正五角形の対角線の長さと作図方法
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正五角形を(定規とコンパスのみを使って)作図する方法を解説します。
正五角形の作図の原理を理解するために,まずは1辺が1の正五角形の対角線の長さについて考えます。とにかく作図方法だけ知りたい!という方はページ下部のグレー背景部分(2箇所)のみ読んで下さい。
正五角形の対角線の長さ
正五角形の対角線の長さ
1辺の長さが1の正五角形の対角線の長さは である。
- は約 なので対角線の長さは1辺の長さの約 倍です。
- は黄金比と呼ばれます。有名な値なので覚えておくとよいです。→黄金比が現れるいろいろな例(方程式・図形・数列)と現れる理由
- 正五角形の対角線の長さを求める方法はいくつかあります。例えば,
- トレミーの定理を用いる方法→トレミーの定理とその証明,応用例の応用2
- 三角形の相似を用いる方法→覚えておくと便利な三角比の値~18°の三角比の導出2
→高校数学の問題集 ~最短で得点力を上げるために~のT136でも関連する問題と計算ミスを減らすコツを解説しています。
作図の方針
作図の方針
ここから正五角形の作図方法を解説していきます。細かい書き方の手順を1つ1つ覚えるよりも大雑把な方針を理解してください!
手順1.適当な長さの線分 を書く
手順2. の 倍の長さの線分を作図する
手順3.正五角形 を作図する
1は当然簡単,2が出来てしまえば3も簡単です。つまり,正五角形の作図方法の最大の山場は2になります。
対角線を作図する
対角線を作図する
手順2までについて具体的な作図方法を解説します。
手順1:まず適当に線分 を書く。
手順2−1: の垂直二等分線 を作図する。 と の交点( の中点となる)を とおく。
手順2−2:「中心 ,半径 の円(緑)」と の交点を とする。すると, となる。
手順2−3:「中心 ,半径が である円(紫)」と直線 の交点のうち と遠い側のものを とする。このとき となる。
作図のポイントは以下です:
- 線分 の垂直二等分線を作図することで長さ は作ることができます。
- の直角三角形を使うことで長さ を作ることができます。
注:平方根の長さを作図する2通りの方法もどうぞ。
正五角形の作図〜仕上げ
正五角形の作図〜仕上げ
の長さの線分が作図できればあとは簡単です。
手順3です!
- 中心が で半径 の円と中心が で半径 の円の交点を とする。
- 中心が で半径 の円と中心が で半径 の円の交点を とする。
- 中心が で半径 の円と中心が で半径 の円の交点を とする。
ただし,直線 に関して が全て同じ側に来るようにとる。すると, は正五角形となる。
当サイト初の作図にまつわる記事です。