内分点,外分点の公式と証明

高校数学の教科書のいろいろな分野で登場する内分点外分点の公式についてわかりやすく説明します。

内分点,外分点の意味

内分点と外分点はセットで覚えるとよいです。

内分点とは

内分点の意味

線分 ABABm:nm:n内分する点 PP とは,

AP:PB=m:nAP:PB=m:n を満たす点で線分 ABAB の内側にあるもの

のことです。

AB=40AB=40 とする。ABAB3:13:1 に内分する点 PP に対して APAP の長さは 3030BPBP の長さは 1010 である。

特に,m=nm=n のとき,つまり 1:11:1 に内分する点は中点です。

外分点とは

外分点の意味

線分 ABABm:nm:n外分する点 QQ とは,

AQ:QB=m:nAQ:QB=m:n を満たす点で線分 ABAB の外側にあるもの

のことです。

AB=20AB=20 とする。ABAB3:13:1 に外分する点 QQ に対して AQAQ の長さは 3030BQBQ の長さは 1010 である。

内分点,外分点の公式(座標)

公式

A(xA,yA)A(x_A,y_A)B(xB,yB)B(x_B,y_B) のとき

  • 線分 ABABm:nm:n に内分する点 PP の座標は (nxA+mxBm+n,nyA+myBm+n)\left(\dfrac{nx_A+mx_B}{m+n},\dfrac{ny_A+my_B}{m+n}\right)

  • 線分 ABABm:nm:n に外分する点 QQ の座標は (nxA+mxBmn,nyA+myBmn)\left(\dfrac{-nx_A+mx_B}{m-n},\dfrac{-ny_A+my_B}{m-n}\right)

例題

A(3,5),B(0,8)A(3,5),B(0,8) のとき,ABAB2:12:1 に内分する点 PP の座標と 2:12:1 に外分する点 QQ の座標を求めよ。

解答

内分点の公式で m=2,n=1m=2,n=1 として,内分点の座標は

(1×3+2×02+1,1×5+2×82+1)\left(\dfrac{1\times 3+2\times 0}{2+1},\dfrac{1\times 5+2\times 8}{2+1}\right) これを計算すると,(1,7)(1,7)

同様に,外分点の座標は

(1×3+2×021,1×5+2×821)\left(\dfrac{-1\times 3+2\times 0}{2-1},\dfrac{-1\times 5+2\times 8}{2-1}\right) これを計算すると,(3,11)(-3,11)

なお,空間座標の場合は zz 座標が同じように加わるだけです。

内分点,外分点の公式(ベクトル)

公式

AA の位置ベクトルを a\vec{a}BB の位置ベクトルを b\vec{b} とするとき,

  • 線分 ABABm:nm:n に内分する点 PP の位置ベクトルは na+mbm+n\dfrac{n\vec{a}+m\vec{b}}{m+n}

  • 線分 ABABm:nm:n に外分する点 QQ の位置ベクトルは na+mbmn\dfrac{-n\vec{a}+m\vec{b}}{m-n}

内分点,外分点の公式(複素数平面)

公式

複素数平面において,A(zA)A(z_A)B(zB)B(z_B) とするとき,

線分 ABABm:nm:n に内分する点 PP を表す複素数は nzA+mzBm+n\dfrac{nz_A+mz_B}{m+n}

線分 ABABm:nm:n に外分する点 QQ を表す複素数は nzA+mzBmn\dfrac{-nz_A+mz_B}{m-n}

証明

座標版,ベクトル版,複素数平面版,それぞれ表現方法は異なりますが全て同じ公式です。証明も同じようにできます。ここではベクトルの言葉で書きます。

証明

内分,外分の公式の証明

内分点

AP=mm+nAB\vec{AP}=\dfrac{m}{m+n}\vec{AB} より

p=a+mm+nAB\vec{p}=\vec{a}+\dfrac{m}{m+n}\vec{AB}

であり,右辺を変形すると

a+mm+n(ba)=na+mbm+n\vec{a}+\dfrac{m}{m+n}(\vec{b}-\vec{a})\\ =\dfrac{n\vec{a}+m\vec{b}}{m+n}

となる。

外分点

m>nm > n のときを証明する(m<nm < n のときも同様にできる)。

AQ=mmnAB\vec{AQ}=\dfrac{m}{m-n}\vec{AB} より

q=a+mmn(ba)\vec{q}=\vec{a}+\dfrac{m}{m-n}(\vec{b}-\vec{a})

であり,右辺を変形すると na+mbmn\dfrac{-n\vec{a}+m\vec{b}}{m-n} となる。

内分点,外分点の公式はよく使うので丸暗記をオススメしますが,このように一瞬で導出できるので忘れても問題ありません。

同じ公式が四回も(座標,平面ベクトル,空間ベクトル,複素数平面)登場することで教科書の紙面を圧迫しています。

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