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円の接線の方程式を求める公式の3通りの証明

更新日時 2021/03/07

座標平面において,円: x2+y2=r2x^2+y^2=r^2 上の点 (x0,y0)(x_0,y_0) における接線の方程式は, x0x+y0y=r2x_0x+y_0y=r^2

非常に有名でなかなかきれいな公式です。

目次
  • 具体例,平行移動バージョン

  • 1.傾きと通る点から求める方法

  • 2.法線ベクトルを用いる方法

  • 3.距離公式を用いる方法

具体例,平行移動バージョン

証明の前に具体例など。

例題

x2+y2=1x^2+y^2=1 上の点 (35,45)(\frac{3}{5},\frac{4}{5}) における接線の方程式を求めよ。

解答

公式より,35x+45y=1\dfrac{3}{5}x+\dfrac{4}{5}y=1 ,つまり 3x+4y=53x+4y=5

ちなみに,円の中心が原点でない場合にも同様の公式が成立します。

座標平面において,円: (xa)2+(yb)2=r2(x-a)^2+(y-b)^2=r^2 上の点 (x0,y0)(x_0,y_0) における接線の方程式は, (x0a)(xa)+(y0b)(yb)=r2(x_0-a)(x-a)+(y_0-b)(y-b)=r^2

これは原点を中心とするバージョンを「平行移動」するだけで簡単に導出できます。極線の方程式でやっていることと全く同じなので平行移動バージョンの証明は省略します。

以下では,冒頭の公式を3通りの方法で証明します。

1.傾きと通る点から求める方法

まずは素直な証明方法です。

証明

x00,y00x_0\neq 0,y_0\neq 0 のとき

(x0,y0)(x_0,y_0) における接線は,直線 y=y0x0xy=\dfrac{y_0}{x_0}x と直交するので,その傾きは x0y0-\dfrac{x_0}{y_0} である。

よって,通る一点と傾きが分かったので求める方程式は,

yy0=x0y0(xx0)y-y_0=-\dfrac{x_0}{y_0}(x-x_0) と分かる。

これを整理すると,x0y0x+y=x02y0+y0\dfrac{x_0}{y_0}x+y=\dfrac{x_0^2}{y_0}+y_0

x0x+y0y=x02+y02x_0x+y_0y=x_0^2+y_0^2

また,(x0,y0)(x_0,y_0) は円上の点であることから x02+y02=r2x_0^2+y_0^2=r^2

以上より求める方程式は x0x+y0y=r2x_0x+y_0y=r^2

x0,y0x_0,y_0 のいずれかが 00 であるときも簡単に確認できる。

2.法線ベクトルを用いる方法

法線ベクトルについて知っていれば簡単に証明できます。この方法はややレベルが高いですが,楕円などにも応用できる素晴らしい方法です。

証明

ベクトル (x0,y0)(x_0,y_0) は,点 (x0,y0)(x_0,y_0) における円の法線ベクトルである(図形的に分かるし,偏微分からも分かる)。

よって(定数 kk を用いて)接線の方程式は x0x+y0y=kx_0x+y_0y=k と書ける。

これが,(x0,y0)(x_0,y_0) を通るので,k=x02+y02=r2k=x_0^2+y_0^2=r^2

以上より求める接線の方程式は x0x+y0y=r2x_0x+y_0y=r^2

3.距離公式を用いる方法

点と直線の距離公式を使って証明することもできます。

この状況ではあまりスマートではない(証明1の下位互換な気もする)方法ですが,円の接線は距離公式から求まるという考え方は大事です。

証明

y00y_0\neq 0 の場合のみ証明する。

(x0,y0)(x_0,y_0) を通る方程式は,yy0=a(xx0)y-y_0=a(x-x_0)

つまり,axyax0+y0=0ax-y-ax_0+y_0=0 (*)と書ける。

この直線と原点の距離が rr になるとき,接線の方程式となるので,点と直線の距離公式より,

ax0+y0a2+1=r\dfrac{|-ax_0+y_0|}{\sqrt{a^2+1}}=r

r2=x02+y02r^2=x_0^2+y_0^2 に注意して上式を変形していく:

(ax0+y0)2=r2(a2+1)(-ax_0+y_0)^2=r^2(a^2+1)

a2x02+y022ax0y0=(x02+y02)(a2+1)a^2x_0^2+y_0^2-2ax_0y_0=(x_0^2+y_0^2)(a^2+1)

2ax0y0=x02+a2y02-2ax_0y_0=x_0^2+a^2y_0^2

(x0+ay0)2=0(x_0+ay_0)^2=0

よって,a=x0y0a=-\dfrac{x_0}{y_0}

求める方程式は,(*)に代入して整理すると x0x+y0y=r2x_0x+y_0y=r^2 となる。

ちなみに,楕円の場合(この公式の一般化)については楕円の接線を求める公式とその証明をどうぞ。

「円の接線の方程式の公式の3通りの証明」というタイトルにしようと思ったのですが「の」ばっかりだったので少し変えました。

Tag:数学2の教科書に載っている公式の解説一覧

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