2つの円の位置関係

2つの円の位置関係

半径が異なる2つの円の位置関係は以下の5通り。

2つの円の位置関係

2つの円の位置関係の覚え方

大きさが異なる2つの円の位置関係は5パターンあります。5パターンを丸覚えする必要はありません。小さい円を真ん中から動かしていけば,5通りが網羅できると覚えておくとよいです。

2つの円の位置関係の覚え方 5通りの図がスラスラ描けることが重要です。

半径と中心間の距離の関係

2つの円の半径 r1,r2r_1,r_2 と中心間の距離 dd について,5パターンそれぞれで以下のような式が成立します。 半径と中心間の距離

5つの式を丸暗記するのではなく,以下のように覚えるとよいでしょう。

  • d=r1r2d=|r_1-r_2| のときに内接する
  • d=r1+r2d=r_1+r_2 のときに外接する
  • 上記2つが境界で,dd を増やしていくとパターンが変わる
例題

2つの円 x2+y2=16x^2+y^2=16(x3)2+(y4)2=1(x-3)^2+(y-4)^2=1 の位置関係を求めよ。

解答

2つの円の位置関係を求めるには r1,r2,dr_1,r_2,d がわかればよい。今回は r1=4,r2=1r_1=4,r_2=1 である。また円の中心は (0,0)(0,0)(3,4)(3,4) なので中心間の距離は d=32+42=5d=\sqrt{3^2+4^2}=5 である。以上より d=r1+r2d=r_1+r_2 なので2つの円は外接する。

共通接線の本数

2つの円の両方ともに接する円のことを共通接線と言います。5つのパターンについて,共通接線の本数は順番に0本,1本,2本,3本,4本となります。

共通接線の本数

共通接線の本数は1本ずつ増えていくのがおもしろいです。

ちなみに,2つの円の交点の個数は 012100\to 1\to 2\to 1\to 0 と1ずつ変化していきます。

共通接線にまつわる発展的な話題

  • 2つの円の共通内接線の交点,共通外接線の交点は相似の中心になっています(相似の中心に関しては接する2つの円の相似の中心参照)。

  • 共通外接線の交点を中心とする相似の拡大比はプラスです。共通内接線の交点を中心とする相似の拡大比はマイナスです。

  • 4つの円の共通外接線の長さの関係式としてケージーの定理が挙げられます。ケージーの定理はトレミーの定理の一般化で美しいです。「点は半径が無限小の円とみなす」というのが面白い考え方です。→ケージーの定理とその証明

2つの円の半径が同じ場合

2つの円の半径が同じ場合,2つの円の位置関係は4パターンです。「一致する」「2点で交わる」「外接する」「離れている」の4つです。

先ほどと同じように片方の円を固定してもう片方を徐々に動かしていくと4パターンになることがわかります

参考書によっては重要かのように載っている公式ですが,丸暗記の必要はありません。

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