2\begin{aligned} &| z - \alpha | ^2 = r^{2} \\ &( z - \alpha ) \ \overline{( z - \alpha )} = r^2 \\ &| z | ^2 - z \bar{\alpha} - \bar{z} \alpha + | \alpha | ^2 = r^2 \end{aligned}

となります。この形をみたときには円の方程式を思い出しましょう。

円の方程式に関する問題

2円の位置関係

半径が a,ba,b の2円 A,BA,B の中心間の距離を dd とおくと,以下のようにまとめられます。

  • ab>d| a - b | > d のとき,2円は包含関係にある。(図1)
  • ab=d| a - b | = d のとき,2円は内接する。(図2)
  • ab<d<a+b| a - b | < d <| a + b | のとき,2円は交わる。(図3)
  • a+b=d| a + b | = d のとき,2円は外接する。(図4)
  • a+b<d| a + b | < d のとき,2円は離れている。(図5)

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例題

以下の方程式で表される2つの円の位置関係を答えなさい。 x2+y24x6y+9=0(1) x^2 + y^2 - 4x - 6y + 9 = 0 \tag{1}

x2+y2+4x5=0(2) x^2 + y^2 + 4x - 5 = 0 \tag{2}

(1)(x2)2+(y3)2=4(2)(x+2)2+y2=9\begin{aligned} (1) &\Leftrightarrow ( x - 2 )^2 + ( y - 3 )^2 = 4 \\ (2) &\Leftrightarrow ( x + 2 )^2 + y^2 = 9 \end{aligned}

より,(1)(1) は中心が (2,3)(2,3) で半径が 22 の円の方程式,(2)(2) は 中心が (2,0)(-2 , 0) で半径が 33 の円の方程式と分かります。

それぞれの中心間の距離は {2(2)}2+(30)2=5\sqrt{ \{ 2 -(-2) \} ^2 + ( 3 - 0 ) ^2 }= 5 で,半径の和が 55 なので,2円は外接することが分かります。

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直径の両端がわかっている場合の方程式

例題

2点 (2,3),(4,1)(2,3),\:(4,1) が直径の両端である円の方程式を求めなさい。

円の中心と半径を求めれば円の方程式が計算できます。

  • 円の中心は2点の中点なので (3,2)(3,2)
  • 半径は2点間の距離公式より 12+12=2\sqrt{1^2+1^2}=\sqrt{2}

より,円の方程式は (x3)2+(y2)2=2(x-3)^2+(y-2)^2=2 となります。

また,さきほど紹介したベクトル方程式をもとに考えることもできます。

円周上の点 PP の座標を (x,y)(x,y) として,

APundefinedBPundefined=0\overrightarrow{AP} \cdot \overrightarrow{BP} = 0

が成立するので,これを成分表示して

(x2)(x4)+(y3)(y1)=0( x - 2 ) \cdot ( x - 4 ) + ( y - 3 ) \cdot ( y - 1 ) = 0 となり,整理すると (x3)2+(y2)2=2( x - 3 )^2 + ( y - 2 )^2 = 2

と求められます。

円の接線の方程式

例題

中心 (3,1)(3,1) 半径 55 の円の (6,5)(6,5) における接線の方程式を求めなさい。

円の接線の方程式は,接点の座標がわかるとき,公式で求められます。→円の接線の方程式の公式

円の方程式は (x3)2+(y1)2=25 ( x - 3 )^2 + ( y - 1 )^2 = 25 なので,(6,5)(6,5) における接線の方程式は

(63)(x3)+(51)(y1)=25( 6 - 3 )\cdot( x - 3 ) + ( 5 - 1 )\cdot( y - 1 ) = 25 3x+4y=383x + 4y = 38

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円の方程式の左辺は xxyy の二次式です。円は「二次曲線」と呼ばれる曲線の一種です。

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