タンジェントの加法定理とその拡張
(ただし, の中身が全て の奇数倍にならないものとする)
- 前半は,タンジェントの加法定理に関する基礎的な説明です。
- 後半は, 個の場合のタンジェントの加法定理(美しい!)です。
タンジェントの加法定理の使用例
タンジェントの加法定理の使用例
タンジェントの加法定理の覚え方
タンジェントの加法定理の覚え方
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「いちマイナスたんたんぶんのたんぷらすたん」などと頑張って覚えてください。
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プラスの加法定理とマイナスの加法定理を混同しがちですが「分子の符号と同じ」と覚えるとよいでしょう( の右辺の分子にはプラス, の右辺の分子にはマイナス)。
タンジェントの加法定理の証明
タンジェントの加法定理の証明
サインの加法定理とコサインの加法定理を認めれば証明は簡単です。サイン,コサインの加法定理の証明も含めた詳しい解説は加法定理の証明(一般角に対する厳密な方法)を参照して下さい。
を認めれば,
となり,分母分子を で割ると,上式は
となる。
プラス側と同じように証明することもできるが,プラス側の式において とすると,
となり,これと を使うことでも導出できる。
タンジェントの加法定理の拡張
タンジェントの加法定理の拡張
高校数学で習うのは二つの角度の和,差についてのみですが,より一般に 個の角度の和についても美しい式が成立します。
ただし, は の 次の基本対称式であり,, のとき とする。
ただし,基本対称式とは「 個のものから 個選んでかけ合わせてできるもの(全部で 通りある)を全て足しあわせたもの」です。
例えば,
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のとき, となり,普通の加法定理になります。
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のとき, となり,特に のときはタンジェントの美しい関係式で紹介した式: になります。
証明は に関する数学的帰納法でそれなりに簡単にできます。練習問題にどうぞ!
sinとcosについてはここまで美しい加法定理の拡張はなさそうです。