常用対数を用いた桁数と最高位の数の計算
常用対数の意味と応用例を紹介します。常用対数を使えば「 の桁数を計算せよ」のような問題を解くこともできます。
常用対数とは
常用対数を使って桁数を求める
常用対数を使って最高位の数を求める
気合いで計算するのが難しい例題
常用対数とは
常用対数とは,10 を底とする対数 のことです。例えば,
のように, 常用対数 は を何乗したら になるか?を表す数とも言えます。
常用対数を使って桁数を求める
常用対数を用いることで,大きな数の桁数を計算できます。
正の整数 が 桁の数
例えば, などで確認するとわかりやすいです。
が 桁の数
となります。2行目では,左側は等号つき不等号,右側は等号なし不等号です。2行目の各辺の常用対数を取ると3行目になります。
の桁数を求めよ。ただし, として計算せよ。
の常用対数を取ると,
よって, なので桁数を求めるための公式より は 桁の数である。
本筋からそれるが, くらいなら自力で計算できる。 は多くの人が覚えているだろう。よって となる。 と は 桁の数なので も 桁の数。
注: はぜひ覚えておきましょう。特に情報系の人が喜ぶキリのいい数字です。
常用対数を使って最高位の数を求める
次はもう少し難しい常用対数の応用方法です。常用対数を使って最高位の数を計算できます。最高位の数とは,一番左側の数字です。例えば, の最高位の数は です。
が 桁の数で最高位の数が
例えば, などで確認するとわかりやすいです。
が 桁の数で最高位の数が
となります。
の整数部分が になります。つまり,小数部分を見れば最高位の数が分かるというわけです。
の最高位の数を求めよ。ただし, として計算せよ。
さきほど計算したように,
小数部分 は より大きく より小さい。
つまり,
よって
つまり最高位の数は である。
これくらいの計算は突破できる気合いが欲しい。
なので最高位の数は
気合いで計算するのが難しい例題
の桁数と最高位の数を求めよ。ただし,, として計算せよ。
さすがに 乗ともなると気合いで計算するのは厳しいですね。
よって, より
よって は 桁である。
の小数部分は である。
より,
よって,
つまり最高位の数は である。
注:ちなみに を実際に計算してみると,有効数字 桁で となります。
小学生の頃,2のべき乗を休み時間の間ずっと計算して遊んだのを思い出します。