常用対数の意味と計算(桁数・最高位の数)
常用対数の意味と応用例を紹介します。常用対数を使えば「 の桁数を計算せよ」のような問題も解けます。
常用対数とは
常用対数とは
常用対数とは, を底とする対数 のこと。
つまり, を満たす のこと。
であるので
であるので
このように,常用対数 は を何乗したら になるか?を表す数とも言えます。
常用対数の計算
常用対数の計算
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, など計算に必要な値は問題文で与えられます。覚えておいても良いです。→常用対数の覚え方と検算への応用
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→高校数学の問題集 ~最短で得点力を上げるために~のT70は,常用対数の近似値を覚えておけば検算できます。
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また,以下の対数の公式を使うことも多いです。
( は実数)
を計算してみよう。
まず対数の公式を使うと
ここで , を使うと,
となる。
常用対数表
常用対数表を使うこともあります。例えば を求めたいときは,
- 小数第一位までの値 の行を探し
- 小数第二位の値 の列を探し
- その行と列に対応する値 を読み取る
という手順で がわかります。
常用対数を使って桁数を求める
常用対数を使って桁数を求める
常用対数を用いることで,大きな数の桁数を計算できます。
例えば,
が 桁の数
となります。より一般に,以下の公式が成立します。
正の整数 が 桁の数
2行目では,左側は等号つき不等号,右側は等号なし不等号です。2行目の各辺の常用対数を取ると3行目になります。
の桁数を求めよ。ただし, として計算せよ。
の常用対数を取ると,
よって, なので桁数を求めるための公式より は 桁の数である。
本筋からそれるが, くらいなら自力で計算できる。 は多くの人が覚えているだろう。よって となる。 と は 桁の数なので も 桁の数。
注: はぜひ覚えておきましょう。特に情報系の人が喜ぶキリのいい数です。
常用対数を使って最高位の数を求める
常用対数を使って最高位の数を求める
次はもう少し難しい常用対数の応用方法です。常用対数を使って最高位の数を計算できます。最高位の数とは,一番左側の数字です。例えば, の最高位の数は です。
例えば,
が 桁の数で最高位の数が
となります。より一般に以下の公式が成立します。
が 桁の数で最高位の数が
とするとさきほどの例になります。
の整数部分が になります。つまり,小数部分を見れば最高位の数が分かるというわけです。
の最高位の数を求めよ。ただし, として計算せよ。
さきほど計算したように,
小数部分 は より大きく より小さい。
つまり,
よって
つまり最高位の数は である。
これくらいの計算は突破できる気合いが欲しい。
なので最高位の数は
気合いで計算するのが難しい例題
気合いで計算するのが難しい例題
の桁数と最高位の数を求めよ。ただし,, として計算せよ。
さすがに 乗ともなると気合いで計算するのは厳しいですね。
よって, より
よって は 桁である。
の小数部分は である。
より,
よって,
つまり最高位の数は である。
注:ちなみに を実際に計算してみると,有効数字 桁で となります。
小学生の頃,2のべき乗を休み時間の間ずっと計算して遊んだのを思い出します。