内分点,外分点の公式と証明

更新日時 2021/03/07

高校数学の教科書でしつこいくらい(4回も!)登場する内分点,外分点の公式について。

目次
  • 内分点,外分点の意味

  • 内分点,外分点の公式(座標)

  • 内分点,外分点の公式(ベクトル)

  • 内分点,外分点の公式(複素数平面)

  • 証明

内分点,外分点の意味

内分,外分

定義

線分 ABABm:nm:n に内分する点 PP

AP:PB=m:nAP:PB=m:n を満たす点で線分 ABAB の内側にあるもの

線分 ABABm:nm:n に外分する点 QQ

AQ:QB=m:nAQ:QB=m:n を満たす点で線分 ABAB の外側にあるもの

諸注意

  • 図は m:n=3:1m:n=3:1 くらい

  • 内分は分かりやすいが,外分の定義は忘れやすいので注意

  • m>nm > n のときは QQBB 側にあり,m<nm < n のときは QQAA 側にある

  • m=nm=n のとき PP は線分 ABAB の中点,外分点 QQ は存在しない(強いて言うなら無限遠点)

内分点,外分点の公式(座標)

A(xA,yA)A(x_A,y_A)B(xB,yB)B(x_B,y_B) のとき

線分 ABABm:nm:n に内分する点 PP の座標は (nxA+mxBm+n,nyA+myBm+n)\left(\dfrac{nx_A+mx_B}{m+n},\dfrac{ny_A+my_B}{m+n}\right)

線分 ABABm:nm:n に外分する点 QQ の座標は (nxA+mxBmn,nyA+myBmn)\left(\dfrac{-nx_A+mx_B}{m-n},\dfrac{-ny_A+my_B}{m-n}\right)

空間座標の場合は zz 座標が同じように加わるだけです。

内分点,外分点の公式(ベクトル)

AA の位置ベクトルを a\vec{a}BB の位置ベクトルを b\vec{b} とするとき,

線分 ABABm:nm:n に内分する点 PP の位置ベクトルは na+mbm+n\dfrac{n\vec{a}+m\vec{b}}{m+n}

線分 ABABm:nm:n に外分する点 QQ の位置ベクトルは na+mbmn\dfrac{-n\vec{a}+m\vec{b}}{m-n}

内分点,外分点の公式(複素数平面)

複素数平面において,A(zA)A(z_A)B(zB)B(z_B) とするとき,

線分 ABABm:nm:n に内分する点 PP を表す複素数は nzA+mzBm+n\dfrac{nz_A+mz_B}{m+n}

線分 ABABm:nm:n に外分する点 QQ を表す複素数は nzA+mzBmn\dfrac{-nz_A+mz_B}{m-n}

証明

座標版,ベクトル版,複素数平面版,それぞれ表現方法は異なりますが全て同じ公式です。証明も同じようにできます。ここではベクトルの言葉で書きます。

証明

内分,外分の公式の証明

内分点

AP=mm+nAB\vec{AP}=\dfrac{m}{m+n}\vec{AB} より

p=a+mm+nAB\vec{p}=\vec{a}+\dfrac{m}{m+n}\vec{AB}

であり,右辺を変形すると

a+mm+n(ba)=na+mbm+n\vec{a}+\dfrac{m}{m+n}(\vec{b}-\vec{a})\\ =\dfrac{n\vec{a}+m\vec{b}}{m+n}

となる。

外分点

m>nm > n のときを証明する(m<nm < n のときも同様にできる)。

AQ=mmnAB\vec{AQ}=\dfrac{m}{m-n}\vec{AB} より

q=a+mmn(ba)\vec{q}=\vec{a}+\dfrac{m}{m-n}(\vec{b}-\vec{a})

であり,右辺を変形すると na+mbmn\dfrac{-n\vec{a}+m\vec{b}}{m-n} となる。

内分点,外分点の公式はよく使うので丸暗記をオススメしますが,このように一瞬で導出できるので忘れても問題ありません。

同じ公式が四回も(座標,平面ベクトル,空間ベクトル,複素数平面)登場することで教科書の紙面を圧迫しています。

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