変数分離形の微分方程式の解法と例題

更新日時 2021/03/07

微分方程式について簡単に述べた後,微分方程式の最も基本的なパターンの一つ「変数分離形微分方程式」を解説します。数検1級や大学の期末試験でも頻出です。

目次
  • 微分方程式とは

  • 変数分離形微分方程式

  • 変数分離形の解法

  • 空気抵抗がある場合の自由落下

微分方程式とは

微分方程式とは,大雑把に言うと,y=2xy2y'=2xy^2 のように,関数 yy と,その導関数(高階導関数も含む)が含まれているような関数方程式のことです。

微分方程式の中でも y=2xy2y'=2xy^2 のように,一変数関数とその導関数からなるものを 常微分方程式と言います。一方,多変数関数と,その偏微分からなるものを 偏微分方程式と言います。

微分方程式を満たす関数 yy を求めることを,微分方程式を解くと言います。

変数分離形微分方程式

微分方程式の代表的な例の1つである,変数分離形について説明します。

変数分離形の微分方程式とは,

y=p(x)q(y)y'=p(x)q(y)

のように,y=y'= ( xx の関数)×( yy の関数)と表すことができる微分方程式のこと

  • y=(y2+5y)x2y'=(y^2+5y)x^2 は変数分離形
  • yx=(2logx)yy'x=(2\log x)yy=2logxxyy'=\dfrac{2\log x}{x}\cdot y と変形できるので変数分離形
  • y=yy'=yp(x)=1p(x)=1 となる変数分離形

注:最後の例のように p(x)=1p(x)=1 の場合が頻出です(例えば,後述する空気抵抗がある場合の自由落下など)。

以下の二点の理由により,変数分離形微分方程式は非常に重要です!

  • 変数分離形を解くのは簡単(後述)
  • かなり多くの微分方程式が(うまく変形することで)変数分離形で表せる

変数分離形の解法

変数分離形の微分方程式の解き方を説明します。

y=p(x)q(y)y'=p(x)q(y) という微分方程式は,以下の2ステップで解くことができます。

1. yq(y)=p(x)\dfrac{y'}{q(y)}=p(x) と変形する

2.両辺を xx で積分する:yq(y)dx=p(x)dx\displaystyle\int \dfrac{y'}{q(y)}dx=\displaystyle\int p(x)dx

左辺は置換積分の公式により dyq(y)\displaystyle\int \dfrac{dy}{q(y)} と等しい。よって両辺ともに普通に積分すればよい。

例題

y=2xy2y'=2xy^2 を満たす xx の(微分可能な)関数 yy を求めよ。さらに,このような関数の中で x=0x=0 のとき y=1y=-1 であるようなものを求めよ。

解答

これは変数分離形の微分方程式である。両辺を y2y^2 で割る(y=0y=0 という関数は明らかに解であるのでそれ以外の解を求める&注参照)と,

yy2=2x\dfrac{y'}{y^2}=2x

両辺を xx で積分すると,

dyy2=2xdx\displaystyle\int \dfrac{dy}{y^2}=\displaystyle\int 2x dx

よって積分定数を CC として,1y=x2+C-\dfrac{1}{y}=x^2+C

つまり, y=1x2+Cy=-\dfrac{1}{x^2+C}

xx の連続関数となるには C>0C > 0 が必要。

さらに,x=0x=0 のとき y=1y=-1 となる場合は,1=1C-1=-\dfrac{1}{C} となるので C=1C=1

つまり求める関数は, y=1x2+1y=-\dfrac{1}{x^2+1}

注(追記):厳密には「 yy0000 以外も取りうる関数」を排除する必要があります。

これを厳密に行うには「(初期値問題の)微分方程式の解の一意性」という大学で習う難しい定理が必要になります(y=0y=0 という解があることと,解の一意性より「 yy0000 以外も取りうる関数」は存在しない)。

読者の方のご指摘により気づくことができましたm(__)m

空気抵抗がある場合の自由落下

変数分離形微分方程式のさらなる応用例として,空気抵抗がある場合の自由落下を表す方程式を解いてみます。

例題

mdvdt=mgkvm\dfrac{dv}{dt}=mg-kv

を満たす tt の関数 vv を求めよ。ただし,t=0t=0 のとき v=0v=0 とする。

vv は物体の速さ,tt は時刻,m,g,km,g,k は定数です。(mm は質量,gg は重力加速度,kk は空気抵抗の強さを表す定数)

解答

左辺に tt は登場せず vv のみの関数であるので変数分離形である。

よって,両辺を mgkvmg-kv で割って(注),

mmgkvdvdt=1\dfrac{m}{mg-kv}\dfrac{dv}{dt}=1

両辺を tt で積分すると,

mdvmgkv=dt\displaystyle\int\dfrac{mdv}{mg-kv}=\displaystyle\int dt

よって積分定数を CC として,logmgkv=ktm+C\log |mg-kv|=-\dfrac{kt}{m} +C

ここで,t=0t=0 のとき v=0v=0 より logmg=C\log mg=C

よって,さきほどの式を vv について解くと, v=mgk(1ektm)v=\dfrac{mg}{k}(1-e^{-\frac{kt}{m}})

注: v=mgkv=\dfrac{mg}{k} (定数)という関数も解ですが,t=0t=0 のとき v=0v=0 という初期条件を満たさないので他の解を探します。

物理の基本方程式の多くは微分方程式です。

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