球の慣性モーメントの2通りの求め方
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質量が ,半径が の球の(中心を通る軸まわりの)慣性モーメントは
大学物理(力学)の基本的な公式です。2通りの方法で導出します。
必要な前提知識
必要な前提知識
(3次元の連続体に対する)慣性モーメントの定義:
ただし, は微小部分の質量, は回転軸までの距離, は密度, は微小部分の体積を表します。積分は体積積分(三重積分)です。
極座標変換のヤコビアンが であること(方法1のみ) →三次元極座標についての基本的な知識 →ヤコビ行列,ヤコビアンの定義と極座標の例
質量が ,半径が の円板の(中心を通る軸まわりの)慣性モーメントが であること(方法2のみ)
1.対称性を用いる方法
1.対称性を用いる方法
「同じ値のものを足して計算しやすいものをつくる」というテクニックを使います。→対称性を用いた定積分の計算(King Property)
球の中心が原点,回転軸を 軸とする座標で考えると,慣性モーメントの定義より
積分の対称性より,
も成立する。これらを加えると,
ここで,直交座標から極座標へ変数変換すると,ヤコビアンは なので
よって,
ここで, より,
2.円板の慣性モーメントを使う方法
2.円板の慣性モーメントを使う方法
円板の慣性モーメントが であることは認めます。
球の中心が原点,回転軸を 軸とする座標で考える。 座標が から の間にある部分は薄い円板とみなせる。
その半径は,,質量は
( は円板の底面積, は厚み)
よって,この薄い円板部分による慣性モーメントへの寄与は
したがって,
これと, より,
私は1つめの方法がかなり好きです。