変数分離形の微分方程式の解法と例題
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変数分離形の微分方程式とは,
のように,(
の関数)×(
の関数)と表せる微分方程式のこと。
微分方程式の最も基本的なパターンの一つ変数分離形微分方程式について解説します。数検1級や大学の期末試験でも頻出です。
変数分離形の微分方程式について
変数分離形の微分方程式について
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微分方程式とは,大雑把に言うと, のように,関数 と,その導関数(高階導関数も含む)が含まれているような関数方程式です。
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微分方程式の中でも,変数分離形は「簡単に解ける」かつ「多くの微分方程式が変数分離形に帰着できる」のでとても大事です。
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は,右辺が「 の関数()」と「 の関数()」の積なので変数分離形 -
は,右辺が「 の関数()」と「 の関数()」の積なので変数分離形
注:最後の例のように「 の関数」の部分が である場合が頻出です。例えば,後述する空気抵抗がある場合の自由落下など,物理でも登場します)。
変数分離形の解法と例題
変数分離形の解法と例題
変数分離形の微分方程式の解き方を説明します。
という微分方程式は,以下の2ステップで解ける。
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と変形する
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両辺を で積分する:
左辺は置換積分の公式により と等しい。よって両辺ともに普通に積分すればよい。
微分方程式 を解け。ただし, のとき とする。
と変形し,両辺を で積分すると,
のとき より,,よって答えは
を満たす の(微分可能な)関数 を求めよ。さらに,このような関数の中で のとき であるようなものを求めよ。
これは変数分離形の微分方程式である。両辺を で割る( という関数は明らかに解であるのでそれ以外の解を求める&注参照)と,
両辺を で積分すると,
よって積分定数を として,
つまり,
の連続関数となるには が必要。
さらに, のとき となる場合は, となるので
つまり求める関数は,
注(追記):厳密には「 が も 以外も取りうる関数」を排除する必要があります。 これを厳密に行うには「(初期値問題の)微分方程式の解の一意性」という大学で習う難しい定理が必要になります( という解があることと,解の一意性より「 が も 以外も取りうる関数」は存在しない)。
物理の例題(空気抵抗がある場合の自由落下)
物理の例題(空気抵抗がある場合の自由落下)
変数分離形微分方程式のさらなる応用例として,空気抵抗がある場合の自由落下を表す方程式を解いてみます。
を満たす の関数 を求めよ。ただし, のとき とする。
は物体の速さ, は時刻, は定数です。( は質量, は重力加速度, は空気抵抗の強さを表す定数)
左辺に は登場せず のみの関数であるので変数分離形である。
よって,両辺を で割って(注),
両辺を で積分すると,
よって積分定数を として,
ここで, のとき より
よって,さきほどの式を について解くと,
注: (定数)という関数も解ですが, のとき という初期条件を満たさないので他の解を探しました。
物理の基本方程式の多くは微分方程式です。
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