ロルの定理,平均値の定理とその証明
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- 最大値の定理を用いてロルの定理を証明
- ロルの定理を用いて平均値の定理を証明
という有名な流れを解説します。
最大値の定理
最大値の定理
最大値の定理も立派な定理で,厳密には証明すべきことですが,この記事では認めてしまいます。証明は 最大値・最小値の定理 をご覧ください。
有界閉区間上の連続関数は最大値を持つ。
感覚的には当たり前ですね!
ロルの定理とその証明
ロルの定理とその証明
区間 で連続, で微分可能, である関数 に対して,
なる で を満たす が存在する。
実用上はあまり登場しない定理です。平均値の定理の証明のための定理という感じです。
- が区間内で定数関数のとき
なる任意の で となりOK
- なる が存在するとき
最大値の定理より, で が最大となるような が存在する。このとき を証明する。 が で微分可能であることと より,
つまり
- なる が存在するときも同様(最小値を考える)
平均値の定理
平均値の定理
区間 で連続, で微分可能な関数 に対して,
なる で を満たす が存在する。
- 図形的な意味や応用例については平均値の定理の意味・証明・応用例題2パターンをどうぞ。
- なる関数に平均値の定理を用いるとロルの定理が出てきます。つまり,平均値の定理はロルの定理の一般化です。
平均値の定理の証明
平均値の定理の証明
平均値の定理はロルの定理の一般化とみなせましたが,実はロルの定理から簡単に導出できます!
ロルの定理を使うために,関数 に一次関数を加えてロルの定理の条件「端っこの値が等しい」を満たすような関数 を作ります。
おもむろに関数 を考えてみる。 となるような を探す:
つまり, という関数は を満たす。よってロルの定理が使えて, なる で を満たす が存在する。
であるので平均値の定理は示された。
注:一次関数を求める部分(「つまり」以前の部分)は証明には不要ですが,考え方を伝えるために書きました。
ロルはRolleと書きます。ロールケーキ(roll cake)のrollとは違います。