例1.二次元極座標
二次元極座標
(r,θ)
から直交座標
(x,y)
への変数変換を考えます。二変数関数2つ組なのでヤコビ行列のサイズは2×2です。
変換式は
x=rcosθ,y=rsinθ
です。変換式をそれぞれ偏微分するとヤコビ行列が求まります:
(∂r∂x∂r∂y∂θ∂x∂θ∂y)=(cosθsinθ−rsinθrcosθ)
ヤコビアンは,
cosθ(rcosθ)−sinθ(−rsinθ)=r
です。
なお,重積分の変数変換の文脈では
dxdy=rdrdθ
と表記することもあります。
例2.三次元極座標
三次元極座標
(r,θ,ϕ)
から直交座標
(x,y,z)
への変数変換を考えます。三変数関数3つ組なのでヤコビ行列のサイズは3×3です。→三次元極座標についての基本的な知識
変換式は
x=rsinθcosϕ,y=rsinθsinϕ,z=rcosθ
です。変換式をそれぞれ偏微分するとヤコビ行列が求まります:
⎝⎛∂r∂x∂r∂y∂r∂z∂θ∂x∂θ∂y∂θ∂z∂ϕ∂x∂ϕ∂y∂ϕ∂z⎠⎞
=⎝⎛sinθcosϕsinθsinϕcosθrcosθcosϕrcosθsinϕ−rsinθ−rsinθsinϕrsinθcosϕ0⎠⎞
ヤコビアンは(3×3の行列式を頑張って計算すると)
r2sinθ となります。
重積分の変数変換の文脈では
dxdydz=r2sinθdrdθdϕ
と表記することもあります。
三次元極座標のヤコビアンは一回は手計算しておきましょう。